ベルベットルーム
べるべっとるーむ
「ようこそ・・・我がベルベットルームへ・・・
申し遅れましたな。 私(わたくし)の名はイゴール。」
「この部屋・・・夢と現実 精神と物質の狭間の場所・・・。
”ベルベットルーム”の主を致しております。」
概要
夢と現実、精神と物質の狭間にあるとされる不思議な部屋。別名「青い部屋」。
「ペルソナ」シリーズの主な要素であり、作品によってできる事は異なるがペルソナの合体やペルソナ全書の閲覧、ペルソナの降魔、帰還などが出来る、物語の進行に必要不可欠な場所でもある。
ちなみに「ベルベット」とは織物の一種である。
「異聞録」「ペルソナ2」ではパーティキャラ全員で入ることが出来たが、「P3」以降はペルソナの付け替えを行えるのは主人公のみとなっているため、基本的には主人公およびワイルドの能力に目覚めていない者が立ち入ることは出来ない。ただし、シナリオの一部で仲間が招待されることもある。
また異聞録・ペルソナ2等では基本パーティーメンバーしか入れないが、一部NPCの会話で見えている者がいたり、ペルソナに目覚めていなくてもペルソナ使いが連れていけば入れる模様。
逆にベルベットルームの住人が現実世界へ行く事も可能である。
シリーズごとに部屋の様子や場所、住人が異なり、
- 「女神異聞録」「ペルソナ2罪/罰」では広いジャズバー
- 「ペルソナ3」や「ペルソナアインソフ」では常に上昇し続けるレトロなエレベーター
- 「ペルソナ4」ではゆったりとしたリムジン
- アニメ「P4G」を見る限りでは外観も車そのものであり、道路と街頭が整備された青い空間を走っている事がわかっている。
- 「ペルソナ5」では無数の収容部屋に囲まれた円形の牢獄
- 「ペルソナ5X」では天井に魚影が見える海中トンネル
- 「ペルソナ5T」ではスチームパンクな工房
- 「ペルソナQ」では文化祭のテント型ブース
- 「ペルソナQ2」では映画館の試写室
- 「ダンシングオールナイト」ではネオンが光るダンスクラブ
- PERSONA 25th Anniversary GOODS特設サイトのビジュアルでは洋館の一室
という風に場所が変わっており、ペルソナ合体の方法も内装を反映したものに変化する(『P5』以降はそれが顕著であり、例えば『P5』ではギロチンでの処刑、『PQ2』では映写機による投影、『P5T』では歯車の鋳造となっている)。
これはベルベットルームが訪れる人間の“精神の在り方”そのものを反映しているからであり、訪れる人間によってその形式も変わる。
ただ外伝作品の場合は、別の要因や住人の意向によって指向性が与えられ変化している。
その成り立ちからか、時間や空間とも切り離された場所に存在するらしく、(異世界を含めた)特定の場所に開いた扉を通ったり、睡眠中にイゴールに招かれるなどして行く事ができる。
故にナンバリング作品のベルベットルームは同一のものであると考えられる(それを裏付けるように『異聞録』〜『P2』までの作品から世界観が一新された『P3』にてイゴールがP3主人公を「久しぶりのお客様」と呼んでいる)。
基本的に『ペルソナ』シリーズの世界観にしか登場しないが、設定的に関連性のある『女神転生』シリーズの世界と繋がりのある場所であるのかは不明。
『Persona4_the_ANIMATION』では視聴者をP4の世界に誘う導入用の舞台装置として登場(ご丁寧にイゴールの挨拶もある)。セーブデータをロードし、主人公になりきったような感覚が体感できる。2周目に相当する『Persona4_the_Golden_ANIMATION』ではイゴールとマーガレットの語りの代わりにマリーのポエムを聞くことになる。
『大乱闘スマッシュブラザーズ special』におけるジョーカーの勝ち上がり乱闘にて「シャドウを追え!」のステージ2に採用されているのが「カロスポケモンリーグ」となっているが、色合いやBGMからしてベルベットルームの代わりとして用意されたものと思われる(対戦相手は見た目とモチーフがそれっぽいゲッコウガ…ではなく、カービィとなっている)。
もしかしたらスマブラ世界のベルベットルームが本当にこの形で顕現している可能性もゼロではないが。
なお、シリーズに共通して登場する…わけではなく、アニメ『トリニティソウル』ではイゴールが道端で占い師をやっており、従者も登場しない。
ベルベットルームの住人
力を司る者
エレベーターガールの姿をした女性。マーガレットの妹でテオドアの姉。
「ペルソナ3」シリーズのナビゲーターを務める。
ベルボーイの姿をした青年。エリザベスとマーガレットの弟。
「ペルソナ3ポータブル」のナビゲーター。女主人公のみ選択が可能。
秘書の姿をした女性。P3以降における造魔姉弟の長姉。
「ペルソナ4」シリーズのナビゲーターを務める。
「ペルソナ4ザ・ゴールデン」に登場。
ベルベットルームに偶然たどり着き、以後は住人見習いとして身を置く記憶喪失の少女。
監獄の看守姿をした双子。お団子ヘアーがカロリーヌ。三つ編みがジュスティーヌ。
「ペルソナ5」シリーズのナビゲーターを務める。
髪は他の住人と同じくプラチナブロンドだが、瞳の色は金色ではなく銀色。
ペルソナ5Xのナビゲーターを務める。
ベルベットルームで出来る事
異聞録では悪魔から貰ったスペルカードを掛け合わせて合体させ、2では一定数のタロットカードを元にペルソナを呼び、3以降はペルソナ同士を合体させてペルソナを作る。
また合体は従者でも一応できるが基本イゴールがやった方が安定するらしい。
時々事故ることもある。
5では特定のアイテムとペルソナを素材にしてアイテムを作り出す「電気椅子処刑」が可能となった(『真・女神転生』における"剣合体"や『D×2』における"カミオロシ合体"に相当する)。
ペルソナ全書への登録
従者の手に持っている本に合体やレベルアップによってステータスを更新したペルソナを登録、所持金を支払っていつでも引き出しできるようにするシステム。
はやい話が悪魔全書である。
従者の依頼
3以降からはイゴールの従者のお願いを聞いて、特定のアイテムを持ってきたり、特定のスキルのペルソナを作ったりなどの依頼をこなす。
全ての人の魂の詩
この場所で共通して流れるBGM作曲者は目黒将司。
ピアノの伴奏と女性の高めのコーラス(歌:小宮知子)が中心となって構成される。
劇中設定ではナナシが演奏、ベラドンナが歌唱担当となっている。
初使用は『女神異聞録ペルソナ』で音程も高く、テンポの速い曲となっている。
以下は初代以降の作品で発表されたアレンジ版であり、この曲自体が『ペルソナ』シリーズの代名詞となっている。
曲名 | 出典 | 備考 |
---|---|---|
全ての人の魂の詩【罪】 | 『ペルソナ2罪』(1999) | 『3』以降主流となったアレンジ。全ての人の魂の詩といえばこの曲を指すことが殆ど。 |
全ての人の魂の戦い | 『ペルソナ3』(2006) | とある戦闘シーンに使用されたアレンジ版。『P5R』でもベルベットルームコスチューム着用で戦闘曲がこの曲に切り替わる |
Blues in Velvet Room | ” | ブルースアレンジ |
全ての人の魂の絆 | 『Persona4 the ANIMATION』(2011) | - |
全ての人の魂の詩-TV Sign-Off- | 『ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ』(2012) | - |
全ての人の魂の戦い~USH ver.~ | 『ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド』(2013) | - |
全ての人の魂の詩(t.komine REMIX) | 『AT1st ~Persona3 & Persona4~Club Arrange』(2013) | 別バージョンとして『P3D-EDIT ver.』も存在 |
Electronica In Velvet Room ("P4D"ver.) | 『ペルソナ4 ダンシング・オールナイト』(2015) | - |
全ての人の魂の戦い(Daisuke Asakura Remix) | 『ペルソナ3 ダンシング・ムーンナイト』(2018) | 浅倉大介によるアレンジ |
全ての人の魂の詩 -Music Box- | 『ペルソナQ2 ニュー シネマ ラビリンス』(2018) | - |
全ての人の魂の詩-終幕- | ” | - |
全ての人の魂の詩 | 『大乱闘スマッシュブラザーズ special』(2018) | 編曲者は北谷光浩。アップテンポな曲調が特徴 |
全ての人の魂の詩 -Reload- | 『ペルソナ3リロード』(2024) | - |
全ての人の魂の戦い -Reload- | " | - |
余談
- バー→エレベーター→リムジンと徐々に狭くなってきており、スタッフさえも「次は文化祭のテナントでしょうか」などとネタにしていたらしい。
- その後実際に文化祭のテントや牢獄タイプが登場し、主人公に与えられたスペースはリムジンどころではない窮屈さ。ただし牢獄は全体として見ればバー程度の広さはあり、試写室はもちろんテント型ブースの中も案外リムジン以上に広々としている。
- ベルベットルームの住人たちの名前は基本的にメアリー・シェリーの小説「フランケンシュタイン」及びその続編映画「フランケンシュタインの花嫁」の登場人物から取られている。
- 2023年2月から3月に開かれたコラボビュッフェ「ようこそベルベットルームパーティへ」では会場がベルベットルーム仕様になっている。