キャバリアーアイフリッド
きゃばりあーあいふりっど
「キャバリアー、テイクオフ!」
概要
型式番号 | AMGS-X18P |
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単独航行も可能だが、基本的にはモビルスーツの背部にドッキングして運用される。
一般的な機体の場合は背中にドッキングするが、ガンダムタイプの機体で運用する際は頭部を覆い隠すように被せるという変わったドッキング方法を用いる。同世界観ではフォビドゥンの強襲形態のようなシルエットに近い。
コックピット内部は広く、パイロットシートは正面と左右に1つづつの計3席。さらに10名超の兵員を収容できるほどの余裕がある。
武装は高エネルギービーム砲2門と2連装可動式機銃。さらに背部にはモビルスーツ用のバックパックを接続させることができ、必要に応じて機能拡張も可能。
電子戦用装備も充実しており、オペレーター次第では単騎で宇宙要塞をハッキングしうるほどの性能を持つ。
当然多機能なだけあって、使いこなすためにはそれなりの技術を備えたパイロットを必要とするが、複数人に役割を分担することで負担を軽減し操縦することも可能なようである。
この機体の真価は「地上と月の間をほぼタイムラグなしで結ぶ超光速超遠距離量子通信能力」。地球月間の通信は光でさえ片道1.3秒のラグあるため、正しく超光速。リンクを構築しているモビルスーツを離れた場所から遠隔操作することが可能で、しかも受け子側はキャバリアーを直接装備している必要はない(何らかの対応措置が必要な可能性はあるが…)ので、操縦していることをバレさせずに、無線操縦するも可能。
極めつけに、キャバリアーを装備した機体ごとミラージュコロイドステルスで消す能力まで持っている。とある要因で体積が大きいはずのズゴックすら隠せるのだから、C.E.世界のMSであれば大抵は隠匿して輸送できるだけの出力はあると考えられる。
機体隠匿、兵員輸送、ハッキング、無線操縦までなんでもござれの本機はまさにモビルスーツと直接連携が可能な小型移動指揮所とも言える代物であり、戦略上の強さは最早核動力MSにすら優るほど。当然、運用も秘密裏に行われているが、ファウンデーションとの交戦時には表舞台に姿を現し、大活躍してみせた。
おそらくはテロが頻発し情報戦の比重が増した時勢に対応を迫られるエージェントを支援すべく、ズゴックとセットで作成されたと考えられるが、(乗り手も含めて)そこはかとなく漂う過剰戦力感はオーブのお家芸といったところか…
作中に登場したのは2機。
2号機「キャバリアーアイフリッド2」はストライクルージュにドッキングした状態で出撃し、ミリアリア・ハウとサイ・アーガイル、ダリダ・ローラハ・チャンドラII世が通信管制を担当した。
劇中の活躍
ターミナル機はズゴックと行動を共にし、ファウンデーション王国の罠に嵌った世界平和監視機構コンパスの救助活動を行う。轟沈したアークエンジェルからアーノルド・ノイマンらを救出し、さらにライジングフリーダムから脱出したキラ・ヤマトを乗せると共にズゴックと再ドッキング、オーブ・アカツキ島地下の秘密ドックへと逃げ延びた。
最終決戦ではミレニアムに積載(衛星からの監視を避けるため、ズゴック共々ミラージュコロイド展開状態で収容)と共に宇宙に上がり、ストライクフリーダム弐式を抱えるズゴックにドッキングして牽引。アスラン・ザラが代理で乗ったストライクフリーダム弐式を切り離して敵を釣り出す囮にすると、敵が迎撃機出撃のためアルミューレ・リュミエールを解除するタイミングでミラージュコロイド展開状態で突入。ズゴックが要塞内部を攻撃する背でメイリンが要塞にハッキングをかけ隔壁を閉鎖、生まれた隙でキラやレドニル・キサカらオーブの兵士たちがラクス・クラインを救出した。ラクスを乗せた後は要塞から脱出し、ストライクフリーダム弐式のパイロット交代(アスラン→キラ)とアスランのズゴック搭乗の中継地点として機能、終了後はミレニアムに着艦してラクスを降ろし再出撃したが、途中で分離している。
オーブ機はカガリ・ユラ・アスハが搭乗するルージュにドッキングし、領海上を飛行しながら月面にて戦闘中のインフィニットジャスティス弐式を遠隔操作で援護、非常に高い通信性能を見せつけると共にアコードの読心能力にも対応した。
余談
- 元ネタは『機甲戦記ドラグナー』のキャバリアー0と思われる。
- アルテミス内部での破壊工作中、メイリンはハッキングに集中し、他の人員も機体から降りていたことから、既にこのときからカガリによる遠隔操作が行われていた可能性がある。或いはアスランが操縦していたか…(※初代ジャスティスのリフターはドラグーン非搭載なので、ラジコン攻撃は全てアスランが手動で操作していた)
- 同タイミングで登場したズゴックのインパクトから霞みがちだが、実は軍事兵器の観点から見るとこっちの方が数段ヤバい。
- ミラージュコロイドによる隠密行動から始まり、潜入した敵施設へのハッキング・クラッキング、搭載火器による破壊工作……とこれだけでも戦略的に優秀すぎるが、極めつけは「月面と地上の間でタイムラグほぼ無し」のMS遠隔操作が可能な点。
- C.E.世界ではNジャマーによって遠距離通信はかなりの制約が生じており、その結果遠隔操作による無人機は殆ど存在していない(C.E.75年時点ではファウンデーション王国が正式採用している程度)。そんな環境下でコンマ一秒の操作の遅れが命取りとなるMS戦闘でも対応可能な遠隔操作技術というのは、戦略的観点ではとんでもないブレイクスルーである。
- 福田己津央監督によると、機密度合いでは1機製造するのに量産機20機にも相当するアカツキよりも上の極秘兵器で、「行政府と軍司令室の機能を統合したエアフォースワン」をイメージしているとのこと(出典)。