技の開発の秘話
当時、強力な打撃技を持っていなかったハルク・ホーガンがライバル兼盟友のスタン・ハンセンの必殺技のウエスタン・ラリアットを参考にして開発したのである。この名称は、それ以前から使っていた、肘を相手の額に当てる技「アックス・ブロー」とラリアットを組み合わせていることに由来しているという。
上述の通り、ラリアットを元に開発したため、ハンセンに許可を得なければならなかったが、「アックスボンバーは腕を曲げるので、ラリアットとは違うんだ」と説明したところ、ハンセンから「お前が使うんならエエよ」とOKされたのである。
掛け方
立っている相手に向かって走っていき、自らの片腕をL字に曲げてその内側部分を相手の顔面や喉元あるいは後頭部へめがけてぶつけていくというものである。走ってくる相手へのカウンターでも使われる。
難点としては、ラリアットとは違って2対1の場面で一方の相手をロープに振る際に、もう一方から妨害をされてしまうので、複数を相手にする試合では使いにくいのである。
なお、アックスボンバーはホーガンの主に日本におけるフィニッシュであり、海外ではレッグドロップをフィニッシュとしている。
主な使い手
技の創始者であり、この技で猪木を、有名な「舌出し失神状態」に追い込み、日本人では他にも、長州、藤波、天龍、ムタ、蝶野らを沈めた。
ホーガンのと違い、ドリー・ファンク・ジュニア式エルボースマッシュのインパクトをヒントに相手の下顎を狙ってアッパー気味に打ち抜く改良型で、後により効果的に体重を乗せられるようインパクトの瞬間に右足を振り上げる形に改良した。
ホーガンが日本マットでのフィニッシュムーブとして使用後、使い手は少なかったが、大森が決め技とすることで再び脚光を浴びるようになった。
派生技として秋山をわずか7秒で沈めた伝説の技である『ワイルドエクスプレス』や中西学との合体技『ワシントン条約』がある。
古くから使っていたが、最近ではリング上で片膝立ちの相手に対しての低空アックスボンバーや時間差ロープワークを使って撹乱してからのアックスボンバーを多用する。
余談
ホーガンは「ホーガン・ハンマーと呼んでくれ」とプロレス雑誌のインタビューで語っていたが定着しなかった。
おそらく(未確認ではあるが)はじめてこの技を受けたとされているアントニオ猪木は、これによりリング外にまで吹き飛び、数週間(数日?)は、おかゆのようなやわらかい物しか食事が出来なかったと、漫画『プロレススーパースター列伝』の中の回想で振り返っている。
ただし同作品は原作者の梶原一騎による創作が多数含まれているため、信憑性が疑われる部分もある。
甲虫王者ムシキングシリーズにおいては「プラティオドンネブトクワガタ」の肩書きとなっており、当人の必殺わざ「アクシズスピン」もプロレスにちなんだものとなっている。