概要
てんとう虫コミックス16巻及び、藤子・F・不二雄大全集2巻に収録。
ストーリー
のび太は毎年お年玉を見る度に少ないと感じることをドラえもんに言うも「贅沢言うな」と返されたので、自分はもう3年生だからもう少しくれても良さそうなもんだと説明。そしてパパに交渉しに行ったが、即座に壁の後ろに隠れられた上逃げられてしまった。
のび太の部屋へ逃げたパパは、毎年のび太にお年玉をやると文句を言うからと言い、子供がやたらにお金を欲しがるのは良くないことだと、お金を欲しがらなくなる薬などがないかドラえもんに尋ねた。するとドラえもんは「あるよ」と答えて瓶に入ったキャンディーを取りだし、これの一粒をパパに渡した。
パパは「さっそく飲ませる」と言って帰って行ったが、今度はのび太が部屋へ帰って来て、ケチだらからどこかに隠れていると予想し、そこでお金をくれたくなる薬か何かないか尋ねると、ドラえもんは瓶に入ったキャンディーを出してくれた。
早速パパに食べさせようとしたが、同時にパパものび太を探していたため、互いに薬とキャンディーを交換したが、薬を飲んだのび太は途端に慌てて引き出しからお金を取りだしドラえもんにこれを受け取ってくれと迫り出した。これにドラえもんから「しまっとけばいいじゃない」と言われるも気持ち悪いと拒否し、持っているだけで蕁麻疹が出ると言って走り出して行ってしまった。
だがその先でパパから一万円をもらうと「イチマンエン!!」と叫んで仰天し逃げ出してしまったが、パパの方も「助けると思って受け取ってくれ」と後を追い、「親の言うことが聞けないのか」「パパがいじめるよ」と押し付け合いになったが、ママが間に入ったことでのび太が逃げることができ、パパはママに毛皮のコートを買ってあげることにした。
そして「ダイヤでも何でも欲しい物を買ってあげる」と言って貯金を全部おろしに行ってしまい、薬の効き目が強すぎると思ったドラえもんは効果を取り消す薬を出そうとポケットを探ったが出て来たのは「気前の良くなる薬」や「お金が嫌いになる薬」だった。
ようやく目当ての薬を出すと目の前に通りかかった男性が見覚えのある着物を着ていたため尋ねてみると、変なおっさんが無理やりくれたと言われたので先を急ぐと、案の定その先にはパパがいてホームレスに自分の家をあげると持ちかけていた。慌てて効き目を取り消す薬を飲ませるとパパは正気に戻り、ホームレスに家をあげる件も嘘というこよになった。
そしてパパは無暗に変な薬を飲ませるなとドラえもんに注意し、ドラえもんも反省の色を見せたが、その後薬が2つ共なくなっているのに気付いて仰天し、更にその前にお小遣いをあげると迫って来る皆から必死で逃げるのび太の姿があったので急いで駆け寄った。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1979年11月5日に、水田版は2021年1月9日にそれぞれ放送している。
1979年版
- 冒頭ドラえもんは餅を食べていて、のび太は「毎年物価は上がっているから」という理由で自分のお年玉も上がるはずだと思った。そしてのび太がやってきた時パパはタバコを吸っていて、彼が部屋にやってきた時もドラえもんは餅を食べていた。ちなみにドラえもんがキャンディーを出した際は軽く拍手をしていた。
- のび太とパパがもめた場所は廊下だったため、ママが今から出てきている。
- 気前のよくなる薬は黄色、お金が嫌いになる薬は緑色をしていた。またこの最中にパパからお金をもらった女性2日と子供一人が通りすぎていて、男性も最初はお金をもらってと頼まれていた。
- ドラえもんは皆から逃げるのび太の口に赤いキャンデーを投げ入れることに成功しておて、ラストはママから叱られたパパが、彼女にも先ほどのキャンディーを飲ませたいと頼んできたため、ドラえもんとのび太がびっくりするというオチになっていた。
- 本編終了後のショートアニメは、黒いキャンディーを飲んだドラえもんが、画面左からやってきた大量のお札を見て逃げだすというものだった。
2021年版
- のび太がお年玉の額を少なく感じていた理由は1979年版と同じで、この時ドラえもんはどら焼きを食べていた。
- のび太が部屋に戻って来た時、ドラえもんは押し入れの中で寝そべりながら漫画を読んで笑っていた。
- のび太とパパは、互いにこのキャンディーを食べさせたらどうなるのか楽しみにしていたため、受け取った際には不思議そうにはしていなかった。また黒いキャンディーを食べたのび太は、硬貨がお化けに、お札が剣を持った悪魔に変化する想像をしていた。
- パパは居間に置いてあった本の中に隠したへそくりの2万円ものび太に渡そうとしていて、この時ママは庭で洗濯物を干していた。ちなみにこの直後パパは、飾っていた絵の裏に隠していたママのへそくりも見つけ出している。
- パパを追いかけた際ドラえもんが一番初めに出したのは白いキャンディーだった。そしてパパは、電柱によじ登る泥棒に自分の全財産をわ渡そうとしていたり、庭でままごとをする子供達にドールハウスではなく本物の家をあげようとしいていた。このためホームレスの男性は登場していない。
- ドラえもんも最初安雄とはる夫から貯金を受け取ってと頼まれていて、最初にのび太を追いかけていたのはクラスメイトの女子3人だった。そしてこの後、一方この時スネ夫もキャンディーの効果で皆に家の高価な品物を渡しまくる、空地の土管に隠れていたのび太にジャイアンが大量のおもちゃを押し付ける、ドラえもんが赤いキャンディーを食べさせようとするも瓶を開ける前に迫りくる皆に踏みつけられキャンディーをばらまいてしまうといった下りが追加されている。
- ラストは皆から逃げるのび太が本エピソードのサブタイトルを叫ぶというオチになっている。
今回登場した、ひみつ道具
お金を欲しがらなくなるキャンディー
黒いキャンディーで、これを飲めばお金を欲しがらなくなる。
2021年版ではこれが正式な名前となっていたが、1979年版では黒いキャンディーとしか呼ばれなかった。
お金をあげたくなるキャンディー
白いキャンディー、これを飲めばお金をあげたくなる。名前に関しての概要は上記の黒いキャンディーと同じ。
赤いキャンディー
上記の2つのキャンディーの効果をなくすことができる。