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概要編集

田中芳樹の小説『銀河英雄伝説』に登場する自動防衛システム。


自由惑星同盟首都・惑星ハイネセンの衛星軌道に置かれた12個の無人惑星。

1個、1個が戦艦の主砲に匹敵する強大な火力をもつ無人要塞であり、惑星ハイネセンを守る最終防衛ラインとして長年にわたって機能していた。


が、救国軍事会議が起こしたクーデターに、叛乱軍唯一の制式艦隊である第11艦隊がイゼルローン要塞駐留艦隊に敗れると、惑星ハイネセンを支配していた叛乱軍は”アルテミスの首飾り”を発動させることを決断、


しかし、”アルテミスの首飾り”への対処法をあらかじめ考えていたイゼルローン要塞駐留艦隊司令・ヤン・ウェンリー大将は幕僚の反対を押し切ると、

建国の英雄・アーレ・ハイネセンの故事にならってか、無人のドライアイスの塊にロケットをつけて12個の”アルテミスの首飾り”に突っ込ませて破壊してしまった。


この想像を絶する作戦に救国軍事会議は抗戦を断念して降伏したが、12個すべてを破壊したことは自由惑星同盟防衛委員会主導によって開かれた「ヤン・ウェンリー査問会」の罪状の一つとなった。


破壊した意図編集

”アルテミスの首飾り”の破壊は、結果的に首都星ハイネセンの防御を無効化してしまう結果になったが、首都星が攻撃されると言う事は敵が他の星を制圧したと言う事を意味する。「他の星が制圧されてもハイネセンだけ生き残ればいい」という思想を生んでしまったのだ。救国軍事会議のクーデターもこの考えが前提にある。そもそも同盟領に敵を侵入させなければいいわけだし、それ以前に戦争を回避する政治的・外交的努力をするのが先決である。だが”アルテミスの首飾り”があるがゆえに、ハイネセンにいる政治家たちは安全な場所で戦争を鼓舞し、市民たちを兵士に駆り立てて危険な戦地に送り込むという形を生んでしまったのだ。

ヤンには”アルテミスの首飾り”を見るたびに「女神の咽喉にからみつく蛇」を連想していやな気分になったという。そのため、その気分とショック療法も兼ねて、衛星全てを破壊する事に決定したのだ。

しかし、この事は最高評議会議長ヨブ・トリューニヒトにとってはヤンを追い落とすいい口実となり、後に帝国軍がハイネセンに攻め入った際に無条件降伏の理由の一つに「ヤンの”アルテミスの首飾り”の破壊」を引き合いに出し、降伏を推し通してしまった。ただ、現在の帝国軍なら、”アルテミスの首飾り”があったとしてもいくらでも対処・破壊の方法があり、あまり意味がなさなかったともいえる。

なお旧OVA版では、帝国内の叛乱「カストロプ動乱」の際に惑星カストロプにフェザーンから取り寄せた”アルテミスの首飾り”を配置して防御していたが、鎮圧にあたったジークフリード・キルヒアイス少将は工作艦を用いて、衛星の攻撃範囲外で指向性ゼッフル粒子を散布し、衛星すべてを破壊している。もし”アルテミスの首飾り”が存在していたハイネセンに帝国軍が侵入しても、同じ方法で破壊されたであろう。

関連タグ編集

銀河英雄伝説 ヤン・ウェンリー 救国軍事会議(銀河英雄伝説)

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