「私はどんな色にでもなれるキュラソー。
前の自分より、今の自分の方が気分がいい……ただ、それだけよ」
CV:天海祐希
概要
黒ずくめの組織の幹部。組織のNo.2・ラムの腹心であり、情報収集のスペシャリスト。
『純黒の悪夢』(以下『純黒』)の主題歌「世界はあなたの色になる」は、ある意味彼女自身を表しているとも言える。
任務遂行中に記憶喪失に陥って茫然としていた時、阿笠や少年探偵団と東都水族館に訪れたコナンにガソリンの匂いを嗅ぎ取られて話しかけられた。コナンと哀の忠告を聞かずに歩美と元太と光彦はキュラソーに積極的に友好的に接していく。しかし、ある理由から組織に命を狙われることに。
登場は『純黒』のみだが、26作目の『黒鉄の魚影』でも存在が言及されたほか、その悲劇的な運命や声を担当した天海氏の熱演などから、ファンの間でも人気が高い。
なお、映画公開まで「謎の女」として名前が伏せられていた。
人物
容姿
銀色のロングヘアーと、左が青、右目は虹彩と白目の部分(強膜)が同じ色で透明に見えるオッドアイが特徴。短眉で色は黒。厚めの唇をしている。
歩美から「目、右と左で色が違う、綺麗」「スタイルいいもん」光彦から「スーパーモデルみたいですよ」と言われ、写真を見た小五郎が「美しい」と評価してるあたり、容姿端麗。
能力
生まれつき脳にある損傷により、高精度の記憶能力を持つ(おそらくフォトグラフィックメモリーと思われる)。
コードネームである『キュラソー』にちなんだオレンジ・ホワイト・ブルー・グリーン・レッドの5色のプラカードを使うことで、膨大な量の情報を記憶することができる。
カードを使わずとも記憶力自体は相当なもので、元太が誤ってバラバラにしてしまったオセロの石を寸分違わず元の状態に戻している。
プラカード以外でも5色が映える物を目にすれば同様の能力を発揮するため、記憶を失ってからは、5色に近い色を見ると激しい頭痛を起こすようになってしまう。
また身体能力も人間離れしており、ボクシングの達人である安室(降谷)と互角に渡り合った他、記憶喪失後にも不注意で観覧車乗り場から落下した元太を間一髪ほぼ無傷で助け出している。
ちなみに元太の体重は(原作の設定によれば)40kg。凄すぎである。
ダーツの腕前も高く、劇中では投げた矢の全てをダブルブルに命中させていた。
性格
記憶を失う前は、組織のメンバーの中でもかなり粗暴(はっきり言えば凶暴)な性格で、一般人の車両を平気でクラッシュさせたり、逃走中に立ちふさがった赤井に対し「轢き殺してやるよ!」と叫び躊躇なく実行に移そうとするなどしている。
一方で記憶喪失時には真逆の大人しい性格になり、多少戸惑いながらも元太たちと一緒にダーツやオセロを楽しみ、笑顔を見せている。
過去
「組織にとって都合の悪い情報」を知ってしまったことでベルモットに口封じされかけるが、キュラソーの能力を重宝するラムの計らいにより難を逃れている。
後にラムも映像記憶能力(フォトグラフィックメモリー)を持つことが判明したことで、ファンの間では「自分と似た能力を持つために利用価値を見出した」「自分の代わりにするため生かした」などの説が浮上している。実際、「君の特殊能力を私のためだけに使え」と言い放っている。
最期
終盤で記憶を取り戻し、一度は組織に戻ろうとしたが、歩美や元太や光彦と過ごした時間を経て「今の自分の方が気分がいい」と組織を裏切る。合流場所である観覧車のゴンドラからいなくなった事で、ジンから裏切りを察知され、抹殺対象となってしまう。過去にキュラソーを始末しようとしていたベルモットは、まだ裏切ったと決まっていないと消極的だった。
途中で哀と遭遇し、彼女が幼児化したシェリーだと見抜くが、この場から逃げるように促す。子供達が観覧車に取り残されていることを哀から知らさせるとジンたちのオスプレイからの攻撃を自身に集中させるため、囮となって飛び出した。
最期は脱輪して転がり出した観覧車を止めるべく、腹部に鉄骨が刺さる重傷を負いながらも建設中エリアにあった重機で特攻。
「止まれぇぇぇぇーーーーーーーっ!!!」
何とか観覧車を止めるが、自身は操縦席ごと潰された上に(直前に彼女によって助けられていた灰原だけは観覧車の窓越しからキュラソーの最期を直接目撃している)爆発に巻き込まれ、身元の判別が不可能な遺体となって発見された。
元太から手渡された、3人とお揃いのイルカのキーホルダー(ダーツゲームの景品・彼女のは未着色で白のまま)を最期まで大切に持っており、ラストで彼女と同じように潰れてしまったそれをノックリストの記憶媒体かと疑う風見に、「記憶(Memory)じゃない。思い出(Memorial)だよ…。黒こげになっちまったけどな…」とコナンが呟いている。
エピローグでは当然真相を知らないままである光彦達には「元の居場所に帰った」と認識されている。
子供達を守って命を落とし、イルカのキーホルダーは黒焦げ。もの悲しさを感じさせるが黒は「何色にも染まらない色」。どんな色にもなれると語った彼女がイルカのキーホルダーと同じように色が付いた、確固たる自我を獲得したという解釈もできる。
彼女の死によって、『黒鉄の魚影』ではラムの側近の立場にはピンガが就くことになった他、中盤では灰原が自身と彼女のことを指すであろう言葉を直美へ送っている。
余談として、「止まれぇぇぇぇーーーーーーーっ!!!」という彼女の渾身の最期の叫びは、台本段階では「止まって」だったものを、声を担当した天海氏による「『止まって』だと弱く聞こえる」「『止まれ』にしていいですか」との要望で変更されたものであり、
後日原作者である青山氏から「あれセリフ変えたよね」「あれは『止まれ』で正解」とお墨付きを得ている。
関連イラスト
関連項目
名探偵コナン 劇場版名探偵コナン 純黒の悪夢 黒ずくめの組織
江戸川コナン 安室透 赤井秀一 灰原哀 風見裕也 ジン ベルモット ラム
トヨタ・マークII…とばっちりで黒色のやつが1台お亡くなりになった。
オセロ…劇中で少年探偵団と一緒に遊んだボードゲーム。彼女は子供達と触れ合ったことでオセロのように「黒」から「白」に変わることが出来た。
アイリッシュ、原佳明、ピンガ…同じく劇場版限定の黒ずくめの組織メンバー。
アイリッシュはキュラソー同様に味方側(キュラソーは少年探偵団、アイリッシュはコナン)を庇って死亡しているため、「死んでほしくなかった、原作にも出てほしかった」とファンから惜しまれているところが共通している。ピンガとはラムの側近繋がり。またピンガはキュラソーと違って、悪に徹したキャラクターとして作られたが、ファンから「死んでほしくなかった、原作にも出てほしい」との声がある。
黒田兵衛、若狭留美…キュラソーと同様、原作でのラム候補だった人達。本編のキュラソーは、この2人とラムが初邂逅した「羽田浩司の殺害事件」で明らかになった各々の描写と類似する点があった。(黒田とは「車の事故に遭う」、若狭とは「特殊な右目持ち」、ラムとは「瞬間記憶能力者」)