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強襲揚陸艦の編集履歴

2013-06-02 19:38:44 バージョン

強襲揚陸艦

きょうしゅうようりくかん

軍艦の一種、強力な揚陸能力と指揮通信能力を持つ

概要

従来のドック型揚陸艦ヘリコプター揚陸艦揚陸指揮艦を集約し、さらに航空支援を行う航空隊を運用でき、小規模なものなら単艦で上陸作戦を行える。

米軍のワスプ級を例にとると、M1エイブラムス戦車5両を含む海兵隊遠征大隊一個大隊の人員と装備をまるごと収容でき、ウェルドックでは上陸用舟艇4艇を運用できる


特徴


航空機運用能力

強襲揚陸艦は輸送ヘリティルトローター機を用いて人員、装備を揚陸し、また近接航空支援の攻撃ヘリVTOL機を運用するため、航空機運用に適した全通甲板をもち、そのためにしばしば空母と勘違いされる。

たしかに一部の強襲揚陸艦では補助空母的な運用がされることもあるが、強襲揚陸艦の任務はあくまで地上部隊の揚陸であるため、カタパルトアレスティングワイヤーを装備して搭載量を減らすようなことはできない。よって運用できるのはヘリコプターの他はVTOL機に限られ、現在は実質ハリアー一択となっている(F-35Bが間もなく加わる模様)。ハリアーは空対空戦闘も熟せなくはないが、垂直離着陸する場合は重量の関係リフトファンを搭載したことから非常に鈍重となり、A型やC型と比べて空戦が困難となっている。


揚陸能力

上陸作戦こそ強襲揚陸艦の本分である。上陸作戦においては敵の水際防御を突破した後は、敵が反攻の準備を整える前に十分な防御力をもった橋頭堡を構築する必要があり、それまでにできるだけ多くの人員、装備、物資を揚陸することが必要となる。よって揚陸作業のスピードは作戦の成否を決する重要な要素であり、その要たる強襲揚陸艦は空と海の両面で非常に強力な揚陸能力をもつ。ウェルドックと全通甲板を兼ね備える強襲揚陸艦は、ヘリコプターを用いた迅速な人員物資の揚陸と、上陸用舟艇を用いた主力戦車等大重量装備の揚陸を同時にこなす事ができる。また、上陸用の大部隊を収容する必要から、医療設備も空母や補給艦とならんでトップレベルのものを備える。それらの強力な揚陸能力は上陸作戦に留まらず、災害派遣などにおいても力を発揮する。先の東日本大震災では米軍の強襲揚陸艦『エセックス』が孤立した気仙沼市大島へヘリと上陸用舟艇を用いて物資人員の揚陸を行った。


指揮通信能力

上陸作戦は海軍、海兵隊は勿論、国や場合によっては陸軍空軍も参加する大規模な統合作戦となり、その指揮系統はあらゆる作戦の中で最も複雑なものとなる。司令部は通常の旗艦に収まりきらない大所帯となり、求められる指揮通信能力も非常に強力なものとなる。そのため従来では揚陸指揮艦という専用の艦種が用意されていた。

この艦の任務を受け継いだ強襲揚陸艦は指揮通信能力においても非常に強力なものを備える。その指揮通信能力は上陸作戦に留まらず、ほかの艦隊行動時においても有用であるため、韓国の独島級やフランスのミストラル級のように艦隊旗艦として運用される強襲揚陸艦も多い。


主な強襲揚陸艦

アメリカ合衆国

米海軍初の純然たる強襲揚陸艦。2013年現在、5番艦『ペリリュー』のみ現役。

現在世界最大の強襲揚陸艦で、米軍の現在の主力揚陸艦。7番艦に『イオー・ジマ』がある。

現在計画中の新型強襲揚陸艦。ウェルドックを廃止して航空機運用能力に特化し、状況によっては正規空母並みの航空戦力を提供する。さらに揚陸能力の低下を危惧した海兵隊が「ウェルドックも付けろや」と強く要望したため、実に5万トンを超える超大型艦となる見込みである。12隻の建造が予定されている。

フランス

フランス海軍での分類は指揮・戦力投入艦であり、揚陸作戦に留まらず、後方支援や人道支援までも行い、格納庫にコンテナ化された医療モジュールを搭載することにより病院船としても機能する多目的艦である。ロシア海軍も1隻の購入と4隻の国内建造を計画しており、ウラジオストクに配備される予定である。

イタリア

全通甲板を持つが、ヘリの大規模運用能力はない。NATOではドック型揚陸艦に分類されるが、イタリアが強襲揚陸艦だと言うので強襲揚陸艦である

スペイン

スペイン初の強襲揚陸艦。軽空母運用や人道支援、揚陸能力を完全に排した輸送任務も考慮されており、格納庫は航空機、車両、海上コンテナと、あらゆる貨物に対応できるように設計されている。

オーストラリア

フアン・カルロス1世の準同型艦であり、スペインで建造された後、現在オーストラリアに運ばれて艤装中である。フアン・カルロス1世同様スキージャンプを備えているが、オーストラリア軍は運用可能な航空機を持っていない。F-35Bの購入計画が持ち上がった事もあったが、海軍がこれを拒否したため、現在スキージャンプが完全に無用の長物と化している

韓国

一応は現在アジア唯一の強襲揚陸艦である。(2014年にミストラル級がウラジオストクに配備される予定。)ウェルドックと全通甲板を兼ね備えるが、揚陸艦というよりは旗艦にウェルドックとヘリ運用能力を付加した多目的艦といえる。つまり、自衛隊でいえばひゅうが型護衛艦おおすみ型輸送艦を足して二で割ったような艦であり、多数の艦を用意する余裕の無い韓国海軍ならではの苦肉の策といえる。そして肝心の艦載ヘリが無い

さらに、自営対空火器にフランスのゴールキーパーを採用しているが取り付け位置が絶妙らしく飛行甲板が射界に入ってしまい一部では「オウンゴールキーパー」と呼ばれている(まあ、先ずボール(ヘリ)がないが)。


フィクション作品

ホワイトベース機動戦士ガンダム

どちらかと言えば、ヤマトと並んで宇宙戦艦のようにイメージされるが、地球連邦軍内の書類分類上では「ペガサス級強襲揚陸艦」とされている。詳細は当該項目で

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