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とある飛空士への追憶の編集履歴

2023-08-17 22:06:28 バージョン

とある飛空士への追憶

とあるひくうしへのついおく

『とある飛空士への追憶』とは、ガガガ文庫より刊行されているライトノベル、およびそれを原作としたとした関連作品。犬村小六による『飛空士シリーズ』の第1作目にあたる。

そこに自由はあるか

恋と空戦の12000キロメートル


概要

著:犬村小六、イラスト:森沢晴行、によるライトノベル。全1巻。


この作品の世界を舞台にした新たな物語『とある飛空士への恋歌』、スピンオフ作品『とある飛空士への夜想曲』がある。また、劇場版アニメが2011年10月1日より公開された。


海の切れ目である『大瀑布』を挟んで睨み合う『神聖レヴァーム皇国』『帝政天ツ゚上』との中央海戦争を背景に、レヴァームの傭兵パイロットである主人公が次記皇妃である公爵令嬢を本国まで護送する任務を請け負うことから物語はじまる。

題名の『とある飛空士への追憶』とは、ステルス戦闘機が空を征するほどの後年になって、長らく秘匿されてきたこの『海猫作戦』の全貌を解明した作中世界のノンフィクション作家が自著に付した題名というスタンスをとっている。


作者いわく、モチーフは『ローマの休日』と『天空の城ラピュタ』のこと。


主な登場人物


内容

二人の王者は空を駆けるとある飛空士への夜想曲 千々石小隊

作者は第2作『恋歌』以降において正史のエースパイロットである坂井三郎岩本徹三らの手記を考証資料としてあげており、こうしたことから本作は太平洋戦争を意識したストーリーであることが窺える。


ヒロインの実家はレヴァームが占領している天ツ上の領土の総督のような立場で、戦争により天ツ上から侵攻を受けているこの植民地からヒロインを脱出させるのが主人公の任務だが、問題はこの2人の背景描写である。


「公爵家の令嬢であるヒロインが大人の事情による政略結婚で祖国『神聖レヴァーム皇国』の皇太子の元に嫁ぐことになるが、感性豊かだった感情はすり潰れていて自分の人生について半ば諦めている」、「主人公の本来の祖国『帝政天ツ上』は過去にレヴァームとの戦争に敗れ現在の公爵領サン・マルティリアにあたる地域を占領されたことでそこにいる天ツ人は非人道的な扱いに苦しんでいて、両国の混血児『ベスタド』である主人公はレヴァーム人と天ツ人双方からの迫害を受け育ってきた」


…といった具合であり、ラノベ作品としてはかなり重めの内容になっている。


この身分人種差別による軋轢は以降の飛空士シリーズでも重要な要素として扱われている。

(但し、本作はそんな鬱描写が吹き飛ぶような爽快なラストで締めくくられるため安心されたし。)


サンタ・クルス

文明レベルは正史における第二次世界大戦前後相当となっているが、船舶や航空機のエンジンに(作中では錬金術師が偶然作ってしまったと説明される)水素電池が用いられている、『大瀑布』と呼ばれる海の段差を越える為に揚力装置によって飛行する飛空艦艇が整備されている、といったように所々にオーバーテクノロジーが用いられているため、SFファンタジーな雰囲気にもなっている。


劇場アニメ

2011年10月1日より全国ロードショー公開された。キャッチコピーは「そこに自由はあるか。」。

2012年2月24日にはBD及びDVDが発売されている。


制作スタッフ

原作犬村小六(小学館「ガガガ文庫」刊)
監督・絵コンテ宍戸淳
脚本奥寺佐渡子
キャラクターデザイン松原秀典
メカニックデザイン山田勝哉
総作画監督田崎聡
作画監督櫻井邦彦、金錦樹、香月邦夫、渡邊和夫、今村大樹、高炅楠
演出中川聡
美術橋本和幸
VFXスーパーバイザー加藤道哉
音楽浜口史郎
音響監督清水洋史
撮影棚田耕平
CG監督設楽友久、籔田修平
色彩設計小針裕子
編集木村佳史子
プロデューサー高橋亮平、宮本秀晃
アニメーション制作マッドハウス
制作トムス・エンタテインメント

主題歌

『時の翼』

作詞:池田綾子 / 作曲・編曲:井内啓二 / 歌:新妻聖子


関連動画

特報

本予告

海外版


評価

刊行当初は何ら特別な宣伝が行われては無く、ストーリーも1巻ぽっきりで伏線を回収しきっている点からも続刊ありきで執筆されたわけではない節が窺える。


が、本作の最大の特徴である「貴族の姫君と傭兵パイロットとの身分違いの」とレシプロ戦闘機によるかなりガチめな空戦描写」が絡み合った独特のストーリーが徐々に口コミで話題になり、ついに各種メディアミックスが相次ぐほどにバズるに至る。

とある飛空士への追憶。

なんとラノベ作品でありながら、広範囲の階層に受けたという理由でハードカバー版で一般文芸で再販までされた。


この結果、作者である犬村小六の株価も上昇し、これ以降からは同作と世界観を同じくする飛空士シリーズの執筆に取り掛かることになる。(※本作が第1作目)


なお、ラジオドラマや小川麻衣子によるコミカライズは好評であったものの、劇場アニメ版は何とスタッフ多数が原作未読監督がストーリーの整合性を把握していないという状態で制作された(劇場版DVD/BDオーディオコメンタリーより)ために原作やコミカライズ版では重要となる描写がほぼカットされる事態になってしまう。

当然ながら評判は今一つで、ファンからは現在まで黒歴史として扱われている。そのため後発作品の映像化が危ぶまれたが、第2作『とある飛空士への恋歌』は無事にアニメ化にこぎ着けた。


関連イラスト

絵心教室でとある飛空士への追憶とある飛空士への追憶

センシティブな作品20100711


関連タグ

ライトノベル 小学館 ガガガ文庫 犬村小六 森沢晴行

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