ある意味ネタバレ項目なのかもしれないが、『紫京院ひびき』というキャラクターの名誉と尊厳のためにも、是が非でも!この項目に目を通して誤解なく接していただきたい。
概要
くるくるちゃんとは10年前の紫京院ひびきの姿(推定5、6歳)。黄木あじみが勝手に付けた名称だが、後にファンの間で幼少期ひびきの呼称として定着した。
庭師の人からはひびきお嬢様と呼ばれている存在である。
縦ロールの髪型が印象的なくるくるヘアーのお嬢様で、あじみが命名したのはこのくるくるした髪型から。
足が速くてやんちゃで、手のひらサイズの四輪駆動のマシンが好きそうな女の子である。
CVは現在のひびきと同じ斎賀みつき。
らぁら達6人とアロマゲドン、ふわり、めが兄ぃの10人はくるくるちゃんの過去を聞くためあじみによって地下パラの一室に集められ、庭師の人の証言とあじみの供述(それと南みれぃの通訳)によりひびきの壮絶な過去が判明する。
(ただし国家機密レベルのセキュリティロックでもかかっているのか、みれぃの通訳による再現フィルムでも「ダ・ヴィンチ」という語尾は抜けなかった)
紫京院ひびきの過去
第1章・手のひら返し事件
(プリパラ第83話)
時は今から10年前に遡る。
ヨーロッパラのペルサイユという場所にある紫京院家の別荘。そこには、くるくるヘアーが印象的な足の速い女の子がいた。
彼女の名前は紫京院ひびき。幼稚園に通っている5~6歳くらいの女の子。
この時代から男子っぽさがあり、大人達に女の子っぽい格好をさせられていながらも裸足で泥だらけになりながら駆け回っていた(プロデューサーの依田健氏からは、「女の子っぽい格好が好きという訳ではない」と明言されている)。また、幼稚園の演劇で王子様役をノリノリで演じていたりと、この時代から麗人アイドルとしての頭角を現していた。
そして、プリパラが大好きでセインツに胸をときめかせていた。これから数奇な運命に翻弄されるとも知らずに、ひびきは同じ年頃の女の子たちとプリチケごっこなどをして仲良く遊んでいたのであった。
ある日、ひびきの両親が旅行中に生死不明になったとの連絡が入った。幼少の彼女にとって耐え難い事件だろう。
だがそれは財閥たる紫京院家の崩壊を意味していた。
それを聞きつけた当時の執事および使用人たちが紫京院家の財産のほとんどを持ち逃げし、同じ年頃の女の子たちも「お金持ちじゃない子と遊んではいけないと親に言いつけられた」と言い残し、ひびきとあっさりと縁を切ってしまったのだった。
両親の行方不明に続いて、次々と離れてゆく周りの人間たち。ひびきは木彫りの人形を見つめて自暴自棄に陥った。
が、その後間を置かずに両親が生存しているという知らせが届く。
本来なら素直に喜ぶべき出来事なのだが、『ひびきの両親の生存』、つまり『富豪である紫京院家の復活』を聞きつけた使用人及び同じ年頃の女の子たちは、何事も無かったように手のひらを返し笑顔で関係を修復しようとした。
(なお庭師は裏切り行為に参加してなかったためか、現在も屋敷に留まり続けてる。しかし孤立したひびきを庇う様子も無く、少なくとも持ち逃げ事件の段階では単に留守だったのかもしれない)
周囲に『一人の人間』ではなく『金持ちの娘』『金蔓』程度にしか見られていないことを思い知らされたひびきは、大きく傷つくと共に怒りを爆発させる。そして一人屋敷に閉じこもり完全に心を閉ざしてしまった。
以来、ひびきは友情を信じなくなったのである。
ここまでは救いようのない、シリアスかつ悲惨な展開だったのだが…。
第2章・謎のフルーツ泥棒襲来
※↓第83話以前に描かれたイラスト
その後、ひびきの前にパイナップル頭の少女が現れた。
彼女はかねてから屋敷の庭園のフルーツを盗み食いしており、一方的にひびきの事情を知っていた。
その少女はひびきを「くるくるちゃん」と呼び、フルーツ語尾まみれの言語で話しかけてくるがひびきはその言葉自体を理解できず屋敷から追い出した。
しかし、それだけでは終わらなかった。
そのフルーツ泥棒から間を置かずに語尾まみれの言語で電話がかかってきたのだ。
びっくりして電話の受話器を置くと、次の瞬間天井裏からフルーツ泥棒が現れる。
天井の穴をふさぐことで対抗するのだが、間を置かずに柱時計の中から出現する。
柱時計のドアを閉めてフルーツ泥棒に対抗するも、その語尾まみれのフルーツ泥棒は諦めなかった。
あるときは便器の中から現れ、またあるときは換気扇から現れ…。
そして、就寝中にもフルーツ語尾まみれの言語をメガホンで叫び睡眠を妨害してくるのである。
某海外アニメキャラをイメージすればわかりやすいかもしれない。
もはや謎のフルーツ泥棒から逃れるすべは無かった。
フルーツ泥棒の正体はかつての黄木あじみ。
事情を知る彼女はひびきと友達になってあげようと必死に接近しており、ずっと友達になろうと呼びかけていた。しかし彼女のセンスや言葉はあまりにブッ飛んだものだったため、一般的な感覚を持つひびきにはまるで通じなかったのである。
ひびきの乗る乗用車に勝るスピードで自転車で追いかけてくるあじみ。ひびきは逃れるためにヨーロッパラ中を駆け巡り、イパリアの美術館にたどり着いた。
そこであじみがレオナルド・ダ・ヴィンチの作品を目撃し興奮している間に振り切り、その間ひびきが髪をばっさり切ってくるくるヘアーを卒業したことによって2人の追走は終わったのだった。
だがこの事件によってひびきには更なるトラウマが植えつけられ、(あじみに悪意は無いのだが)「ぷり」などの変な語尾を聞く度に体がアレルギーに似た拒絶反応を起こすようになってしまった。
後にこの出来事を聞いたドロシー・ウェストと黒須あろまは、この事件を「完全にホラー」「悪魔の呪いより恐ろしい」と評している。
第3章・甦る悪夢
あれから、男子として間違われスカウトされたひびきは芸能界でトップスターとして登り詰め、最高のプリンスと呼ばれるまでになっていた。
信頼に値する執事もでき、自身が女性と世間に公表したひびきはプリパラの改革を行っていた。あの裏切りがあっても、プリパラへの愛は唯一変わらなかったのである。
そして82話。この頃にはぷりぷりうるさい才能無き者や「み~んなトモダチ」などと言う不快な思想を持つ者の追放に成功するなど、パラ宿のプリパラは自分の理想にかなり近い形になりつつあった。
そんな中で迎えたバレンタインデーの日、いつものように優雅にティータイムをしてくつろいでいたひびきのもとに一通の電話がかかってきた。そこで彼女は僕が出ようと言って自ら受話器をとる。
「紫京院です」
上機嫌で電話に応答したのだが、受話器から聞き覚えのある声が……
???「く る く る ち ゃ ん ?」
「……ッ!!?」
その一言を聞いた瞬間ひびきの身は凍りついた。
自分を「くるくるちゃん」と呼ぶ存在はアイツ……あの忌まわしきフルーツ泥棒の少女しかいないからだ。
「ジャンヌパイナップルでスイカッカッカッカジューシッシッシッシうふふフルーツなっしっしっシング久しぶりあんドリアン懐かしイーゼル…じゃなかった懐かしイチゴ!あじみラクルフルーツ確信もったのシナノゴールド!フロムプラムベルサイユ!久しぶりのふるさとの食べもの美味しくてお肌ピーチぴち!ポンカンのこと覚えてなイチジク?……(以下略)」
その後に間を置かずに放たれる、フルーツ語尾によるマシンガントーク。そして恐怖のフルーツ語尾に混じって聞こえる『ダヴィンチ』という語尾………!
その語尾を聞いた瞬間ひびきはようやく理解した。
……電話の相手があじみであり、あじみは語尾まみれ少女であり、語尾まみれ少女は電話の相手であり…。
ひびきは一気に恐怖の表情を浮かべ叫ぶのだった。
「安藤ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
「バリケードを築け!!!黄木あじみを近付けさせるな!!絶対…絶対に…!!」
「あんな奴…!!僕には用無しだぁぁぁぁぁぁ!!!!」
…以上が、ひびきを巡る一連の過去である。
詳細は紫京院ひびきの項も参照してほしいが、このように彼女の過去は凄まじい人間不信と語尾のトラウマに覆われていた。
そしてフルーツ泥棒こと黄木あじみという因縁の相手と望まぬ再会をしてしまったひびきは錯乱。ここからプリパラの2ndシーズンは佳境に入っていく事となる。
安藤「バレンタインの今日。ここに、ひびき様がご機嫌麗しかった日々は終わりを告げたのです。───嵐が、来ます。」