サイ・ヤング
さいやんぐ
概要
本名デントン・トゥルー・ヤング(Denton True Young)。ニックネームの「サイ」とは、「サイクロン(cyclone、暴風)」を略したもので、彼の速球がサイクロンのようにうなりをあげていたことに由来する。
入団2年目の1891年から1909年まで19年連続で10勝以上を達成。そのうち20勝以上を15回、30勝以上5回記録している。1937年にアメリカ野球殿堂入り。
端的に言うならばメジャーリーグで一番多く投げた投手。
先発登板数(815)、完投数(749)、勝利数(511)、敗戦数(316)、対戦打者数(29565)、投球回(7356.0)、被安打(7092)、自責点(2147)と、「投げ続けることで増える名投手の証」のメジャーリーグ最多記録を総なめしている。
そして、これだけ投げているにもかかわらず肩や肘に痛みを感じたことさえないという、昨今の投手の故障事情からは考えられない特異体質だったという。
サイ・ヤング賞
彼の偉業は、今日ナショナルリーグとアメリカンリーグのそれぞれからその年に最も活躍した投手1人ずつが選出される賞である「サイ・ヤング賞」として称えられている。
サイ・ヤング賞を受賞した主な投手
Pixiv百科事典に記事のある選手を中心に記載。
選手名 | 受賞年 | 受賞時の所属球団 | 備考 |
---|---|---|---|
ドン・ニューカム | 1956年 | ブルックリン・ドジャース | 記念すべき第1号受賞者 |
ロジャー・クレメンス | 1986~1987年、1991年、1997~1998年、2001年、2004年 | ボストン・レッドソックス(1986~1987、1991)、トロント・ブルージェイズ(1997~1998)、ニューヨーク・ヤンキース(2001)、ヒューストン・アストロズ(2004) | 史上最多受賞記録の持ち主 |
グレッグ・マダックス | 1992~1995年 | シカゴ・カブス(1992)、アトランタ・ブレーブス(1994~1995年) | |
ペドロ・マルティネス | 1997年、1999~2000年 | モントリオール・エクスポズ(1997)、ボストン・レッドソックス(1999~2000) | |
ランディ・ジョンソン | 1995年、1999~2002年 | シアトル・マリナーズ(1995)、アリゾナ・ダイヤモンドバックス(1999~2002) | |
ロイ・ハラデイ | 2003年、2010年 | トロント・ブルージェイズ(2003)、フィラデルフィア・フィリーズ(2010) | |
ティム・リンスカム | 2008~2009年 | クリープランド・インディアンズ(2008)、カンザスシティ・ロイヤルズ(2009) | |
クレイトン・カーショウ | 2011年、2013~2014年 | ロサンゼルス・ドジャース | |
ジャスティン・バーランダー | 2011年、2019年、2022年 | デトロイト・タイガース(2011)、ヒューストン・アストロズ(2019、2022) | |
マックス・シャーザー | 2013年、2016~2017年 | デトロイト・タイガース(2013)、ワシントン・ナショナルズ(2016~2017) | |
トレバー・バウアー | 2020年 | シンシナティ・レッズ | これを基にしたネットスラングがある。詳細はこちら。 |
※ 2024年現在、日本人のサイ・ヤング賞受賞者はいない(一応、2020年にダルビッシュ有が、2023年に千賀滉大が候補に上がったことはある)。
関連タグ
金田正一:日本プロ野球で最多完投(365)、勝利数(400)、敗戦数(298)、対戦打者数(22078)、投球回(5526.2)の記録を持つ投手。
米田哲也:日本プロ野球で最多先発登板(626)、被安打(4561)、自責点(1659)の記録を持つ投手。
沢村栄治:日本プロ野球でその年最も優秀な先発完投型投手に贈られる「沢村賞」でその名を残す。なお「サイ・ヤング賞を真似た」と誤解されることもあるが、制定されたのはこちらが先。今のところ、サイ・ヤング賞と沢村賞の両方を受賞できた投手は存在していない(2023年現在、達成できそうな投手を強いて挙げるとすれば上記のトレバー・バウアー選手くらいであろうか)。