『「侮辱する」という行為に対しては命を賭ける
殺人も神は許してくれると思っている!』
概要
ギャング組織「パッショーネ」の幹部。ポルポ(Polpo)はイタリア語で「タコ」を意味する。
寝転がっているとベッドと見間違えるほどの肥満体の巨漢。
罪状は不明だが、少なくとも15年以上の有罪判決を受けて刑務所に服役中。
とは言っても、歩くのさえ困難な巨体の為、自ら望んで刑務所にいるのであり、組織の影響力によってワインやピッツァなどを持ち込み、何不自由ない生活を送っている。本人曰く「不自由なのはシスティーナ礼拝堂のミケランジェロの壁画が見られない事くらい」であって、牢内にはゴッホとゴーギャンの絵が飾ってあるほど。
ペリーコロの台詞によれば、「ボスがポルポに命令する時はスタンドに関する事のみだった」らしい。実際、組織への入団希望者に入団試験を課して、スタンド適正を見る試験官の役割を果たしている。
その試験の際、ジョルノに「人が人を選ぶにあたって一番大事な事は『信頼』だ。賢いとか才能があるかは問題ではない」と言い放ち、更に「この世で最も大切なのは『信頼』であるのなら、最も忌むべき事は『侮辱』すること」などと真剣な表情で説き、一方でジョルノの入団祝いに食事を勧める等気さくな振る舞いも見せる。だがそれは表向きの顔に過ぎず、実際は他人の生死に興味などなく、内心ではジョルノを「利用しやすい小僧」と嘲笑うゲスな本性の持ち主である。アニメ版ではガラス越しにクラッカーの食べカスをジョルノに向かって投げ捨てる等性根の悪さが強調されている。また、(ボスにも言えることではあるが、)矢の扱いも微妙で、下記の老人を始めとする第三者が、矢や刺された者の様子を目撃するリスク等を考慮する素振りを見せなかった。
早い話、「自分にとって都合のいいもの」を求めている反面「自分を侮辱するやつは許さない」と野垂れているだけの利己的主義者であり、無関係の人物が巻き込まれようと事故とも何とも思わず良心の呵責等微塵も感じていない人物である。
スタンド「ブラック・サバス」
「矢の試練」を課す遠隔自動操縦型スタンド。詳細は「ブラック・サバス」の記事を参照。
ジョルノに課された「入団試験」の内容は「ライターの火を24時間消さず、刑務所内のポルポの元に再度持ってくる事」だったが、それは建前である。むしろポルポにとって重要なのは火を消した場合に発生する事象の方である。
今回の試験内容であれば、ライターを再点火した入団希望者を矢で貫き、それで生き延びればスタンド使いを増やすことができ、仮に馬鹿正直に火を点けたままでもそれはそれで利用価値がある人材を確保できると見込んでいた。その上、スタンドの強さに絶対的自信があったためか撃退される事も視野に置いておらず、火を消してしまうという行為自体はどうでもよかったようである。
そもそもブラック・サバスと情報を共有している素振りすらなかったため、ジョルノが一度火を消してしまった事にすら気づいていない。
最期
ジョルノ(『侮辱』という行為に対しては殺人も許されるだって?
なるほど………おまえの言うことは本当に大切なことだ
おまえは、あの無関係なじいさんの『命を侮辱した』!)
「矢の試練」に巻き込んだ無関係の老人をブラック・サバスが殺した為、その『命を侮辱した行為』がジョルノの逆鱗に触れることになる。そしてブラック・サバスが敗れた後、「飲食をすると胃に血が行き頭がボーッとする」体質を利用され、ワインを飲んでいる隙にゴールド・エクスペリエンスの能力でバナナに偽装された拳銃を仕込まれる。
ジョルノ(最後の食事、味わって食べるといいぜ)
それによって強制的に〝拳銃自殺〟させられ、矢ごとスタンドを破壊された。
ポルポが死亡したのはジョルノとの面会の翌日の朝だったので当然ジョルノには完全なアリバイが成立。ポルポの死は原因不明の自殺と扱われた。
死後、構成員達が参列した葬式が執り行われたことがホルマジオの口から語られているが、前述の巨体のせいで、遺体の火葬に難儀していた模様。
ジョルノのことは「ああいう何も知らないヤツは利用できる」と見下していたが、ジョルノの怒りを買ったことに気づかなかったポルポこそ「何も知らないまま」死んでいったのは皮肉でしかない。
なお、生前はトリッシュの護衛任務を指示されており、死後にブチャラティが任務を引き継ぐ事となった。
意外にもブチャラティのことは『信頼』していたようで、隠し財産の6億円(アニメ版では100億リラ)をスティッキィ・フィンガーズの能力で公衆トイレの便器の奥に隠させていた。
その蓄財は有名だったようで、ズッケェロとサーレーなど直属の部下ではない者達の噂に上るほどだった。サーレーの「組織にも預けられないほどヤバい金」という台詞やポルポの性格からして相当あくどいことをして稼いだ金であることは間違いないだろう。結局その隠し財産はブチャラティの手に渡り、幹部昇格のための資金(上納金)として組織に献上された。
なお、当のブチャラティはポルポの人間性を内心軽蔑しており、自殺の報せを聞いても「なぜ死んだのかはどうでもいい。ポルポは死んで当然のことをやってた幹部だからな」と悲しむ素振りなど一切見せず、葬式にも参列しなかった(葬式に関してはトリッシュの護衛任務があったので不参加になったのかもしれない)。
ちなみにブチャラティは、その冷静さからタイミング的にもポルポを殺した犯人がジョルノであることを察していた可能性が高い。事実、アニメ版では上記のセリフの最中にジョルノに意味深な目配せをしている。
余談
- ジョルノと面会した際、「クラッカーごと指を食べてしまったのに、何事もなかったかのように一瞬で元に戻る」という異様な描写があり、これを受けたジョルノがポルポをスタンド使いだと確信するというシーンがあるが、後述のブラック・サバスの描写にそのような能力は見られず、本当にポルポのスタンドの能力の一部だったのかは明かされなかった。(実体のある矢とともに、影に潜む技能の応用で、指ごと食べたふりをした可能性はなくはないが、ブラック・サバスは精密動作性に欠ける自動操縦型である)。ブラック・サバスの発動条件となるライターは一般人にも見たり触れたりできる実体で、そのライターをポルポは指が再生したと同時に手にしておりどこから取り出したか不明であるため、能力により食いちぎった指をライターに再構成していた可能性もある。また、名前の由来のタコは足が切れても再生する。
- なお、ポルポのスタンドの由来になった「ブラック・サバス」のギタリストであるトニー=アイオミは若い頃の事故で指を切断しており、作中でポルポが食べてしまった指と同じ右手の中指と薬指であることから、海外のファンのあいだではブラック・サバスつながりで引用された描写と言われている。
- ちなみにPS2版の声優は、同じ少年ジャンプの作品であるこちら葛飾区亀有公園前派出所の「ボ」ル「ボ」のアニメ版の声優と同じ。
- 次作の第6部で登場した悪徳弁護士もポルポと同様に序盤で主人公のスタンド能力の餌食となった悪役であったが、法に守られながら悪事を働くカタギ、刑務所送りにされた主人公と関わる、刑務所を去った後に主人公のスタンド能力で制裁される……など、まるでポルポと対比させるために作られた様な設定を持つキャラクターとも言える。
担当メンバー
ルカとポルポの死後、ジョルノが加入。ペリーコロからトリッシュ護衛の任務を与えられ、護衛チームとなる。