概要
地の底より這い上がりし種族キトラルザスを統率する指導者的な存在。ビャッコらを束ねる首魁でもある。17話でスザクがセイリュウにブラックシンカリオンを動かす時期でない事を忠告した時に発せられた。
活躍
チームシンカリオンとの対決でE5が放ったグランクロスの直撃を受けた際、『捕縛フィールド』外から『黒い粒子』で干渉し強制退去させる。
その姿は大きく発生した黒曜石の玉座へ座り、ボロボロの白衣と、洋服を纏う年老いた長髪白髪の男で、首もとや足先には矢張り彼らと同じく鉱石状の結晶体が侵食。何故か両耳にはピアスが付く。
ブラックシンカリオンで戦闘するには早急過ぎるとセイリュウを諌めるが、戦闘以外にヒトを理解できないとする考えを改めさせる為にゲンブを介して認識させ、自分たちの能力を上回る人の持つ結束する力を分からせた上でドラグーンモードの使用を解禁させる。更には捨て身で戦う『シンカリオン運転士』達と対峙する途中で新たにバーサーカーモードへのモードチェンジカードを遠方からコクピットへ転移させた。E5×500に競り負けた際にも撤退を促し、彼ら4人に種族の衰退理由を述べただけでなく、進化から変化へ切り替えそれぞれに模索させる事も促している。
数年ぶりに帰還を果たしたトラメが地上に侵攻に赴きヒトに返り討ちに遭い本拠地に戻った際に自身らに対抗する力がシンカリオンだと伝えた。彼らからは『ドクター・イザ』とも呼ばれている(EDテロップでも同様)。
35話に於いて無数のマントル・イーターを撃破後、E5を一時的にも機能停止させて内部に乗るハヤトの頭脳に直接思念波を送って介入し、進化の先にいる人類として賛辞すると共に「生き残るのは我々だ」と布告。ハヤト自身は出水達にその出来事を報告するが敵意や悪意は無かったと述べている。
41話では5年ぶりにカイレンと直接面会。47話ではセイリュウを焚き付けたソウギョクに理由を問い、怒りに任せ復讐に走り暴走するセイリュウに「己の心のままに信じろ」と思念波を飛ばす。
しかし、既に手足の石化が徐々に進行しており、歩行もままならず玉座から1歩も離れられず寿命で力尽きる状況下にある63話で既に腕に亀裂が走り限界まで着ている。
正体
その正体は新幹線超進化研究所の創立者兼初代所長にしてシンカリオンの設計開発した科学者八代イサブロウその人。そしてE5はやぶさにシャショットを組み込みディープラーニングシステムを構築した生みの親でもある。
キトラルザスでありながら偽名で地上の研究所に潜入したのではとの声もあるが元々は地球人類の一員、れっきとした人間である。
地上にいた頃は紛れもなくヒトだったが、シンカリオンE2を使った「第1回超進化速度到達実験」に運転士として臨むも、突如起きた爆発事故により地底世界に試験車両と共に投げ出され瀕死の重傷を負い、キトラルザスに救われドクター・イザとなった。そこからブラックシンカリオンに生まれ変わったと推測され、セイリュウに与えた。
キリンには交渉に辿り着いても決裂するだけで共存は不可能だと一蹴したが、一見兵器とも思えるシンカリオンを研究開発し、ヒトとキトラルザス双方に与え、適合率100%を越えたシンカリオン運転士同士を精神世界に導き、対話する機会をもう一つの先住民族テオティを含め3つの種族の未来を彼らに委ねた。
真面目に反して何故変に知識が偏り、揺らぎや喜怒哀楽の激しいAIロボを造ったのも『シンカリオン』との完全な適合率を抑え真の目的へと誘う為でもある。本来ならば役目を終えて地底世界へと回収される記憶であったが、カイレンによって学び考えるシステムを、戦闘中に感情を削除状態にさせ機械的に殲滅するのに転用される。その明晰な頭脳から絶対的に『キトラルザス』に君臨し、誰一人信用しない性格を危惧し、抑止力として新たなシンカリオンE5はやぶさMkⅡを製造、フェイクのエージェントで誘き寄せ、拒絶を言い放ちながらも何れは譲渡する手筈であった。
だが、幾度となく失敗し続けても自身の元へと辿り着き、真相を知って絶望しながらもハヤトの「過去を過去として捨てず未来を見据える」来訪した甲斐と明確な答えに希望を見出し、スザクに機体のある格納庫へ案内させる。残った出水にはカイレンの野望を語るが、早急に決着をつけるべくルクスヴェテを攻撃用に大量消費し地底世界の崩壊を加速させられた為、出水に退避するよう促すが、残った真相の数々を聞きたい彼に「もう1人居る」と伝えたが、石化で動けないままに本拠地と運命を共にし、再び行方知れずとなる。
後に、出水はクラシキ重工がソウギョクと癒着し、地底世界の線路に繋がるトンネルを開通させていたことを知り、超進化研究所がこれ迄蓄積してきたシンカリオンの情報がリークされていたことを悟る。
余談
後期OP追加映像で右顔面がゲンブの如き鉱物に侵食されている素顔が明かされた。
名前の由来は聖獣ではなく日本神話に登場する伊邪那岐と伊弉冉尊ではと推測される。