「勘違いしないで、理不尽を許してはいないのよ」
演:本田翼(実写映画版)
概要
エルリック兄弟の同郷の幼馴染。エドとは同い年、アルとは一歳違いで彼女が年上。
兄弟にとっては、一番の心の支えと言うべき存在である。機械鎧(オートメイル)の技師であり、エドの機械鎧はほとんど彼女による製作である。
両親のユーリとサラは医師で、イシュヴァールの内乱の折に従軍医として現地に赴き、そのまま巻き込まれて帰らぬ人となってしまった。そのため、祖母であるピナコ・ロックベルと愛犬デンと暮らしており、機械鎧の修理に帰ってくる根なし草の兄弟たちを、つねに温かく迎えている(?)。
物語前半で機械鎧(オートメイル)技術の発達した南部の鉱山町であるラッシュバレーに赴き、そこで修行生活に入ることとなる。その後、人造人間(ホムンクルス)との対立が激化していく中に巻き込まれていき、一時は人質同然となってしまうも、周囲の協力と持ち前の芯の強さで難を逃れ、最終決戦に赴くエドを見送っている。
容姿
金髪碧眼のポニーテール、耳に右に4つ、左に2つの合計6つピアスをしており、これは兄弟からのお土産(という名のご機嫌取りの賄賂)である。元はホークアイに憧れて付けはじめたもの。
普段は作業用のツナギにバンダナをしているか、白のノースリーブに黒のミニスカート、黒のジャケットと革製のショートブーツを愛用している。
そのほかにも、エプロン姿やブリッグスでの防寒コートなど、登場キャラクターの中では、割と衣装には恵まれている。ちなみに、シャンバラを征く者では、リザ・ホークアイと同じ髪型になっていた。
かなりの巨乳の持ち主で一部の作品でも指摘される場面もある。
性格
明るくオテンバ、その一方で泣き虫で心根は優しく、喜怒哀楽がはっきりとしている素直な性分。一方でエルリック兄弟をはじめ、常に家族や友人を気遣う優しい少女であり、明るく親切な気質から彼女を慕う人物は多く、芯が強いのか一度目標を定めるとどれだけ苦難がろうとまっすぐ前へと進んでいく。
また年上や目上の者を本心で敬える礼儀正しいところもあり、マスタング大佐やマホークアイ中尉といった軍人にもその態度は崩さず、自分の両親の仇である傷の男にも当初は憎悪を抱いていたが、彼の性格が軟化したのもあるとはいえ、必要以上に恨み言を言ったり、偏見を持つ場面も殆どなかった。
ただ、大の機械オタクでもあり、機械鎧の話となるとはしゃぎだす。ラッシュバレーでは、綺麗なアクセサリーよりも、年代物の機械鎧や高級な部品に心を奪われていた。
エルリック兄弟とは家族同然の間柄であったが、無意識のうちにエドに惚れていたらしく、のちにエドとは夫婦となっている。
ウィンリィとスパナ
自身の製作した機械鎧に強い愛着をもっており、それゆえに修理のたびにエドが盛大に壊してくると、スパナやモンキーレンチで思いっきり叩く。パイプ椅子を持ちだしてきたこともあった。ときとして、帰ってきたエドへあいさつ代わりに見事なコントロールで投げてくる(「帰ってくる=壊してきた」であるため)。
※ただし、最初の修理の際にネジを一箇所閉め忘れるというドジをやらかしている。
ただ、エドへの制裁ばかりでなく、照れ隠しの際でも、手元にスパナやレンチがあるとそれで叩く癖がある。アルにもかましたことがあったが、そちらは情緒不安定になってエドの心を傷つけてしまったアルの根性を叩き直すための愛情表現。こうした言動から、ウィンリィにとってスパナは仕事道具であるとともに、トレードマークであり、最大の武器でもある。
作中での活躍
原作9話(3巻)というやや遅いタイミングでの初登場となった。
「傷の男」の襲撃で右腕の機械鎧をバラバラに壊されたエドを手荒く迎える。
修復後、ピナコと徹夜で機械鎧を仕上げ、眠気眼で兄弟を見送るも、夕方に起床した際に締め忘れた右腕のネジを発見してしまう。
13話(4巻)で再登場。兄弟が第五研究所に潜入した際、ネジの締め忘れで腕の関節が外れてしまい、エドから中央(セントラル)へ出張整備を依頼され、罪悪感から大人しく依頼を受ける。そこでヒューズ中佐の自宅に招待され、さらに中佐の娘のエリシアと親睦を深める。その後、エドとアルの兄弟喧嘩の仲裁に入り、アルにスパナで活を入れながら涙ながらにエドの隠していた本音を明かし、仲直りの後押しをした。
兄弟の復帰後は二人の南部行きに同行し、機械鎧の聖地「ラッシュバレー」への巡礼を強行。摺師の少女パニーニャの両脚の機械鎧に惚れ込み、製作者のドミニク・レコルトと面会する。弟子入りを志願するも即却下されるが、息子夫婦の妻が急な豪雨の中で産気付き、幼い日に読んだ医学書を頼りに急遽出産を主導。無事大仕事を成し遂げる。その甲斐あって、ドミニクからガーフィールを紹介され、兄弟と別れてしばらくラッシュバレーで修行の日々を送ることになる。(※小説版にて書き下ろしエピソードが存在)
32話(8巻)にて、ダブリスでグリードとの戦いでまたも右腕を壊したエドと再会。きっちりボコってから修理を請け負うも、エドがリン・ヤオたちシン国の一派と交戦して結局丸ごと腕を壊したため、エドをきっちりシメてから作り直す羽目に。
そこから休暇を貰って中央へ戻るエドに同行してヒューズ一家との再会に向かうが、待っていたのはヒューズの殉職という衝撃の事実だった。しばらくはショックで塞ぎ込んでしまうが、43話(11巻)でアームストロング少佐に拉致られたエドの帰還と、エドが辿り着いた人体錬成の真実からアルの肉体の復活の可能性が確信に変わった様子を見て、徐々に前向きになる努力を始める。
ところが46話(12巻)で兄弟が「傷の男」と交戦しているとの野次馬の噂を耳にし、不安から鉄火場に向かってしまい、エドが「傷の男」にロックベル夫妻を殺害した真相を問い質そうとした瞬間を目撃する。混乱と衝動的な憎悪から、側に倒れていた兵の拳銃を握り銃口を「傷の男」に向けるが、エドの必死の説得で思い留まり、同時に自らに湧き上がった殺意に恐怖を感じる。一足先に憲兵に保護されてホテルに戻り、そこにブラッドレイ大総統が慰問に訪れて他愛のない話に興じることになる。そのあと、ラッシュバレーの面々から帰還を待ち侘びる電話を受けて立ち直り、兄弟に見送られながら修行の日々に帰った。
68話(17巻)で大総統が兄弟に釘を刺す意図で、ウィンリィをブリッグズ要塞を訪れる兄弟の元にキンブリーと共に送り込み、エドの機械鎧を寒冷地仕様に換装するも半ば人質状態となる。兄弟から自身の状況を聞かされ自覚のなさを悔やむも、ブリッグズの面々と共に「傷の男」捕縛作戦に同行し、北部からの脱出を決行。途中「傷の男」と交戦状態に入るが、中央の合成獣兵との戦いで負傷した「傷の男」に対し、恨みを殺して傷の手当を施し、「理不尽を許してはいない」という言葉共に「傷の男」の復讐心に変化をもたらした。
脱出作戦で兄弟の猛反対を押し切り自ら囮を申し出て、エドと別れて坑道から東部へ南下する。途中、マルコーとエンヴィーの決戦に立ち合いつつ、レト近郊で「傷の男」一行と別れ、家路を目指す。そこで兄弟がかつて助けたロゼ、そして兄弟の父ヴァン・ホーエンハイムに出会う。ロゼの好意で風呂と衣装を提供してもらい、その後81話(21巻)でようやく故郷のリゼンブールに辿り着く。
帰宅後、先んじてリゼンブールに辿り着いたエドと再会し、再会までの顛末とアメストリスに迫る危機について聞かされる。エドから国外逃亡を進言されるが、これを断固拒否して兄弟の帰りを待つことを決める。そして決戦へ向かうエドの背中を見送った。
国土錬成陣の発動時に巻き込まれる瞬間、また逆転の錬成陣発動の際にも登場し、陣に取り込まれた感覚を「苦しみの渦の中にいるようだった」と言い表した。
決戦後、肉体を取り戻してリゼンブールに帰還した兄弟を出迎える。
最終話でにて、新たな旅立ちを決意して列車に乗り込むエドを見送る。
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クルック…主人公に恋をしている幼馴染ヒロイン、強気な性格、サポート役、機械に強い、髪型など共通点が多い。但しこちらは恋愛が成就していない。