銀の匙の登場人物一覧
ぎんのさじのとうじょうじんぶついちらん
登場人物一覧
※CVはアニメ版のもの。
主要人物
八軒勇吾(はちけんゆうご)
CV:木村良平
新札幌中学出身の一年生。本作の主人公。
眼鏡をかけて学生服の下にパーカーを着用している少年である。クラスの実習班はA班。
新札幌中出身で、実家は札幌市西区にあるサラリーマン家庭である。推薦入学での進学者が多い大蝦夷農業高等学校(エゾノー)では珍しい一般入学試験を受けて入学した生徒である。
有名な中高一貫の進学校に通っていたが、学力競争に敗れてからノイローゼ気味にになり、担任から大らかな校風のエゾノーを薦められて受験した。そのため、特に農業関係の職に就きたいといった夢があるわけではなく、明確な夢を持つ周囲の生徒達に対して引け目を感じている。
最初は勉強でトップを張ることを目標としていたが、農業の荒波にのまれていくうち、徐々に「本当にやりたいこと」を意識していくようになる。
御影アキ(みかげあき)
CV:三宅麻理恵
清水第一中出身の女子。所属クラスは1-D。
通称は『御影』、もしくは『アキ』。
馬術部に所属する実家が酪農家の少女で、家では馬と牛を飼っている。
将来は実家の後を継ぐ予定。だが、本当は馬に関わる仕事がしたいらしく、実家の存続と夢のあいだで思い悩んでいる節がある。
性格は明るく快活、そして少々天然ボケ。
入学初日に高校の敷地内で迷子になった八軒を探し、馬に乗って登場した。当人はショートカットのかわいい女の子なのだが、かなり厳つい黒毛の馬で登場したため、その姿を八軒は世紀末覇者と形容し、挙句死んだふりをした。
駒場一郎とは家が近所で中学が同じ。それなりに仲もいいが、当人らはあくまで近所づきあいの延長線としか認識していない。そしてその弊害で女性ながらに凄まじい朴念仁でもある。
駒場一郎(こまばいちろう)
CV:櫻井トオル
清水第一中出身の男子。所属クラスは1-D。所属班はA。
野球部に所属する硬派で熱い男。
家は酪農家で父親を早くに亡くしたため、母を手伝って後を継ぐ気でいる。しかしプロ野球選手の夢も捨てがたいらしく、結果「プロ野球で稼いだ金で実家を立て直す」のが大きな目標となっている。ポジションはピッチャー。昨今は新戦力として頭角を現してきている。
やるならとことんやる一本気な性格らしく、野球部でも甲子園出場を公言している。
勉強について「授業は仮眠時間」と宣言しているが、作物はパーフェクト。国語や数学といった一般教科は低いが、農家の子だけあって農業関係の点数は高い。
ものの言い方がストレートなため、それが原因で他人と不和を起こすこともしばしば。
八軒とはアキを通じての交流が多く、ときに八軒に辛辣ながら忠告を送ることがある。
相川進之助(あいかわしんのすけ)
CV:島﨑信長
幕別東中出身の男子。所属クラスは1-D。所属班はA。
茶髪で笑った様な糸目の、朗らかな雰囲気の男子。
獣医を目指しており、そこらの学校よりも相当充実した施設を持つ大蝦夷農業高校に魅力を感じて入学してきたという。
他の畜産農家出身の生徒らよりは八軒のような一般人に近い感性を持っており、その点から気が合うことになる。
意欲や夢への決意は強いが、優しい性格な上に幼い頃のトラウマから血が苦手という致命的欠点を持つ。そのため、授業等で血に関連するイベントが発生すると卒倒する。
エゾノーでの授業を通して獣医が担う様々な役目や、動物の命に携わる職務であることを学び、いま一歩未熟な覚悟を積み上げつつある。
授業外でも家畜に触れておきたいと、色々キャラが濃いホルスタイン部に所属する。
常盤恵次(ときわけいじ)
CV:庄司将之
中札内南中出身の男子。所属クラスは1-D。所属班はA。
かなり小柄で、髪がやや長く後ろでまとめている。(現在は諸事情で丸坊主)
実家が農園と養鶏場を経営しており、将来はそれを継ぐ予定。
自他共に認める不勉強で、特に数学が苦手。後書き漫画で『ニワトリ頭』とネタにされるほどのバカ。ただし、畜産と作物についてはパーフェクトな、いわゆる典型的な『農業バカ』である。
成績の悪さを自覚しているため、自ら八軒に勉強を教えてもらうよう頼み、彼と友情を結ぶことになる。しかし努力の実りは小さい。
なお、最近頭以外にもいろいろと残念なことが発覚してきており、ネタキャラ化が進んでいる。よくトラブルを巻き起こすが、憎めないキャラ。
トランスフォーム・多摩子に一目惚れしたことがあり、おそらく直球でタイプだったと思われる。
稲田多摩子(いなだたまこ)
(←通常時/トランスフォーム多摩子→)
CV:高垣彩陽
帯広川西中央中出身の女子。所属クラスは1-D。所属班はA。
ぱっと見、外見が卵のようなシルエットをしていることから、名前をもじり「タマゴ」と呼ばれたりもするちょっとふくよかな女の子。
太ってはいるものの、顔の作り自体は非常に美形で、「トリミングすれば美人」と言われていたが、一度夏痩せした時は本当に美人になり、周囲を驚かせた(ただし、すぐ元の姿に戻った)。顔立ちは母親譲り、体形は父親譲りである模様。口調もエレガントであるが毒を吐く事も。
実家は「ギガファーム」という大規模な牧場で、その先進的かつ効率的な経営を目の当たりにして育ったせいか、お金に関しては非常に抜け目がない。卒業後は父親から経営権を奪い取り、実家を世界と渡り合えるようにしようと考えている野心家。
兄の真一郎が同じ学校の食品科学科3年生に在籍しているが、無添加食品の理想を追いかけている兄とは度々衝突している。
吉野まゆみ
CV:井澤詩織
下浦幌中出身の女子。所属クラスは1-D。
実家は酪農家であり、そこで生産された牛乳を使ったチーズを作り、チーズ工房を立ち上げることを夢見ている。そのためチーズに関する勉強も熱心で造詣も深い。一学期の中間考査では食品製造で満点を取っていた。
明るくはっきりとした性格をしている一方で、八軒のピザ会の準備中に中島先生の隠しチーズ貯蔵庫を暴いた際には強請りまがいな方法でゴーダチーズをゲットしており、それ以来割と頻繁に中島先生からチーズを拝借しているなど、けっこうしたたかなちゃっかり者でもあるようだ。
豚丼の件で、常盤の勘違いから八軒の恋人にされかけたことがある。ちなみに「性格が面倒くさい」という理由で、八軒への好意はバッサリと否定している。
その他生徒
西川一
CV:高梨謙吾
八軒のルームメイトで農業科学科に所属。
切れ長の目つきに前髪だけが零れた坊主頭が特徴。
皮肉屋っぽい口調と態度の持ち主だが、野菜と農耕用機械について造詣が深く、採れ立て野菜の美味しさや農業用重機の魅力を八軒らに教えてくれる。
どうやらアニメオタクらしく、「マク●ス一機分」という例えや、夏休み中に東京(おそらく某所)で薄い本やら抱き枕等のグッズを買いこんでくるなど、結構ディープ。寮の共同のパソコンでギャルゲーが出来るあたり、かなりの筋金が入っていると思われる。
別府太郎
CV:こぶしのぶゆき
西川と同じく、八軒のルームメイト。食品科所属。
丸々と太った体系に団子っ鼻、坊主頭の大柄な体格の持ち主で、おおらかな性格だが食うことに関しては人一倍執着が強い。
一方、その体型のためか、走ることは嫌いと言い切る。
稲田真一郎
※イラスト左側
CV:小野友樹
食品科の3年生で稲田多摩子の兄。
劇中では単純に「稲田先輩」と呼ばれることが多い。
目元の涼しいイケメンで、実習の帰りだった八軒にスモークチキンを御馳走している。
以来、八軒にとっては頼れる先輩であり、彼にとっても八軒は優秀な舌と農家出身の自分にはない感性を持つ楽しい後輩であるため、年上として彼の成長を温かく見守っている。
ピザ会用の小麦粉の提供や、豚丼の肉をベーコンにする際の手伝いなど、八軒とは節目節目でよく交流を持っている。
また八軒の優秀な味覚を最初に見抜いた人物。
無添加食品の製造・研究に浪漫を追いかけているが、経営と利益にシビアな妹からは批評されることも多い。
教師陣
中島先生
CV:増谷康紀
フルネームは中島美雪(なかじま よしゆき)。
馬術部の顧問。
見た目が仏さんまんまという非常にインパクトの強い人。
物腰の柔らかい紳士だが、こと馬に関しては非常に真摯な考えを持つ。また競馬も趣味で、たまの休日に教師から勝負師にジョブチェンジする。勝負をするときは単勝狙い。
畜産実習棟の管理責任者であり、それをいいことにチーズ工房の地下に貯蔵庫を勝手に作って本格的なチーズ作りを楽しんでいる。そしてそれを吉野に発見されて以来、彼女に弱みを握られよくチーズを持っていかれている。
校長先生
CV:三ツ矢雄二
エゾコーの校長先生。波平ヘアーの超小柄なおじさんで、あまりの小ささに入学式では壇上から顔が見えていなかった。あまりの小ささに、作中・作者共々にコロポックル扱いされるほど。
馬術部に自分の馬がいるらしい。
将来に夢も希望も持てない八軒に「それは良い」と、謎の進言を残している。
富士先生
CV:湯屋敦子
畜産の実習担当を務める女性教師。フルネームは富士一子。
キャップにサングラス、タンクトップにアーミー柄のスボンと、どことなく『軍曹』といった雰囲気の女性。
質実剛健な気質らしく、美人ながらその威圧感は強く、また動物を通じて訓戒を述べることもある。
あとやたらと射的が上手い。これまたアーミー?
ニワトリ先生
※イラスト右側
CV:西村朋紘
養鶏舎の管理を任されている男性教員。本名は白樺 樹(しらかば いつき)。
富士先生に負けず劣らず『軍曹』っぽい人で、「人間は家畜の奴隷!」と断言する現実的で厳しい面もあるが、緊急時に労惜しまなかった生徒に臨時で夕食をふるまうなど懐は深い。八軒の『ニワトリの産卵』コンプレックスを解消した人物でもある。
その他
八軒慎吾
CV:小西克幸
八軒勇吾の兄にして、学業コンプレックスの一因。
飄々とした風体に寄らず相当頭がよく、東京に出て東京大学を「難しくない」の一言で済ませて合格してくるという容量の良さを持つ。その感性自体がやや天然ボケのため、常人の感覚とズレがある。
弟と同様に鋭い味覚センスを持つ一方、壊滅的に料理ができない。
そのくせバイトに行ったラーメン屋の味に惚れてその店に大学を辞めて弟子入りし、現在はラーメンの師匠に「新しい食材を探して来い」と修行にかこつけて店を追い出され、八軒のいるエゾノー近辺をふらふらとしている。
夏祭りの時はその壊滅的な料理の腕で空腹のエゾノー生徒達を撃沈させた。
兄弟仲自体はさほど悪くなく、むしろ慎吾は弟の様子を見守る等面倒見が良い。
そして、父親とは兄弟共々相当折り合いが悪いらしく、大学を辞めたのもこの辺りが絡んでいるらしい。
副ぶちょー
二学期の学校のゴミ拾い実習の際、八軒が拾った子犬。
茶色のふさふさとした毛を持ち、とても可愛い。
飼い主問題が浮上するも、あっさり馬術部で面倒をみることが許可されてエゾノーで暮らすこととなった。首輪には常盤お手製の募金箱を装着している。
元々名前はなかったが、「副部長(=八軒)の犬」が簡略化してそのまま呼ばれている。
小さいながら賢く大人しい性格で、はじめは八軒に舐めてかかっていたものの、犬のしつけ方を修得した八軒の前にあっさり服従。以後、小屋が馬術部にあるので馬術部の良い広報係となっている。
何気に常盤にも懐いており、八軒が学園祭で忙しい合間に常盤によって芸を仕込まれていた。