手にしたのは、雷をも断つ剣──
概要
『ウルトラマンブレーザー』第12話「いくぞブレーザー!」から登場するアイテム。
ウルトラマンブレーザーに変身したヒルマ・ゲントがインナースペース内でガラモンストーンを装填することで召喚する。別名:ガラダマ雷鳴剣。
その名の通り、地球の科学力では破壊できないとされる宇宙合金「チルソナイト」で構成されている巨大な剣で、刀身には稲妻状のラインが走っている。
また、刀身と鍔の間にあたる部分には紫色の「ガラダマ」という隕石が取り付けられており、鍔にあるレバーを引く事で回転し、操作回数に応じた強力な必殺技を発動させる事が出来る。
ゲバルガのEMP発生器官に対して突き刺されていたチルソナイトスピアを、ブレーザーが抜き取り変化させる事で誕生。
事実上、ガラモンの素材にゲバルガの放電能力を加えて誕生したようなものである(そのため、ガラダマ部分をゲバルガのEMP発生器官と勘違いした視聴者もいた)が、この際に生まれたストーンはチルソナイトスピアの素材であったガラモンのストーンのみであり、ガラモンストーン装填時には電撃エフェクトがブレスに浮かび上がる。
これ以降はチルソナイトとガラモンストーンさえあればチルソナイトソードを生成できるようになったらしく、ブルードゲバルガとの戦いで一度折られるも、アースガロンから受け取った予備のチルソナイトスピアを触媒に新しく生成し直している。
剣としての誕生こそブレーザーの未知の力だが、元になったチルソナイトスピアを作り出したのは、倒されたガラモンの破片からチルソナイトを解析した人間であり、怪獣由来の力でありながら、人間の力なしでは生まれなかった武器でもある。
また、この経緯上、装着されている石は便宜上「ガラダマ」と呼ばれているが、本来のガラダマはガラモンを経由し粉々になり槍へと再構成されているため、名前と素材が同じ球状の物体というだけで全くの別物となっている。
ブレーザーの行動の特徴として戦闘開始時に「祈祷」のような動作があるが、この剣を初めて手にした際には、さながら剣を「奉納」(あるいは逆に拝領)するかのような動きを見せている。
かと思いきや、実際の戦闘中には従来の攻撃が通じなかった相手にダメージを与える剣の威力に興奮したのか、かなりハイテンションに咆哮するなど、無邪気にハッスルしているようないつもとは様子の違う動きも見られた。その姿はまるで欲しかったおもちゃを買って貰って喜んでる子供のようである。
電撃すら切り裂ける切れ味を持ち、他の必殺技が通じなかったゲバルガ、デルタンダル、モグージョンを撃破した。
さすがに明確な実体を持たないニジカガチ(怨霊態)には効かなかったが、この時はザンギルの力を分けてもらったことで対抗できるようになった。
ただし、エネルギーを相当消費するのか、下記のライデンズフィニッシュやオーバーロード雷鳴斬を使用した後は、直前では青かったカラータイマーが赤く点滅している。
技
イナズマスラッシュ
レバーを1回以上引き、トリガーを引くことで発動する技。
回転しつつ横一線に振り抜き、ガラモンの背中の棘にも見える稲妻状のエネルギー波を3発同時に発射する。
スパイラルバレードでさえ貫けなかったゲバルガの電磁バリアを容易に破る(しかも3発放ったエネルギー波のうち、2発でバリアを破壊)ほどの威力を有する。
ライデンズフィニッシュ
レバーを3回以上引き、トリガーを引くことで発動する技。
刀身から緑色の光線を発射する。モグージョン戦では斬撃を叩き込みながら光線を撃ち込んだ。
イルーゴ戦では上空に飛ばして放電させ、プラズマを発生させることで周辺一帯の空気を浄化する形で使用された。
オーバーロード雷鳴斬
レバーを5回以上引き、トリガーを引くことで発動する技。
稲妻のようにジグザグに飛行して上空に雷雲を発生させ、雷雲の中から落雷と共に標的の眼前に落下して両断する。
ニジカガチ(怨霊態)戦では逆手に持ったまま高速飛行してすれ違い様に斬り裂き、イルーゴ戦では左右から迫る2匹を回転斬りで一気に斬り捨てた。
余談
ウルトラシリーズでは、これまでカリバー、ソード、ブレードなど名前が違う剣が多く出ていたが、2年連続同じ名前が登場したのはチルソナイトソードが初めてである。
また、これまでは西洋風の両刃剣のようなデザインが多かったが、こちらは片刃の太刀のようなデザインになっており、それを活かした峰打ちも披露している。
玩具は2023年9月30日に発売。
過去数年のウルトラ武器においては、最初の武器は収集アイテムと連動する、または変身アイテムが変身後も武器となり事実上の最初の武器も兼ねている形がとられている。(一方で最終武器は販売時期の遅さや差別化から、単体で完結する連動無しが主流)
チルソナイトソードはブレーザーが使用する最初の武器であるが、登場は折り返し時期と遅いことに加え、一切の連動が無く、異例のことであり玩具としてのプレイバリューは低い。
これは、ブレーザーでは作風としてインナースペース描写や収集アイテムの本編登場を最小限に削減しているために、連動ギミックが合わないためと思われる。
同様の理由で、ゼットランスアロー以来となる、変身者ではなくウルトラマンが直接操作して必殺技を発動する形式の武器である。このため、従来はDX玩具準拠の形状の武器がインナースペース用として登場していたが、それも登場していない。
しかし、玩具のグリップには謎のジョイントが設けられており、ブレーザーストーンとの連動が無い代わりに、チルソナイトソードと連動する何かが登場する変則的な連動が示唆されている。
S.H.Figuarts、フィギュアライズスタンダードでの立体化も決定しており、フィギュア本体に同梱する形となっている。
ウルトラアクションフィギュアでの立体化も決定、ファードランアーマーに付属する形となっている。
マイナビニュースでの田口監督のインタビューによると、従来のモードチェンジの代わりに、「倒した怪獣を武器にする」という発想だったが、これはダメと言われてしまったため、没設定になった経緯がある。
変則的ではあるが、倒した怪獣を地球人が加工したチルソナイトスピアを変化させチルソナイトソードを手にするというのはその名残と語っている。
更にチルソナイトが選ばれたのもちょうど第9話のガラモン回が越組であり「ガラモンと言えばチルソナイト!理屈はどうであれガラモンからできた刀なんて聞いたら怪獣好きの田口監督や怪獣オタクの人間は絶対に握りたくなる」という田口監督の熱意によるものである事が語られている。
また、この前段階として、攻撃技であるレインボー光輪に関しても、直接的には武器ではないが、相手の怪獣の力を取り込んで新たな技を入手しており、ブレーザーの強化パターンの特徴となっている。
第12話で初披露した「オーバーロード雷鳴斬」は、「跳躍して雲の中に飛び込み、急降下して相手を一刀両断する」という描写から、一部の視聴者から「雲耀の太刀」とネタにされた。実際に示現流において稲光と同速度で刀を打ち込むことを雲耀といい、落雷と共に急降下=稲光と同速度ということであながち間違いではない……とも言える。
関連項目
主役ウルトラマン専用武器
ウルトラデュアルソード→チルソナイトソード→?
オーブスラッガーランス、ゼットランスアロー:レバーを引く回数によって発動する技が変化するウルトラ戦士の手持ち武器。
マックスギャラクシー、シェパードンセイバー:先輩ウルトラマンが使う、パワーアップ形態に関与しない強化武器繋がり。
モンスアーマー:怪獣の力由来ながら人間の力によって生まれた先輩ウルトラマンの力繋がり。
怪獣バスターズ:ウルトラ関係のゲーム。倒した怪獣の素材を使って武器を生成すると言う点がチルソナイトソードと同じと言える。