我が名はダゴン。
――歪神、ダゴンなり!
プロフィール
※ このプロフィールは本百科の推測であり公式によるものではないため注意。
概要
『Fate/Grand Order』にNPCとして登場するキャラクター。
期間限定イベント『水怪クライシス』に登場したイベントの黒幕である。
舞台となる島は、当初巨大な亀の甲羅の上にできた浮島であるとされていた。
しかし実態は前提からして大嘘である。黒幕であるダゴンが「自らの悲願成就の為の糧」として太歳を育てる土壌として生み出した特異点であり、ダゴン自身は「土台の亀の意識が分離した老いた喋るウミガメの長老」の姿に偽装して潜んでいた。ウミガメの姿に扮していた間はボケたフリで誤魔化し続けており、誰にも正体を悟らせなかった(本当に、誰一人として怪しんでいなかった)。
聖杯を用いて自らという存在と特異点となる世界を繋げ、水を通して太歳を活性化した後、より栄養価の高い存在、すなわち『太歳の精』に相当するコンが発芽する環境を整え、後は眷属として呼び出した水怪達(半魚人、寄居虫坊主、ヴォジャノーイ、パンニップ、ルサールカ、ケルピー)がコンを食らい最適化させる計画だった。だが、特異点の解決のため土地に召喚された徴姉妹、さらに特異点を観測したカルデアの横槍が入ったことで計画が狂い、水怪達は次々に撃退されてしまう。
しかし、水怪達の死体を養分にコンの数が増えた為に計画を軌道修正する。自らコン達を食らって力を得ようと、人員も殆ど帰還させて警戒心を緩めたカルデアの隙を突く形で、行動を開始する。
島全体を洪水で水没させてから、コン達を纏めて一網打尽に飲み込む作戦を実行するが、マスターの令呪3画と魔力リソースとして身を捧げたコンの助力を得たラムダリリスの宝具によって水没を阻止され、更に島の土台であった超巨大太歳までも見られたことで正体を明かして、決戦へと入る。
真名
ウガリット神話における、古代カナンにおいて信仰されていた豊穣神、『ダゴン』。
原点では『古き偉大なる神』とも呼ばれた豊穣と穀物を司る神だったが、聖書やクトゥルフ神話などの創作で現在の魚人の様な姿へと存在が歪曲され異形の怪物に堕とされた、まさに無辜の怪物。
人物
一人称は「我」。
外見は厳つい顔の魚人。鱗の色も黒ずみ邪悪な印象を受ける。
腹部は水晶体の様な物体が露出しており、核であると思しい。
元はメソポタミアの神であるため、エレシュキガルが島で感じていた違和感は同郷の神霊の気配によるものであった。このダゴンは伝承を歪められ怪物とされた神の一側面であり、人間達によって異形の姿に変えられた事は、ダゴン本神にとって非常に屈辱的な話であった。そしてこの歪みを消し去る方法として水怪として語られる存在、『鰓のある忌まわしき眷属』達にコンという餌を与えて存在を作り替え、ダゴン自身を信仰させて正しき神へと昇華する計画を立てて、最終決戦に臨む。
エレシュキガルが人間と対等な立場を築く姿や徴姉妹が人々によって福の神に祭り上げられた事に一種の羨ましさのようなものを覚えていたらしく、敗北してもなお、往生際の悪さを見せていた。
不用意に掘り起こすと呪われる太歳を利用したダゴンが、最終的に太歳星君の力で敗北したのは皮肉としか言いようがない。もしかすると最初から彼の敗北は決定してしまったのかもしれない……
能力
聖杯を使って舞台となる水場という概念と繋がった為、島の水自体ある程度制御が可能。
そもそも舞台となる水場は海ではなく湖。
中央アジアのロプノール湖伝説を起点に、各地に存在する『移動する湖』や『位置が定かでない水場』の概念を綴り合わせた特異点であり、この「異界の水場」とも言える湖と一体化。これにより世界各地の水場に移動する事で、その地の水怪を特異点に引き込むことで次々に出現させられる。
湖などの水場から引き込んでいたことから、水怪は河川や湖岸に出没する逸話を持つものだった。
ダヴィンチが仲間外れだと推理した半魚人のみ例外的に河川ではなく海の水怪であり(アマゾン川に出現するイメージは近世のもの)、歪んでしまったダゴンの眷属とされるものである。また聖杯の力で塩分濃度の調整を細かく行って、特異点の正体を偽装する等、微調整も欠かさず行っていた。
その経緯・目的からアヴェンジャーになってもおかしくないが、戦闘ではバーサーカークラスの巨大エネミーとして登場。復讐者ではなく、狂戦士と定義されてしまうほど歪み果ててしまったのかもしれない……(アヴェンジャーの定義からするに、嘗ての善性を忘れてしまっているのか……)
宝具
怒積流(どせきりゅう)
- ランク:不明
- 種別:不明
- レンジ:不明
- 最大補足:不明
エネミーとしての戦闘の際に披露するチャージ攻撃。
風評被害で手に入れた、水を操る能力に由来すると思われる。
余談
当初よりイベントがクトゥルフ神話に関係あるのでは?という声もあり、ラスボスとして旧支配者のダゴンが出てくる可能性もあったのだが、そうしたイメージの風評被害を恨む土着神という、意外な着眼点のラスボスであった。似たような経緯や性質では、女神転生4finalの某キャラが近い。
皮肉にも最後に計画を阻んだのは同じくチャウグナー・フォーンに関係があると疑われ、その実人々の信仰によって善神=福の神に転じた徴姉妹であった。どこまでも尊厳破壊だと言えよう。
本イベントは我々が「クトゥルフ神話」への関連を疑えば疑うほどに、黒幕であるダゴンの傷と尊厳を抉る結果にもなっており、本イベントによって初めてそれ以前の元ネタがあったと知ったファンも少なからずいた事実さえ拍車をかけている。更に彼の弱点はよりにもよって散々関連が疑われていたフォーリナークラスであった(おまけに「神性」持ちなので余計に攻撃が通ってしまう)。
おまけに現代におけるダゴン関連のGoogleのサジェスト欄についても「ダゴン ドラクエ」(タコの姿をしたモンスター)、「ダゴン マジレンジャー」(自分本位に戒律を曲げる卑劣漢)となっていたのだから、そりゃあ人間を恨んで本事件を起こすはずだ、とマスター達から同情されたのだった。
この一件で、ヒュプノスやバステトといったクトゥルフに組み込まれた古代神話由来の神格のみならず、クトゥルフ関連でなくとも、後世で伝承を歪められた神格も下手をすれば、ダゴンのように特異点を作って人類に牙を剥く可能性もゼロではなくなってきた。本当に恐ろしい話である……
実際の彼の性格は豊穣神だったのだから、長老時の性格が素の態度なのではないか、という考察を立てるマスターも一定数存在している。散々に姿を歪められた後の時代に書かれた「地獄の辞典」ではパンを焼いていると解説されており、現代でも農業神としての性質も残っているようである。
関連タグ
ラウム:元凶の一角。
ダゴン:神話や聖書などにおけるダゴン
クトゥルフ神話/ダゴン(クトゥルフ神話):多分元凶の一つ。こちらはあくまでも魚の怪物としての姿を現代人に広めた元凶といった方が適切か。
旧約聖書:元凶の元凶、特にサムエル記
アシュタレト/ディオスクロイ:後世であり方を歪められたものたち。後者はWキャストリアシステムが使用可能であればこの神にアドバンテージを取りやすい。