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概要編集

藤代健による漫画『かへたんていぶ』は『ガンガンONLINE』で2009年10月22日から2018年11月29日まで連載していた。完結済。コミックス全12巻。


女子校に進学した個性バラバラの女子高生たちが互いの趣味のために打算を働かせて集い結成させた「かへたんていぶ」(カフェ探偵部。通称はかへ部)を舞台に、様々なドタバタを経験しながら時折日常の謎を解きつつ、やはりドタバタの日常を過ごしていく部活もの作品。


話数は「オーダー○○」とカウントされる(10話ならオーダー10)。

また、同作者の漫画『ながされて藍蘭島』と同じ世界で時系列も一年後という事が判明している。


ストーリー編集

部活動が盛んで数多くのクラブを誇る私立つばめヶ丘学園。

申請が通ればどんなマニアックなクラブでも設立できることから、人気校となったのだがその結果、場所と部費が確保できなくなり1つの部しか作ることができなくなってしまった。

都幾川えみなは推薦を蹴ってまで探偵部設立のためにつばめヶ丘に入学したが同じ志を持つ料理研究部の瑞穂なな、特撮ヒーロー研究部の鳩山美由、服飾部の花園静、レトロゲーム研究部の名栗理沙らとかち合ってしまう。

1週間以内に部員5人を集めた部を設立するという元カフェ部の宮代巴が出した条件に部員争奪戦を繰り広げるがえみな以外の4人は空回りを繰り返すばかり。

えみなは巴がカフェ部の顧問であったこと、4人の希望する部活が持つカフェとの共通点を見出し、それらを使ってカフェ部の復活と自分の希望した探偵部の設立を果たす。こうして、5人の目的が一致した「かへたんていぶ」が誕生したのであった。


登場人物編集

つばめヶ丘学園編集

かへたんていぶ(かへ部)

都幾川えみな(ときがわ えみな)

主人公かつメインヒロイン。かへたんていぶ部長。ミステリーマニア。母親は漫画家、父親は漫画原作者兼ゆるキャラを得意とするキャラクターデザイナー。祖母は趣味で駄菓子屋を運営している不動産運用業(要はマンションのオーナー)。

小柄な体格に2つ分けた長い髪の少女。体格に反して胸が大きめ。その身長の低さから時に小学生と間違えられる。

頭が良く並外れた推理能力と瞬間記憶能力の持ち主。さらに耳もよく声の重なった複数の注文すら捌く能力の持ち主。一方で策略家にして腹黒い面があり友人たちからは小悪魔と呼ばれる。

滑舌が悪く部活名の「かへ」は彼女がカフェと発音出来なかったため。双子の弟が大好きなブラコン。


瑞穂なな(みずほ なな)

かへたんていぶ料理長。

関西弁とサイドテールの少女。生意気盛りな中学生の弟がいる。父親はフードライター。

関西弁の話者だが実は本人は関東生まれの関東育ち。両親が関西出身で、まだ言葉が関東の言葉に馴染まず、さらに両親の父母(自身の祖父母)や親戚とも交流が密であった頃に育てられたため関西弁に染まってしまい、小学校の頃に関西お笑いの影響でクラスでのキャラ付けがそっち方面に固まってしまった事から言葉を直せなかったのが実情(そのため弟は普通に標準語を話している)。

痩せの大食いで、いくら食べても太らない。中学時代は地元の大食いチャレンジ店を片っ端から制覇していたフードファイター。しかし摂る栄養の割には胸も変わらないのを悩んでいる。

さらに、ななの大食いに付き合っていた中学時代の友人たちは、知らず知らずのうちに太っていってしまったため、高校進学を期に交流を断たれてしまった。人呼んでダイエットの敵「食の魔王」

実は部員唯一のラブコメ要員で、その意味では真メインヒロインにしてもう一人の主人公。大食い行脚の最中、ある人物に話しかけられて惚れてしまった事で暴食を止めて、きちんと「食べることに向き合おう」と考え、食べる人から作る人へのジョブチェンジを目指している。

いかに努力しようとも、テストや文化系バトルイベントでは必ず平均点を取ってしまう(食以外の)標準に愛された凡人娘であり、学内では「ミス・アベレージ(ミス平均点)」の異名をとっている。


鳩山美由(はとやま みゆ)

新入生トップ5に入るほどの美少女。ボクっ娘、ツインテール、ヒーローマニア。三人姉妹の中間子。

特撮ヲタの父親(職業:消防レスキュー隊)から訓陶を受けた生粋の特撮ヲタ二世で、物語のストーリー(脚本)やキャラクターや作品に使われている映像表現や効果など、それらを総合した「作品そのもの」をとても重視するタイプ。そのため、いわゆる「イケメンヒーロー好き」や「役者のファン」とは解りあえない溝があり、時には敵視する事もしばしば(同級生たちから「せっかくイケメンをキャスティングしてるのに変身なんかさせてもったいない。能力バトルものにして変身なんか無くしてしまえばいいのに」と言われたり「特撮出身俳優が出ている一般向けドラマを揃えた方がいい。その方が話題になるし面白い」と「お願い」されたりした時には本気泣きでブチ切れ、足技を繰り出して追い出している)。

ヒーロー好きの影響で足技が得意。羞恥心が薄く「パンツは大事なところが見えないために穿く物」という認識で見えても気にしないため残念な美少女扱いされている。


花園静(はなぞの しずか)

背が高い物静かなポニーテールの少女。東方院家の分家出身。東方院流古武術の柔術を身につけており時おり武人のオーラを出す。

並外れた動体視力の持ち主であるため、テレビゲームは詳しくこそないもののルールと操作方法さえ理解すれば、予備知識なしの初見プレイでノーミスRTAクリアしてしまえる程の腕前。

かわいいぬいぐるみや洋服が好き。悩みは市販の洋服のサイズが合わないこと。その事もあり洋裁スキルは一級品。かへ部のウェイトレスユニフォームは彼女の手によるもの。

えみなのような小柄な可愛らしい子に憧れている。時々えみなを見る目が怪しいが、別に同性愛とかではないらしい(それでも「えみなさん、おうちに持って帰りたいです…」などと側から見ればヤバ過ぎる呟きをすることも)。


名栗理沙(なぐり りさ)

小柄で男の子っぽい話し方のショートヘアの少女。オレっ娘。レトロゲーム好き。通称「なぐりん」あるいは「りさりさ」。

ただしゲームの腕はそこそこ。家は大金持ちで日本人の父とイギリス人の母の間に産まれたハーフ。父親はゲームプログラミング会社の社長であり超セレブ。ゲーオタなのは父親譲り。

美由とはジャンルは違うもののオタク仲間として共通の話題(コミケワンフェス関係)もあるため、よくつるむ。

実は地毛は金髪。高校進学時には黒く染めていた(理由は黒髪の少女がメインヒロインとなっているアニメにハマったため。つばめヶ丘の校則には染髪に関する規定は無く、中学時代は地毛だった)がオーダー60から本来の金髪に戻している。

家のお向かいが東方院家本家。


宮代巴(みやしろ ともえ)

かへたんていぶ顧問。元カフェ部顧問。姉妹揃ってつばめヶ丘に通っている宮代三姉妹(物語開始時点で次女は高等部生徒会長、三女は中等部生徒会長)の長女。

左目の目元にほくろがある穏やかな性格の教師。コーヒーを煎れるのが得意だが、おっちょこちょいな面があり食器を割る事があるためカフェ部の頃から洗い物は禁止されている。


東方院摩智(とうほういん まち)

東方院家の分家出身の少女。見た目は藍蘭島のまちそっくりだが「他人の空似」と明言されている。つばめヶ丘に通う東方院姉妹の妹にあたり、生徒会副会長の東方院綾音は姉。

東方院流古武術を修めており親戚の静をライバル視している。


八潮真美(やしお まみ)

2年生編から登場するかへたんていぶの新入部員。

あがり症で驚くと失神するが、刃物で何かを切り刻むのが好きだったり。書いている小説のジャンルが猟奇ミステリーだったりと闇を抱えている。


かへ部以外の生徒

草加なるみ(そうか なるみ)

報道部所属。えみなの友人で同じ中学の出身。

人を混ぜっ返して楽しむパパラッチ気質だが、PRやプレゼン活動に関しては他の追随を許さない。

かへ部の活動を学内新聞に取り上げ、おもしろおかしな記事にするが、それが一般生徒たちの、かへ部への興味を喚起させる事となり、そのPRに貢献している。

中学時代、えみなの弟に結構真剣な想いを寄せてアプローチしていたが、その想いを気付かれる事の無いままに玉砕しており、ななに「わたしの……いや、あいつに初恋を持っていかれて砕け散った戦友(とも)たちの無念の想いのカタキを討つためにも、結ばれてくれ!」とえエールを贈り、とても重すぎる思い(無念)を背負わせている。


騎西 愛歌(きさい まなか)

帰宅部。えみなの友人で同じ中学の出身。

眼鏡をかけ、髪を三つ編みにしている、おっとり女子。

部活に入っていないハズなのに、なぜか忙しくしている謎の人。時々ギターを持っていたりしているが音楽系部活には所属していない。

………が、その正体は元・子役芸能一家の末娘。若年層に超大人気の覆面歌手、AKANA・Mの正体。眼鏡は容姿を誤魔化すための伊達眼鏡。本来の性格は(オタクではないが)なぐりんに近く、また美由と同じく体力チート勢。


東方院 綾音(とうほういん あやね)

東方院分家出身の少女。摩智の。つばめヶ丘学園高等部生徒会副会長(のち、生徒会長)。容姿は妹のまち同様、藍蘭島のあやねに似ている。

つばめヶ丘の生徒にしては珍しい、しっかり者の常識人かつお人好しの凡人。情も深く涙もろい一面もある。いわゆる普通属性の持ち主であるが、それゆえに尖った連中の多い、つばめヶ丘では稀有な個性となっており、また密かな愛され(イジられ)系の少女。妹の摩智ですら「お姉さま遊ぶのは楽しい 」とのたまうレベル。

東方院家の集まりでは、戦闘民族この上ない一族の小競り合いに巻き込まれては、凡人体力であるがゆえに、とばっちりでダメージを喰らう結構な不幸体質だったりする。


鴎高等学校編集

演劇部・新人カルテット

都幾川トウマ(ときがわ とうま)

えみなの双子の弟。ある意味、本作のヒーロー

頭が(知恵的な意味でも感性的な意味でも、良い意味でも悪い意味でも)キレっキレのブラコンな姉が密かに悩みのタネであり、そんな姉に対抗するため様々なスキルを磨いている。ある意味、本作において、えみなを出し抜ける数少ない人物のひとり。

家事全般をそつなくこなし特に料理が得意。理想のタイプは「一緒に料理を作ってくれる人」かつ「作った料理を好き嫌いを言わずに残さず美味しく綺麗にペロリと食べてくれる人」。

実は小中学時代から、よくモテていて多くの女子からアプローチを受けていたが、えみなが全力の防波堤になっていた事とトウマ自身が某本家の剣士の坊っちゃんとタメを張るレベルの朴念仁であったため、人知れず多くの女子を死屍累々の大山脈を築く集団大玉砕に導いてしまっている。実はトウマ本人は無論、気付いていないがなるみも玉砕したひとり。

しかし、そんな彼も中学生も終わろうという頃、店の大食いメニューをペロリと平らげた少女に一目惚れしている。

幼少期にリトルフットボールクラブに入っており、それなりの成果を叩き出していた事から、地域のサッカー少年たちの憧れの人となっており、ななの弟もトウマのファンのひとり。

祖母から家伝の指圧マッサージ術を伝授されている……と、えみなは思い込んでいるが、実は都幾川家に伝わる秘孔拳の伝承者。その本来の力は東方院厳人(当代の東方院当主)をして「人間の体を熟知」するがゆえの「最小限の動きと力」で「最大最悪の効果(ダメージ)を与える」という「とても手強い」武術だという。その強さは静をして「底が見えない」「いざ相対するなれば、負ける気は無いが勝てるかどうかが解らない(負ける場面も勝てる場面も想像ができない)」とまで評されるほど。

実は、ななとは両思いだが、互いに恋愛初心者であるがゆえに両片思いの様相を呈している。


両神侑斗(りょうかみ ゆうと)

都幾川姉弟の幼馴染のひとり。自称、ムッツリスケベメガネ男子

かなり斜に構えた皮肉屋で、えみなとは舌戦を繰り広げてはやり返される天敵に近い間柄だがトウマとは親友。

漫画家志望で都幾川姉弟の両親にアシスタントとして弟子入りしている。

実は(弟子入りして制作の現場で行動している、という事もあり)気遣いの人で天然タラシのジゴロ体質であるため、よくモテる。しかし本人は「自分だけのたおやかで清楚なお姫様」を求めている(いわく「たったひとりだけに好かれていれば、それでいいじゃないか」)ため、そうではない有象無象女子に付きまとわれる事には不本意で普段は無視するよう努めている(のだが、気遣いの人であるため決定的な邪険な態度は、とる事ができず、それが「クールだけど気を遣ってくれている」と誤解され、ますます付きまとわれてしまう)。


日高朔也(ひだか さくや)

トウマのリトルフットボールクラブ時代のチームメイト(要は幼馴染)。

しかし高校進学と共にサッカーを辞め、髪を金髪に染めて、お笑い芸人志望に転向してしまった。理由は「モテたい」(スポーツなんか、いくら巧くなっても、その分だけ練習などに時間を取られて全くモテないし、万が一にもモテて好きな子ができても同じ理由で相手なんかできない)から。

リトル時代はトウマと鉄壁のツートップとして名を馳せていた。トウマ&侑斗いわく「一番輝いていた頃」「あの頃が頂点」「(全力全開で才能をドブに棄てた)超もったいない男」。実はトウマと同じく今でも現役の部員を相手にタメを張れる(あるいは打ち負かせる)実力を持ち合わせている。それを知る(そして現在を知らない)サッカー少年たちからは今でも憧れられている存在ではある。実はサッカーを辞めた本当の理由は、ある女性にコテンパンにしてやられた上で心が折れ、同時に女の子の魅力に開眼してしまったため。

以降、ガールハントに勤しむようになってしまい女の子に声をかけては吹っ飛ばされる日々を送る残念なイケメンになってしまった。

侑斗からは常々「メーテルリンクの『青い鳥』を(ヘビロテで)読め!」と口を酸っぱくして言い募られるレベル&耳タコ状態で言われているが、本人はその意味に気付いていない。


岩槻 樹(いわつき いつき)

朔也の幼馴染のメガネっ娘。カルテットの紅一点。ぶっちゃけ朔也のオカンポジと化している優等生。トウマや侑斗から見ればダダ漏れの好意を朔也に垂れ流しているものの、朔也自身がその好意を受けている状態に慣れきってしまっている(オカンポジと幼馴染として近すぎる距離感を得てしまった事が逆効果となっている)ため、ま~ったく気付いておらず、いつも空回りしている不憫な子。

姉の柊は東方院本家当主の秘書をしており、後に彼の後妻となっている。


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