『コードギアス 奪還のロゼ』episode.9(第3幕)以降のネタバレにつき注意!!
概要
光和7年にネオ・ブリタニア帝国が世界中に放った半自立型の戦略兵器。
設計・開発者はアインベルクの「白のビショップ(ヴァイス・ビショップ)」であるスタンリー・フォンブラウン。
後述する性能となんの前触れもなく行われた所業から、視聴者にみんなのトラウマとして印象付けられた。
外観と性能
サイズは一般的なナイトメアフレーム(KMF)の3倍ほど。
待機時は白い円筒状だが、展開すると紫色の内部機構が露出した節足動物めいた姿になる。
火器の類は内蔵されておらず接近戦しかできないが、問題はその攻撃手段。
中心下部には回転式クローを備えた吸引口があり、クローであらゆる障害物を破壊し、他の生物には目もくれず人間のみを感知してロボット掃除機の如く吸引し、内部のミキサーで肉片も残さず血煙にまで粉砕してしまう。
中心上部の中枢ユニット周りには排出口があり、吸い込んだ肉片と血煙はそこから噴霧される形で排出されるため、詰まることはない。
その他、待機形態のまま横倒しに転がって体当たりする、斜面をよじ登る、エネルギー残量が少なくなると自動的にサクラダイト補給施設に向かいエナジー充填を行うなど、自立兵器らしからぬ挙動を行う。
内部機構に致命的な損傷を与えるか中枢ユニットを破壊することで機能停止するが、
- 白い外殻部分や吸引口周りが恐ろしく頑丈で、並みの武装では全くダメージを与えられない。
- 生産数が膨大過ぎて、壊しても壊しても雪だるま式に次の機体が襲い掛かってくるためジリ貧になる。
といった形で完全な根絶が非常に困難。
劇中での活躍
ナナシの傭兵と七煌星団らがホッカイドウブロックをネオ・ブリタニア帝国から奪還しようとする戦いは、突如としてネオ・ブリタニア側から超合集国への和平交渉の提案という、これまでの態度からあり得ざる事態が起きた。
それへの手出しは逆にこちらが平和を乱すものとして正当性を失うため、手出しはできず、数ヶ月間戦況が停滞することとなった。
そして、和平交渉が巧妙にネオ・ブリタニア側に有利になる条件で進行していた中で、皇神楽耶の超合集国への代表復帰で不利は覆される、そう思えた中で惨劇は始まった。
全世界で
秘密裏に全世界の沿岸付近の海底に配備されていた潜水母艦から射出されたロキは、待機状態で横倒しのまま転がるように沿岸から上陸。
その機能で人間を狙って無差別に襲撃し、吸引・粉砕による「駆除」を行う。
ブリタニア共和国、ジルクスタン王国、ネオ・ブリタニア帝国など、あらゆる国家を問わず、全ての人類に対する無人駆除兵器による殺戮の行脚。
史上最低最悪の所業がここに始まった。
あまりにも類を見ない兵器とその所業によってジノは絶句し、ナラは黒幕がノーランドだと断定した。
この所業によってノーランド・フォン・リューネベルクに纏わりついていた違和感と殺戮を徹底して行う矛盾の正体が開示された。
なぜナタリアによるイレヴン特区を許していたのか、同じ陣営であっても失態を犯した者を許さず殺したのか、なぜ時間稼ぎをしていたのか
イレヴンもブリタニア人も関係なく、全人類を「駆除」によって一掃し、地球を浄化すること
それこそがノーランドの真の目的。
自らが生理的に嫌悪する「人類」を全て駆除するからこそ、全ての出来事はどうでもよかった。
人類に仇なす、真性の悪そのもの。
ネオ・ブリタニア帝国の建国も、このロキを秘密裏にスタンリーに量産させる時間・資源を確保し、全世界に配備するものであった。
なおロキが最終的に吸収した人間を血煙にまで粉砕するのも、ノーランドの持つ人間への嫌悪による「死体すら残したくない」という意図によるものである。
この事態を前に現在も公務に身を置く者、軍を脱退していた者、世間から身を隠していた者達も否応なく戦わざるを得ない事態となった。
斯くしてユーフェミアが起こした、イレブン虐殺事件を上回る惨劇が幕を開けようとしていた。
戦闘力においては7年前における量産機であった暁、ヴィンセント・ウォードでは相手にならないほどの高い戦闘力を有している。
惨劇を前にKMFに乗れる者を片っ端から集めざるを得ないほどの逼迫した状況で黒の騎士団は防衛にあたっているが、高い戦闘力だけでなく阻止限界点の言葉が出ていることから、世界各国のKMFを3日ほどで全滅させる規模の物量を有している。
先刻の通り全てのロキの制御機構は、連携されたファウルバウトを通じてノーランドに集約されていることから、「駆除」を終わらせるためにはファウルバウトの完全破壊が最低要件となる。
最終的にファウルバウトがZi-オルテギアに敗北・破壊されたことで全機停止したが、わずか数日で軍人・民間人問わず最低でも数十万の被害を出す、犠牲の数こそトウキョウ租界のフレイヤより少ないものの、その凄惨さは全世界規模の悲劇として歴史に刻まれた。
余談
機体名についての逸話
正式名称は4幕で初めて明かされ、その所業から、他作品である『機動戦士ガンダムF91』の似たような所業を行ったマシーンのバグという呼称になぞらえて、令和のバグ。あるいは自動掃除機ルンバのように自動徘徊して人を吸い込んで殺戮したことからデスルンバと視聴者から呼ばれていた。
余談だがアッシュ役の古川慎氏や制作スタッフも視聴者からこの兵器がデスルンバと呼ばれてるのを周知しており、最終幕公開3日前にはこの兵器に猫のエリザを乗せたカウントダウンイラストを公開している。
また、同じCLAMPがキャラクター原案を務めた作品『BLOOD-C』では人間だけを徹底的に探し、掃除機のようにまとめて殺戮する八頭身ウサギという視聴者が唖然としたおぞましい所業を行った存在も登場している。
機体名であるロキの由来は北欧神話に登場する神に由来し、「終わらせる者」の意味を持つ。また、同期させているKMFファウルバウトの名前は北欧神話におけるロキの父親。関係性も含めて、よくつくられたネーミングといえる。
本来の仕様
すべての人類を抹殺する自動KMFロキとそれを一括管制するファウルバウト。
実は両者の仕様のうちロキについては本来の仕様ではない。開発時当初の仕様ではネオ.ブリタニアに敵対するものだけを排除するよう設定される予定で自国の人や兵器に危害が加えないようセーフティが組み込まれて完成となる予定であった。(スタンリー自身もネオ・ブリタニアを守る自衛兵器と思い込んでおり、全機体の制御機構をファウルバウトに連携させたのち、最後に敵味方識別プログラムを組み込むことで完成とみていた)
しかし、ノーランドがファウルバウトへの連携が終わった時点で目的は達成したと判断、用済みとなった開発者のスタンリー自身の始末とセーフティ組み込みを阻止をも句歴として刺客として放ったロキの1体により「駆除」殺害されてしまったためセーフティを組み込みこまれず未完成のまま運用れたもの。(ノーランドとしてはこちらが本来望む仕様ではあるが)
前記の情報リークはスタンリーの最後の良心で死の間際のギリギリのタイミングで敢行され、ギリギリのタイミングで間に合ったものだがこれにより多くの人々が救われることになった。
関連タグ
- 擬似兵器
- バグ(ガンダム):機動戦士ガンダムF91に登場する元祖無人殺戮兵器。
- オートマトン:機動戦士ガンダム00に登場する同じような殺人ロボット。
- プルーマ:機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズに登場する巨大MAハシュマルの子機MAで人類抹殺を目的していることが共通。
- ピレスロイド:クロスアンジュ天使と竜の輪舞に登場する似た兵器その1。スーパーロボット大戦Xではシーブックやセシリーからは特殊戦闘台詞も存在し、カロッゾ・ロナに至っては「バグ以上に対人殺傷能力が高い」という理由で代わりとして出してくる。
- ヘリアンサス型:ACVIに登場する似た兵器その2。バグをより巨大・凶悪化し、殺意を高めたような風貌だが飛べず地上を爆走する程度に留まる。どっちかというと輪入道やパンジャンドラム、車輪スケルトンに近い。
- スマートクリーナー:ACVIに登場する似た兵器その3。ルビコニアン・デスルンバ。