宇蟲王ギラ
じゃあくのおう
概要
顔立ちこそ視聴者が知っているギラそのままだが、その服装は大きく開いた襟と丈の長いローブが特徴的な荘厳ながらも禍々しいもの。
また宇蟲五道化も、彼の配下となり常に付き従っている。
また、一人称も素で「俺」になっており、一般市民を「クズ」「ゴミ」「カス」等と口汚く罵り、必要とあれば命を奪うことにも一切躊躇いが無い傲慢かつ冷酷な文字通りの「邪悪の王」に変わり果てており、見た目以外に本来のギラと共通する要素は全くないと言っても過言ではない。
祖先であるライニオール・ハスティーと同様に、オージャカリバーZEROを用いることで怪人態へと王鎧武装することができる。
反面、そもそも歴史上オージャカリバーが存在しない為、クワガタオージャーに変身することはできない模様。
変わってしまったチキューの支配者として君臨している。
何故こうなったかというと…
以下、映画本編のネタバレにつき要注意
切っ掛けは、ダグデド・ドゥジャルダンとキョウリュウジャーの邂逅にまで遡る。
兜武神デーボスをけしかけ、宇宙へ逃走したダグデドを追撃すべく桐生ダイゴと空蝉丸、そして弥生ウルシェードの3人は異空間移動機能も備えたプレズオンに乗ってその行方を追っていた。
追いついた彼だったが、ダイゴを気に入ってしまったダグデドは彼をコレクションにすべく、琥珀のような物質に封じ込め首飾りにしてしまい、他の面々を時空の彼方に吹き飛ばす。
彼らが流れ着いた時代は新生デーボス軍に地球が征服された未来の世界であり、ここでこの時代のアミィから託された人物、それがダイゴの息子プリンスであった。
これが本編第32・33話に繋がることになる(以後、詳しくは詳しくはこちらの記事を参照)。
そして紆余曲折を経た後、現代の地球は救われるのだがダイゴが封印状態=プリンスが生まれない歴史になりかけてしまい、彼に消滅の危機が迫ってしまいダグデドを追うべく一行は進路をチキューへ定める。だが、この時ちょっとしたトラブルによる操作ミスでプレズオンはまだギラがコーカサスカブト城で暮らしていた頃のチキューに誤って不時着してしまう。
プレズオンの復旧もあり、一先様子見もかねてシュゴッダムの町を散策する空蝉丸だったが、その時幼少のギラがレインボージュルリラを食べた直後の場面に出くわした。
一緒にいた兄も側近に呼ばれていなくなり、一人きりになったギラは「もっと食べたいな」と思わず零す。
だが、これを重大な事実を知らない空蝉丸が聞いてしまっていた。
元来の子供好きも相俟って幼少のギラを放っておけなかった空蝉丸は(ラクレスが作っていたであろう)大鍋いっぱいのレインボージュルリラを城のどこかから調達して、ギラに腹一杯与えてしまったのだ(なお、空蝉丸の子供好きな性格が仇となって事態の悪化を招いたのはこれが2度目。1度目はデーボ・タンゴセックとの因縁の件)。
結果、ギラはコーサスやダグデドが目論んだ最強の兵器へと成長するが、なんと生みの親であるダグデドを単独で倒し、宇蟲王の座に取って代わるに至り、新たなチキューの支配者になっていたのだった。
また、それに伴って他の王達の境遇も変わってしまい、
- ヤンマ・ガスト:事業に失敗し、連日取り立て屋に詰められる無一文の臆病者
- ヒメノ・ラン:我儘放題の末に城を追い出され、花売りとして孤独に暮らすホームレス
- リタ・カニスカ:裁判長としての激務で精神を病み、退職した後に大成功した歌手
- カグラギ・ディボウスキ:裏切りを繰り返して敵を作り過ぎたせいで王殿の座から降ろされ、妹の尻に敷かれる八百長の賭け相撲の力士
- ジェラミー・ブラシエリ:「チキューの案内人」を自称するお調子者「チャラミー・チャラシエリ」
……といった風に、正史と完全に別の道を辿った別人と化していた。
その後、ギラが連れていたミノンガン・モウズのマルチバースデイを使って別時空からの転移に成功したダイゴが、バグナラクの玉座に残されていたヴェノミックスシューターの中に記録されていた王様戦隊の記憶を使いギラ含め王達の記憶を呼び戻したことや、空蝉丸が再び過去へ飛んで自身の行いを阻止したことで本来の歴史に戻るも、さすがに宇蟲王として完成した状態ゆえに消去には至らず、本体であるギラと分離。
イーヴィルキングの姿を取って独立するも、最期は王様戦隊とキョウリュウジャーの二大戦隊との激戦の末に倒され、滅茶苦茶になっていた歴史も元通りとなった。
余談
- テレビシリーズ本編にて、ギラの父親であるコーサス・ハスティーはギラに大量のシュゴッドソウルを食べさせることで対ダグデド用の兵器に仕立て上げようとしたが、今回の一件により、仮にそれが成功しても彼らに制御できず、寧ろダグデドに代わる新たな脅威になるだけという最悪の結末を起こしていた可能性があったことが明示された。それを考えると、その計画に異を唱えて阻止したラクレスは色々な意味でファインプレーだったと言える。
- 怪人態はおそらくライニオール(怪人態)の改造と思われる。
- ライニオール(怪人態)の活躍を見ていた一部の視聴者からは改造を惜しむ声があるものの、演者の中村獅童氏のスケジュールを考慮すると今後客演できるかどうか不透明であるためこの決断は英断と言える。