概要
種子を収穫した作物を米(お米、コメ)と呼ぶ。日本においては長年主食の地位にあり、アジアを中心に広く栽培される。小麦・トウモロコシと並ぶ世界三大穀物のひとつである。
日本は豊富な降水と温暖な気候に恵まれ、一部の離島や北海道の道東地方を除き、ほぼ日本全国どこでも作られている。栽培には夏の気候が重要で、夏に長雨などに祟られ気温が上がらないと、酷いときは全滅することもある。逆に夏場暑すぎるのもよくなく、収量が落ち、米の品質が悪くなる(地球温暖化に伴い、暑さに強い品種の開発が進められている)。
本来は多年生植物であるが、二年目以降は収穫が激減するため栽培作物としては一年で作付けから収穫まで終えるのが一般的。日本でも刈り取った稲のひこばえから小さな穂を実らすこともある。
種類
多くの種類があるが、大別すると、温帯で栽培され炊くと粘りが出るジャポニカ、炊いた後もパラパラしており主に熱帯で栽培されるインディカ、ジャポニカとインディカの中間的なジャバニカ、アフリカの気候に適応したアフリカ稲の4種類。それぞれもち種とうるち種がある。世界的にはインディカ米の生産量が多く、インドや東南アジアの大半で栽培されるのはほとんどがインディカ米である。ジャバニカはインドネシアのジャワ島で栽培されるほか、ヨーロッパでも作られる。リゾットやパエリアに使われるのがこのジャバニカ米である。中国は南部でインディカ、北部でジャポニカを栽培しているが、近年では中国全域でジャポニカが主流になりつつある。
日本で栽培されているのは全てジャポニカである。日本在来のジャポニカ稲には多数の品種があるが、近年は日本人の好みや栽培しやすさなどの都合からコシヒカリの系統の品種ばかりとなり、遺伝的多様性の面から懸念されている。