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50000形の編集履歴2024/05/10 14:41:39 版
編集者:WINDRIUM WRITER
編集内容:一部編集。

50000形

ごまんがた

鉄道車両の形式のひとつ。ここでは小田急電鉄の特急型電車(ロマンスカー)について紹介。

国鉄貨車にコキ50000形(⇒コキ50000の記事を参照)などの例があるが、旅客用では小田急電鉄の例しかない。

概要

2005年3月19日デビュー。

それまでの最新形式であった30000形「EXE」ではそれまでの「ロマンスカー」のかつてのイメージに合わなかったため、「箱根の魅力向上と活性化」&「小田急ロマンスカーブランドの復権」を目的として登場した。

"Vault Super Express"、略して「VSE」の愛称を持つ。Vaultとは、かまぼこ形の天井のことで、どことなく国鉄20系客車のような屋根が目立つ。

バリアフリー非対応の10000形HiSE」置き換えも兼ねて10連接の編成が2編成製造された。置き換えられた10000形2編成は編成短縮を行って長野電鉄へ移籍した(⇒ゆけむりの記事を参照)。

HiSE以来の連接構造と前面展望席を採用する一方、1車両の長さを増やして11連接から10連接に変更(※左右対称のデザインにするため)され、空気バネによる車体傾斜方式も小田急初採用。

シルキーホワイトをベースにした白い車体に、ロマンスカー伝統のオレンジバーミリオンの帯を窓下に入れた。特徴的なヘッドライトの位置から、どことなく出っ歯に見える。デザイナーの岡部憲明は、直線やエッジを多用した男性的なデザイン(後に登場するGSEは女性的)な車両とコメントしていた。

2006年に鉄道友の会からブルーリボン賞受賞。

ちなみに、豊川駅(日本車輌)からの甲種輸送は白いシートで車体の大部分を隠して輸送された。(参照)

車内

  • 1号車と10号車には展望席が設置されている。
  • 3号車と8号車にはトイレとカウンタースペースが用意されており、その内、3号車には個室まで用意されている。
  • 車椅子対応出入口は8号車のみに設置されている。
  • それ以外の車両は座席のみの構成となっている。

運用

「箱根観光特急」として明確な差別化を図るため、車両運用は箱根特急に特化したものとした。「スーパーはこね」「はこね」メインで50000形限定の運用が組まれ、基本的に「ホームウェイ」「えのしま」等には使用されなかった。乗務員も、VSE専用の試験に合格した者のみで構成され、他列車とは一線を置くまさにフラッグシップであった。

停車駅も、町田駅本厚木駅小田原駅と非常に少数であった。

しかし、2016年のダイヤ改正で平日の「ホームウェイ」運用が開始されると、江ノ島線でも定期的に運行されるようになり、相模大野駅にも停車するようになる。

2018年に70000形GSE」がデビューしてからは「前面展望席付き車両」で共通運用が組まれ「えのしま」「さがみ」にも使用されるようになり、箱根専属特急としての役割を完全に終え、マルチな運用が可能となった。

2008年に60000形、2018年に70000形が登場してもなお高い人気を誇り、10周年の2015年にはそれを記念した催しも多く、誕生から11年間「箱根観光専用特急」として走行し、後輩登場後もイメージリーダーとして起用され続けるなど小田急側としても非常に特別な存在であったが……。

退役

2022年3月12日のダイヤ改正(※小田急ではダイヤ変更と案内)では、社会情勢の変化などを鑑みて「はこね」運用を削減することになり、この結果特急車両に余剰が発生。検討の結果、VSE2編成を定期運用から外すことになった。様々な事情から早期引退説は流れていたものの、デザインは全く古さを感じさせないことから実際に発表されると大きな反響を呼んだ。

30000形「EXE」は鋼製車体で改修工事が比較的簡単であったのに対し、50000形「VSE」は特殊な車体傾斜装置の保守面の問題のほか、そもそも改修工事に難があるダブルスキン構造のアルミ車体であったため、早期の退役となった。

もっとも、それだけの理由ならMSE、GSE車もダブルスキンであり、これらは大規模更新が難しいながらも長期的に使う予定であるため、これだけの理由で引退に至ったわけではない。

ではどうしてそうなったのか。それには機器面での問題である。VSE車の機構には多くの特殊構造が盛り込まれており、その予備部品が海外から取り寄せていたこともあって更新部品の調達が困難となり、性能を維持できなくなってしまったのだ。加えて、LSE車が引退した今、(仮にLSEが現役だったとしても25年も車齢に差があり、)、他社でこともあり

小田急側としても、2018年にGSEが登場後も継続して使うために補修、更新計画について検討を開始したのだが、その過程で車両の特殊構造からリニューアルが難しいことが判明してしまい、EXEのようなリニューアルを行えずに早期引退に至ってしまった。

時流の変化期に更新時期を迎えリニューアルを受けたことで時流に乗り、設計時点で長寿化を図っていた7000形「LSE」、通勤形8000形は鋼製車体を持ち長期的に活躍、LSEは2018年までの38年の歴代最長期間の活躍となり、8000形もVSEだけでなく(ハイデッカー構造がバリアフリーに対応できなかった)HiSE・RSEと多くの後輩車両の誕生から引退までを見守り、その後も西武鉄道への譲渡が決まりもうしばらくの活躍が確定するなど先輩ながらも長生きすることとなった。

  • 参考:他社の事例では近鉄特急の場合、比較的新しい「しまかぜ」や「ひのとり」であっても鋼製車体で製造されている。これはリニューアル工事の際車体の切り貼りをしやすくするためであり、アルミ車体だとその切り貼り自体が難しくなる。

ちなみに、引退理由について現在設置が進められているホームドアの影響だという声があり、発表の数年前から「ホームドアに対応できないから引退するのではないか」という噂も立ち、本記事にもその影響と思われると書かれていた時期も存在した。

結果的に理由は違うものの早期引退説は的中してしまった。

なお、ホームドアには対応できるからそのせいではないと発表しているが、どういうわけかホームドアのせいにしたがるファンも多く、完全引退した現在でもホームドアのせいで引退したという誤情報が拡散して後を絶っていないが、その理屈ならばEXE車もMSE車も一部号車が対応しておらず、現状対応しているのはGSE車のみとなっている。

2022年3月11日ホームウェイ87号藤沢行きが定期運用最後の列車となり、以降は団体向けの臨時列車として下記の各種イベントを展開。2023年9月に50002編成、12月に50001編成がそれぞれ全運用から退いた。66年間続いたロマンスカーの連接車の歴史にも終止符を打っている。

(2022年)

  • 3月26日:沿線在住の新入学小学生を対象にした貸切運行
  • 4月16日:親子を対象にしたツアー

(2023年)

  • 2月25日:鉄道系YouTuberとのコラボツアー(がみ・ひろき・かんの・西園寺・ZAKI・たなか
  • 9月23日、24日:50002編成ラストラン。50001編成と並走、同時発車、追い抜きなどを行うミステリーツアーを実施。
  • 10月14日:海老名にて、現役ロマンスカー5車種を並べた撮影会を実施。
  • 12月9日:50001編成最後の撮影会を実施。撮影会後、海老名→新宿を走行。
  • 12月10日:相模大野→(片瀬江ノ島)→唐木田→(新宿)→秦野、秦野→(箱根湯本)→成城学園前で50001編成ラストラン

外部リンク

引退記念サイト

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