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概要編集

岡本喜八が監督昇進をかけて『独立愚連隊』と共に執筆したシナリオが原点。

原作はウィリアム・アイリッシュが「コーネル・ウールリッチ」名義で発表した短編「万年筆」。

ジャズロック浪曲狂言、さらには題目まで駆使した和製ミュージカル映画である。


同時期には大映で『アスファルト・ガール』が公開されており、ミュージカル映画対決となった。


併映は勅使河原宏監督の『砂の女』。


あらすじ編集

子分のために人を殺めて3年間刑務所で過ごした大名組6代目大親分・大名大作。

刑務所で知り合った爆弾作りの名人・田之上太郎は大作の子分の盃を受けたいとついて回るが、些細なことで交番を爆破しようとした太郎を器が小さいと子分に認めなかった。

しかしいざ出所してみると期待した子分のお出迎えはない。さらには組事務所や自宅に戻ってみると市議会議員選挙に出馬したインテリ風の男・矢東弥三郎が組長として居座っている。知らないうちに組は矢東率いる「株式会社大平和」に乗っ取られてしまっていた。

家も愛人も子分も失った大作は、大暴れしてすっかり気が大きくなり弥三郎の紹介でバキュームカーの運転手になった太郎を新たな子分に迎える。弥三郎が選挙ポスターで万年筆を掲げているのを見た大作は太郎に爆弾入りの万年筆をこしらえてもらい、弥三郎の暗殺を試みる。

しかしそのころ大作の友人で弥三郎の運転手をしている椎野武三・通称シイタケが弥三郎の選挙資金を奪って逃亡を企てており、太郎がすり替えたはずの万年筆爆弾はシイタケのもとに渡ってしまった。

さらにシイタケは銀行強盗に巻き込まれ、混乱の中で万年筆爆弾を銀行に置いて行ってしまう。

ある日太郎は河原でバキュームカーを洗っていたが、そこで大作の息子健作が見覚えのある万年筆を持っているのを目撃する。


スタッフ編集

製作:田中友幸

監督・脚本:岡本喜八

原作:コーネル・ウールリッチ「万年筆」

音楽:佐藤勝

撮影:宇野晋作

録音:伴利也

編集:黒岩義民

監督助手:山本迪夫

狂言指導:和田喜太郎


キャスト編集

大名大作:伊藤雄之助

大名梅子:越路吹雪

矢東弥三郎:中谷一郎

田ノ上太郎:砂塚秀夫

ミナコ:重山規子

カスミ:北あけみ

椎野武三(シイタケ):沢村いき雄

支店長:有島一郎

子分テツ:天本英世

銀行事務員:桜井浩子

大名健作:高橋正

市会議員:林幹

椎野松子:本間文子

子分竜見:二瓶正也

銀行ギャング(弟分):鈴木和夫

新聞記者:当銀長太郎

床屋の職人:堤康久

映画館のモギリ:浦山珠美

小使いのおばさん:馬野都留子

守衛:小川安三

医者:草川直也

銀行ギャング(実行犯):長谷川弘

銀行窓口嬢:丘照美

映画館の若い衆:大前亘

洋服屋:鈴木治夫

銀行前の警官:伊原徳

文房具屋:細川隆一

銀行の女の子:坂部紀子

警官:権藤幸彦

声を掛ける男:加藤茂雄

立候補者:土屋詩朗

小杉昇司

映画館の若い衆:三浦敏男


(以下ノンクレジット)

パチンコ屋の客:中島春雄

大平和の社員:勝部義夫荒木保夫越後憲三庄司一郎古谷敏

将校:関田裕

白虎(『どぶ鼠作戦』より):佐藤允

正宗中尉(『どぶ鼠作戦』より):藤田進


余談編集

矢東弥三郎の事務所前の通りは東宝のオープンセットで撮影されており、背景にスタジオの建物が映り込んでいる(劇中では大平和の倉庫という設定)。


映画館でかかっている映画として『どぶ鼠作戦』の終盤のシーンと『世界大戦争』の核ミサイル発射シーンが流用されている。


関連タグ編集

東宝 ミュージカル


- 1913年発表の文部省唱歌替え歌が多用されている。

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