修多羅千手丸
しゅたらせんじゅまる
「妾は仕事が速いのが売りでな 千手丸の名は伊達では無いぞ」
巻頭ポエム
雲間から
降る糸捉ひて
からからと
白栲の野に
骨と成り果つ(千年血戦篇 アニメ 26話)
概要
二つ名 | 大織守(おおおりがみ) |
---|---|
所属 | 零番隊第四官・北方神将 |
身長 | 158cm |
誕生日 | 11月1日 |
CV | 佐藤利奈(初出はゲーム『Brave Souls』) |
切れ長の目・色白の肌・艶のある長い黒髪を持つ美しい女性の死神。
豪華な髪飾りと背中から生えた六本の義手が特徴。本人の腕は見えず、手作業は義手でこなす。
アニメでは歩く度「からから」と音がしているため、足も作り物か、もしくは移動用の器具に搭乗しているのかもしれない。
人物像
ポエムも短歌形式の「5・7・5・7・7」調である。
「大織守」という異名からわかる通りに裁縫に長けており、二千年の歴史を持つ死覇装の生みの親とされる。この功績が霊王に認められたことで零番隊となった。
護廷十三隊の出身者かは不明だが、涅マユリとは面識があり、関係者ではあるようだ。事実、技術開発局の「修多羅等級(スケール)」という警戒強度も千手丸に由来していると思われる。
ユーハバッハとも面識があるらしく、「久しいのう」と発言している。
少しクセのある性格で、知り合いのマユリを始め他者をよく毒のある言葉でからかう。
職人気質でもあり、劇中では死覇装の採寸のため相手に全裸になるよう強要。
拒否されると一物を切り落として採寸するとまで宣った。
恋次「わかりました、すぐ脱ぎます!!!!」
ルキアと恋次はこれが相当なトラウマになったようで、「思い出しただけでも辛い」らしい。
原作では他の零番隊との関係は不明瞭だったが、
後を託すシーンなどがアニメで補完され、チームとしての信頼関係が窺えた。
能力
「妾が仕立てた至高の衣 そちの如き雑兵が纏えただけでも感謝せよ そして」
「死ぬ迄脱げると思うなよ」
「千手」の名が示すとおりの多彩な能力を操るテクニシャンであり、一見すると戦闘向きでない様な道具も効果的に使用することで千差万別の戦闘を展開する。
最も特徴的な戦法として、後述する斬魄刀の能力である針や糸などを用い、敵を縛り付けたり、即興で物を作って戦ったりする。
また、身体能力も相応に高く、非常に高速での移動と戦闘が可能で、跳躍力にも優れる。
なお、何気に作中で唯一神兵の召喚を行った零番隊でもあるが、他の零番隊も召喚可能かは不明。
斬魄刀
- 始解【刺絡】(しがらみ)
針のような小刀のような状態が始解であり、針頭(しんとう 針の先っちょのこと)から霊子の糸が無限に出てきてその糸で縫い目を入れたものを操る能力。
単純な刺突のほか、見た目通りモノを縫い付けることも可能で汎用性が高い。
ニャンゾル・ワイゾル戦の描写から、複数出したり、針の長さや太さを調整する事が可能な模様。
原画典にてその能力の詳細が明らかとなった。
原作では登場せず、アニメで初披露した。
詳細はリンク先を参照。
作中の活躍
第一次侵攻後
三界の危機に際し他の零番隊と共に初登場を果たす。
皆が会話している間に四番隊隊舎で絶対安静処置していた白哉・ルキア・恋次と
技術開発局にあるマユリの研究室に安置していた「折れた天鎖斬月」を回収した。
修行シーンでは恋次の回想で登場。
第二次侵攻
ユーハバッハ率いる星十字騎士団の霊王宮侵攻時は、苦戦する麒麟寺天示郎と交代する形で登場。
神兵の攻撃が通らず驚くが、ユーハバッハの影から現れたニャンゾルが能力をバラしたため、
神兵がやられる間に彼の服に細工を施し、内側から針で串刺しにして撃破した。
次にユーハバッハが召喚した親衛隊と交戦。ジェラルドの攻撃を受け、
即座に二級神兵「霊王の盾」を呼び出して迎撃させるもこちらはペルニダに瞬殺されてしまう。
そしてリジェに頭を撃ち抜かれて死亡し、ペルニダによって遺体は肉団子にされてしまった。
…かに思えたが、実は斃された千手丸も霊王宮も反物による幻影で、
本物の霊王宮は和尚が能力で隠していたことが判明。
星十字騎士団を桐生の「命の檻」に閉じ込めることに成功する。
親衛隊は一度は王悦によって斃されるも、聖別によって強化されて復活。
千手丸も抵抗したようだが、王悦・天示郎・桐生と共に敗死してしまった。
アニメ版の星十字騎士団戦
原作では二番手だったが、アニメでは神兵を率いて最初に登場。
そこから王悦の親衛隊撃破までは原作通りだが、その後新たに雨竜と交戦し彼を倒す。
聖別後は、リジェに貫かれた王悦を治し、強化されたジェラルドと対峙。
身代わり人形を囮に四肢を封じて一時的に優位に立つも、
刺絡の心臓への刺突を頑強な体に防がれ、反撃で深手を負ってしまう。
窮地に陥った零番隊は卍解の使用を決断。
王悦の指名で千手丸が選ばれ、他3人の自死により封印の解かれた卍解を発動。
強化された親衛隊、ハッシュヴァルト・雨竜を圧倒、封印した。
しかし、ユーハバッハの力の9年が終了し、覚醒したことで反物に閉じ込めた親衛隊がそれに呼応するかのように輝きだす。(これがユーハバッハの覚醒によるものなのかユーハバッハが「全知全能」で攻撃を無かったことに改変したものなのかは不明)そして、反物から復活してきた雨竜と一騎打ちとなる。
再び雨竜を圧倒し、彼を捕らえ反物で拘束する。身動きできなくなった雨竜の首を針で突き刺すと、力が暴走するかのように不完全な形で滅却師完聖体の翼が生え、雨竜に拘束から逃れられてしまうが…
千手丸「血迷うたか?妾の卍解から逃れられると…」
雨竜「可笑しな事を言う死神だな」
「今 君の卍解に捕らわれているのは… 君だ」
千手丸「…!」
雨竜「僕は石田雨竜」
「滅却師の誇りにかけて お前を滅却(ころ)す」
雨竜は「完全反立(アンチサーシス)」の能力を発動し、自身と千手丸の状況を逆転させたことで逆に千手丸を拘束、一瞬動揺した隙を突かれ、心臓を射抜かれて敗死。和尚もユーハバッハに既に敗北しており、彼女の敗北を以て零番隊は全滅した。
余談
千手丸の経歴について
- 千手丸は技術開発局のセキュリティについて、「妾の居った頃よりも」と発言しているが、技術開発局は浦原喜助が110年前に立ち上げた組織である。
- しかし、千手丸が死覇装を発明したのは二千年前と、初代護廷十三隊の設立より前である。また、千手丸はユーハバッハと面識のある死神でもある。
- 技術開発局に千手丸がいたとすれば、立ち上げ時点で副局長を務めているマユリを追い抜いて零番隊に昇進した事になるが、マユリとの会話ではどこかマユリより上の立場である事を感じさせていた。
- そのため、千手丸とマユリが接触したのはマユリが蛆虫の巣に投獄される以前の可能性がある。かつて技術開発局の前身または類似する組織が存在したのかもしれない。
- 後に、公式Q&Аにて、非公式のモノを作るグループに所属していたのがマユリで、そこのリーダーが千手丸であることが語られた。即ち、上記の考察は当たっていたと言える(因みにそのグループが無くなって以降は類似の組織が存在しない期間があり、その後に正式にできたのが技術開発局であるとのこと)。
- なお、千手丸と涅ネムはどこか外見に類似性があるが、単なる偶然なのかは不明である。
その他
- 公式のQ&Aによれば、麒麟寺天示郎の腹巻も千手丸が独自に作ったものらしい。
- 作中で女性である事は599話でジェラルド・ヴァルキリーが「女の細腕」と言ってと示唆こそされていたが明言されなかったことと、最終章で他にも色々紛らわしいキャラが登場したことにより、長い間性別不明として扱われてきたが、公式のQ&Aで女性だと確定した。
- 原作では背中の義手がどのような仕組みかは謎であったが、アプリゲーム『BLEACH Brave Souls』にて初実装された際、背中にある円盤状の物体から義手が出現する仕組みである事が判明し、同アプリの『Official Artworks』には作者直筆の設定画も掲載された。しかし後に放送されたアニメ版BLEACH千年血戦篇では背中に円盤状の物体は確認できず、設定の変更があったのか、何か手違いがあったのかは不明である。
- アニメ版で卍解が消滅した際、明確にダメージを受けていたリジェ、ジェラルド、アスキンも何もなかったかのようになっていることから、親衛隊たちが復活したのはユーハバッハが能力で救出した可能性が高いが真相は不明。