概要
うえきちゃん。踊りません。動きません。植木だから。中に入りたがるアイドルもいたが、中には入れなかった…。
(ルームアイテム「うえきちゃん」説明文より)
誕生のきっかけは、『アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ』の楽曲CD「STARLIGHT MASTER 02 Tulip」の発売を記念し、2016年5月18日に放送されたニコニコ生放送「デレステNIGHT☆☆」。
そのコーナーの1つとして、前回同様、出演声優5人それぞれがルームアイテムをイラスト付きで考案し、ゲーム内に実装するものを視聴者アンケートで決定するという趣旨の企画「ルームアイテムコンペ」が行われた。
そこで宮本フレデリカ役の髙野麻美氏が考案、プレゼンしたのがこの「うえきちゃん」であった。
氏のプレゼンによると、着ぐるみのように中にアイドルが入り、花粉を飛ばして近くのアイドルにくしゃみをさせるのだという。
他の出演者がブランコや掃除機など、可愛らしいイメージのアイテムを考案する中、その異様なデザインと設定、そして「植木がモチーフだからアイドルが中に入っても絶対に動かない」と強固に主張する氏に誰もが困惑する事態となった。
これだけで終わるならまだちょっとしたギャグで済んでいたかもしれないが、アンケートではなんとこの案が僅差で得票率1位を獲得し、ゲーム内に実装されることが決定してしまった。
しかしここで思わぬ問題が発覚。
実は番組打ち合わせの段階では、スタッフは「中にアイドルが入る」ことまでは聞いていなかったらしく、コーナー移行後に休憩中の髙野氏に着ぐるみとしての機能は当時の技術では再現不可能である旨がスタッフから通告された。
これにより、番組後半に入って急遽、髙野氏の謝罪に尺が割かれるという異例の展開となった。
その後も氏の暴走は後半のコーナー、そして番組終了直後の「CINDERELLA PARTY!」にまで続き、彼女は一夜にしてシンデレラ一門の栄誉ある一員としてその爪痕を残したのである。
それから月日は経ち、2016年8月9日、公約通り「うえきちゃん」はデレステのルームアイテムとして正式に実装された。
その特徴はなんといっても異様なデカさ、そして氏の手書きの原画を忠実に再現したデザインである。
オーダー通り、花粉を飛ばし、浴びたアイドルがくしゃみをするシステムも内蔵。そのリアクションにもアイドルごとのバリエーションが存在する徹底ぶりである。
ただしアイテム説明にもあるように、中にアイドルが入ることはできないのでただの置物(観葉植物)である。
中に人などいないので、その妙に目力のある顔にどこか見覚えがあったとしても他人のフレ似、いや空似である。
実装後の展開
その影響力はすさまじく、実装当時はほとんどのユーザーのマイルームに置かれていた他、「デレラジ☆」において投稿されたマイルームを紹介する1コーナー『デレラジ事務所探訪』で紹介されるルームに今もほぼ確実なレベルで配置されており、同じく配置率に定評のある「キグルミぴにゃこら太」とともに、最早コーナーの定番マスコットのような扱いと化している。
ゲーム内では他にもログインボーナス画面のホワイトボードにうえきちゃんのラクガキが描かれていることがある。チューリップ…
一方元凶の『うえきちゃんの母』髙野氏はというと、同ラジオで「歩けるうえきちゃん」として「きゅうこんちゃん」なる派生キャラまで考案する始末で、全く自重する気配がない。
コミカライズ作品『アイドルマスター シンデレラガールズ U149』では、第11話「特別編」にて背景の壁に登場。ひと目で分かる存在感。
ファット・カンパニーから発売される1/8スケールフィギュア「宮本フレデリカ 小悪魔メイドVer.」には、GOODSMILE ONLINE SHOP購入特典として「うえきちゃん アクリルキーホルダー」が付属する。
そしてライブ「Serendipity Parade!!!」さいたまスーパーアリーナ公演にてこれまたフレちゃんとセットでソフビ人形が販売される運びとなった。「もはや説明不要」と言われる始末。
プリコネRのシンデレラガールズコラボイベント「スターライトプリンセス Re:M@STER!」でもストーリー中に、土から出てくる前の形態「つぼみちゃん」がうえきちゃんとともに登場。前編から異様な存在感を示していたが、後編ではボスとして登場した。
目から怪光線を発射したり、泣いたりと不気味な動きが目立つが、身を守る左右の葉をブレイクしなければダメージが通りづらかったり、気持ち悪さも絶好調のユニオンバーストは花粉をばらまく画面全体攻撃だったり、さらにスペシャルのHPは2100万とヤケクソ気味の高さを誇ったりとなかなかの難敵(復刻時はHPが1600万に引き下げられている)。
さらにミッションクリア状況に応じてひたすら伸長するサブイベント『ノビノビうえきちゃん』も開始した。最終的には小惑星帯まで達し、クリアでニュージェネレーションズのおねシンが聞ける。
ちなみに、うえきちゃんの生みの親『うえきちゃんの母』である髙野麻美はプリコネRにも出演している(アンナ役)。かなりのガチ勢である。
そして復刻開催中(およびGREAT JOURNEY発売)のデレラジ☆にも大坪由佳とともに出演(他はコラボにも登場したリン・渋谷凛の福原綾香とプリコネR主役格ギルドのキャルと小早川紗枝の立花理香)。シンデレラ声優というよりもうえきちゃんの母・プリコネRプレイヤーとして語っていた。
このようにメディアミックス作品出演やグッズ化と、うえきちゃんの勢いは留まるところを知らない。
暗黒うえきちゃん
大変だ! うえきちゃんが闇落ちしてしまった……!
ダークな花粉を飛ばしてくるので、しっかり備えよう。
アニメ「シンデレラガールズ劇場 Extra Stage」2020年8月11日からのエンディング曲「ダイアモンド・アテンション」では、「5人が魔法少女となってうえきちゃんと戦う」という映像が付けられている。上記のプリコネRでの扱いに触発されたのだろうか?
その後デレステでの「ダイアモンド・アテンション」イベントで詳細が描写された。
フローラル夕美の偽次回予告された回の結果、イタズラ妖精四天王の残党によってうえきちゃんが悪堕ちさせられた姿だったらしい。
もっともコミュではOPであっさり倒されており、その後のホノカ(綾瀬穂乃香)が差し向けてくる刺客との戦いやかつての同朋との戦いや己の過去に対するユズ(喜多見柚)の葛藤が描かれる。
暗黒うえきちゃんは報酬のルームアイテムとしても登場し、どちらかというとプロデューサーにはそちらの方で親しまれている模様。
余談
- この放送以降、視聴者間・演者間共にルームアイテムコンペがデレステNIGHTにおける名物大喜利のような扱いを受けている。もっとも、うえきちゃんが本当に実装されてしまった経緯からか、あまりぶっ飛んだ設定のルームアイテムが得票率1位になることは少ないようである。
- 2017年3月17日のアップデートにて、2人のアイドルが揃うことで初めてリアクションが起きるルームアイテム「ぴにゃタワーゲーム」が実装された。これ以降も少しずつ2人専用のルームアイテムが実装されており、ついにはリアクションが段階を経て変化するルームアイテムも登場したため、ユーザー間では「今の技術なら初期案のうえきちゃんも作れるのでは」「その内実装されるんじゃないか」と話題になっている。
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