概要
沖縄の民話に登場する妖怪で、この名はウチナーグチで「火をくわえて歩く犬」という意味であり、そのとおりの行動をする犬の怪異である。
単に犬を意味するインヌや、日野巌著の『日本妖怪変化語彙』という書籍の誤記が広まったインヌフィークーテアッチャンとも呼ばれる。
なお本土まで含めると、妖狐・化け狸の類いが起こすという怪火狐火や狸火、火柱を生じさせる貂(鼬)、青鷺が火を咥えて飛ぶという青鷺火(沖縄ではピーフキトゥリ)など獣妖怪や怪鳥が関わる怪火の伝承に事欠かない。
インヌが火を咥えるのも、このような伝承の系譜なのではないのだろうか。