アルフォンス・エルリック
あるふぉんすえるりっく
「もう誰も殺させない!守ってみせる!!!」
「不自由である事と不幸である事はイコールじゃない」
「哀れに思われるいわれは無いよ!」
「勝てよ、兄さん」
プロフィール
出身地 | アメストリス国東部リゼンブール |
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生年月日 | 大陸暦1900年 |
年齢 | 14歳(連載開始時点) |
身長 | 220㎝ |
体重 | 不明 |
種族 | クセルクセス人とアメストリス人の混血 |
好きなもの | 猫、アップルパイ |
CV | (アニメ版)釘宮理恵、(ドラマCD版)日下ちひろ、(実写映画版)水石亜飛夢※ |
※モーションアクターも兼任
概要
鋼の錬金術師であるエドことエドワード・エルリックの弟。愛称は「アル」。本作のもう一人の主人公。
幼少期の時、亡くなった母トリシャを生き返らせようとして兄と共に人体錬成を行うが失敗。対価として肉体の全てを「真理の扉」に「持って行かれて」失ったが、兄が自身の右腕を対価に魂だけを真理から取り戻し、鎧(兄弟の父親の蒐集品の一つ。銘は「オーガヘッド」)に定着させたことで一命を取り留める。以降、空の鎧を身体として兄と2人、元の身体に戻る手段を求めて旅を続けている。
人物
兄のエドと違い素直かつ温和で心優しい性格。子供らしさが強く残っており、見た目のごつさとのギャップに拍車をかけている。声についても11歳の少年のままであり、音声化にあたっては作者の意向であえて女性声優による少年ボイスを起用している。
血気盛んで喧嘩っ早い兄のことを誰よりも理解し、フォローしながら旅をしてきたせいか年齢の割に真面目かつ大人びた面が目立つ。
だが、一方で少年らしい気の強さもあり、感情的になった時などにはけっこう乱暴な言葉使いをする事もある。
時と場合によっては辛口で、直情的なエドに比べてやや毒のある面も目立つ。
メイからはそのような黒い振る舞いを「アル様クール」と評されている。
怒るとエド以上に怖い。
男女を問わず誠意をもって優しく振舞うため、原作者公認の天然タラシ。 自身は恋愛に対する『憧れ』は強いものの、自身に向けられている好意には鈍感である。
グリードやオリヴィエ・ミラ・アームストロングの影響を受け、常識に縛られず、時に等価交換の法則を打ち破ることも大事だと知る。
父ホーエンハイムが家を出た際、まだ物心がつかない幼子だったことから、父親に対して遺恨はなく、むしろ興味や関心が勝っている。
嗜好
兄と異なりセンスは良く、似顔絵も得意。
甘い物が好きで、生身の体に戻る動機を「ウィンリィの作ったアップルパイを食べる」こととしていた。
大の猫好きで、優しい性格も影響し、捨て猫を拾い、エドに内緒で鎧の中で飼育しようとしていたことがあった。巻末などに掲載される4コマでもよく猫ネタが拾われている。ちなみに鎧の中には女性と猫しか入れないと決めている。
能力
兄と共にイズミ・カーティスの下で錬金術を学び、エドと同様に天賦の才をもっている。登場当初はチョークなどで地面に錬成陣を描いて術式を発動させていた。のちにデビルズネスト殲滅戦において欠落していた記憶を一部取り戻し、兄と同じく錬成陣なしでの錬金術を使えるようなった。
兄と同じく幅広いバリエーションを誇り、技術に関しては兄に若干劣るものの、国家錬金術師に匹敵する程の実力を有する。
また、エドと同様に石や鉄などの鉱石を利用した錬成を得意とする。デザインはシンプルながら実質的且つ実用的であり、こちらも髑髏だの蛇だの棘だのといった妙にダークでごてごてした造形にしたがるセンスの兄とは対照的である。
格闘センスにおいてはエド以上であり、エド自身が「アイツとケンカして勝ったためしがない」と申告している。加えて2mを超す鋼鉄の鎧であることから、銃弾や刃物に対してはほぼ無敵。攻撃のリーチも非常に長い。
余談であるが、アルの鎧「オーガヘッド」自体は単なる頑丈でデカい鎧にすぎないため、エドがその辺の鉄からイミテーションを作ってブリッグズ兵が着ぐるみのように着込むことで敵の目を欺いたこともある(アニメではオッサン兵士が裏声で「ウッ、ウン、ニーサン」と演技している)。ちなみにオーガヘッドはバリー・ザ・チョッパーの鎧を作った鎧師の手掛けたものという裏設定もある。
劇場版第1作『シャンバラを征く者』では科学世界のオーガヘッド(科学世界にはオーガヘッドが複数基存在するらしい)が登場しており、トゥーレ協会の先兵として送り込まれゾンビとなってアメストリス人を襲おうとしていた。その際にアル(肉体奪還済み)が自分の魂を一部量産型オーガヘッドに定着させることで、自らの分身として操っていた。『シャンバラ』のアルは記憶喪失になり行方不明となったエドの服を着用していたため、さながらこのシーンは「エルリック兄弟揃い踏み」と言ったところである。量産型オーガヘッドの中のトゥーレ兵がどうなったかに関しては考えないように。
肉体疲労や暑さ寒さ痛みなどもないため、肉弾戦に置いては敵なしと言えよう。
この姿においては、五感の内の視覚、聴覚を除いた3つを失っており、睡眠は行えない。
特に、眠ることができないという点においては、生命活動上でこそ困らないものの『眠ることで精神を休める』ことができない。その上、自分がそんなマトモでない状態になってしまった絶望、さらに夜中に皆が眠ってしまう中で一人だけ起きたままで毎晩を過ごさねばならない孤独感から、普段は大っぴらにしないが心の奥底では相当に堪えていた模様で、エドに真理の扉絡みで体を取り戻す希望が出てきたことを伝えられた際、生身の体を取り戻すことを強く誓っていた。
そのため一見便利でお手軽な不死身の肉体見えるものの、それを指摘したリン・ヤオに対しては、「いつ本当に死ぬか分からない時限爆弾を抱えているような体だ」と反論した。 事実、終盤に差し掛かると一時的に意識が途切れかかった。
また体が鉄の塊で内部もスカスカのため、当然ながら泳ぐことはできない。それどころか水に濡れて血印が消えたらおしまいである。ただし旧アニメ版終盤ではスカーによってとある細工が施されたため泳げるようになった。
当然ただの鎧であるため、万が一損傷すれば修理しないと治らないし、血印が消えればお終いである。
錬金術も錬成陣無しで行えるようになってからは更にその戦闘力に拍車がかかり、作中でエドに多大なショックをあたえ「次回から『鎧の錬金術師』が始まる…」とメタ発言までさせたほど。
容姿
その姿から初見の相手から「鋼の錬金術師エドワード・エルリック」と間違われることが多い。
鎧の中身は空であり内側に魂を固定するためにエドの血液で書かれた血印がある(ネックガード部分に描かれている)。
鎧の空いたスペースには人や動物などが収容できるため結構な頻度で便利に使われる。
たまにデフォルメ状態になると、声も相まってやけに可愛くなる。
ただこの状態でも事情を知っているマスタング組や、周囲が全身機械鎧と勘違いしてることからしっかりと人間として扱われている。
本来の姿は父や兄と同じく金髪金眼で、垂れ目気味なところなど顔立ちはやや母に似ている。 長髪の兄とは異なり、短髪を好む。本人曰く「スキッと爽やか金の短髪」らしい。
先述したとおり、鎧時代には肉体が「扉の向こう」にあった頃は、エドを介して得たわずかなエネルギーでなんとか生態活動を行っていたため、ガリガリに痩せ細り、髪も伸び放題という状態だった。
体を取り戻してからは長い間リハビリを行ったり歩行に杖を要したりしていたが、約2年後には健常になり、エド共々長身の青年へと成長した。
なお、アル本人の一存により、鎧は全部溶かして機械鎧の材料にしてしまった(頭部はデンが咥えて持っていってしまい、後に小鳥の巣箱になっていたのを発見された)。
2003年版アニメではエドを真似て髪を長く伸ばしていた。エドの背が伸び悩んだままだった事もあって、最終的にはエドよりも背が高くなっていた。
演者について
アニメでは「空っぽの鎧から声を発している」ことから、釘宮氏のボイスにエフェクトがかかっているが、2003年版の初期には釘宮氏が口に空き缶を当てて収録していた。このため、釘宮氏だけ別のブースで収録したらしい。
実写版でアルを演じた水石氏は当初モーションアクターとしてのみの起用で、声優は別人にするつもりだったが、水石氏の演技力がスタッフに評価され、CVも兼任になった。ちなみに実写の声の候補の1人であった釘宮氏も水石氏のアルの演技を絶賛していた。