*現し世のオカルティシャン*
うつしよのおかるてぃしゃん
東方Projectに登場する宇佐見菫子のラストワードの一つ。
菫子が初登場した『東方深秘録』で披露した。
『深秘録』は博麗神社例大祭を初頒布の機会とするPC版『深秘録』と「Play,Doujin!」によるPS4版『深秘録』の二種類があるが、本ラストワードはいずれの発表形式においてもストーリー中でCPU操作の菫子のみが使用するもので、菫子をプレイヤーキャラクターとして選択しても使用する事はできない。
オカルティシャンとは、おそらくはオカルト( occult )の語と、連結した名詞・形容詞を「~を学んだ人」、「~に巧みな人」等の意味にする「 -ician 」とを組み合わせた造語と思われる。「卓越した」等の意味を含む「オカルト者」などと訳せるだろうか。
「 -ician 」は主に直前の名詞・形容詞が「 -ic(s) 」で終わる場合に用いられ、例えば「 magician 」(マジシャン、mag-ic-ian)などがそれに当たる。
実際の「 occult 」の場合、オカルティズム(「 occultism 」、オカルト信仰・超自然主義、神秘学)と関連して考えるとき、「 occultist 」(オカルティスト)などの用法が考えられるか。
上海アリス幻樂団作品にみられる両者の並列例としては、「 -ist 」といえば例えば「 Physicist 」、「 -cian 」といえば先例の「 Magician 」がある(「大空魔術」)。
「オカルト」はその原義としてラテン語の「 occultus 」(隠れる)を由来とする。
「現し世」たる外の世界において隠された秘密を求め、超能力とオカルトとを行使して数々の幻想を受け入れる場所である幻想郷に挑んだ菫子はまさに「現し世のオカルティシャン」であり、その姿勢と活動は「 ひみつをあばくもの 」である「秘封倶楽部」そのものであるとも言えるだろう。
ただしその実践の地は菫子の予想以上のものでもあり、オカルティシャンは当初の余裕もどこか遠くに、「 魅力的な恐怖 」だったそれは本格的な恐怖へと転じ、菫子はその生命まで幻想の中に晒し、隠された世界の中を逃げ回ることとなるのである。
「 逃げ回るが良い 幻想郷に安住の地があるのならな! 」(茨木華扇、『深秘録』、「幻想郷へようこそ」)
宣言の後、両手を広げるポーズをとり、その後両手を合掌するように胸の前で合わせる。
手を合わせた菫子を中心に中心を白色とした強い紫色(菫色)の光が発生し、菫子の方向に向かって多数のオカルトボールが集まっていく。
チャージ時間のような無攻撃時間がしばしあった後、菫子の手元から白色と菫色とによる直線のレーザーが画面を走る。これに攻撃判定があり、レーザーは各方面に打ち出される。方向は発射判定時のプレイヤーの位置を参照する模様。
レーザーはグレイズによって抜ける事が出来るが、直撃すると大きく弾かれ、よろめくこととなる。
レーザーを一定量を打ち出すと菫子が攻撃を解除して移動、移動先で再び最初の両手を広げるポーズからモーションがスタートする。
なお、『深秘録』のシステムでは怪スペルカード、怪ラストワードの発動中は基本的に「怯み」が無い代わりに発動中に様々な形で登場するのオカルトボール等に触れるとオカルトゲージが増加し、これが一定量になると相手に怯みの効果を与え、攻撃のチャンスとなるというものがある。
<*現し世のオカルティシャン*>では、攻撃のチャージ時及びレーザー発射中に菫子に向かって集まるオカルトボールにオカルトゲージを増加させるオカルトボールとしての判定がある。
先述のように<*現し世のオカルティシャン*>はストーリー中かつ菫子が相手である時のみCPUの操作する菫子が使用する怪ラストワードである。『深秘録』では菫子をプレイヤーキャラクターとして選択した場合と数名のキャラクターのストーリーを除き、複数のキャラクターのストーリーで菫子が最後の相手となる事があるが、対菫子戦において最後に繰り出される怪ラストワードがこの<*現し世のオカルティシャン*>である事がほとんどである。
多くのキャラクターが『深秘録』の異変の中心にあった菫子と出会うときは、その詰めとして最後に<*現し世のオカルティシャン*>に出会うのである。
一方で菫子とのスペルカード戦において<*現し世のオカルティシャン*>が最後の攻略対象とならず、更に怪ラストワードが存在するルートがある。
それが博麗霊夢の最終盤のストーリーであり、「結界の巫女」と「ひみつをあばくもの」が本格的に対峙した、『深秘録』の大詰めのエピソードである。このストーリーでは菫子が持てる力を総動員した怪ラストワード・<*深秘のエソテリックセブン*>がその最後に登場し、『深秘録』における七種類のオカルトボールとミステリースポットとが同時に霊夢に向かっていくのである。
本タグはその表記についてアスタリスク部分が半角で表現されているが、実際の作中では<*現し世のオカルティシャン*>と全角表記によるものである。
両者の差異は、pixivのタグが全角記号をそのタグとして使用できず、半角記号のみを受け付ける仕様であることによるもので、本タグの意図する半角アスタリスクは原作における全角アスタリスク表記を代用しているものである。
例えば同様に菫子のラストワードである<*幻視せよ!異世界の狂気を*>も、pixivのタグとしては<*幻視せよ!異世界の狂気を*>の表記で代用されている。
pixivの仕様に対応した、特有の代理手法といえるだろう。