概要
性別 | 牡馬 |
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生年 | 1997- |
血統 | 父:Red Ransom/母:Sacahuista(母父:Raja Bada) |
馬主 | ハムダン・アル・マクトゥーム→ゴドルフィン |
戦績 | 25戦8勝 |
最終的な馬主はドバイの競馬組織として知られるゴドルフィン。父レッドランサムは競走馬としては目立った戦績を挙げられなかったものの種牡馬としてエレクトロキューショニストらを輩出した名種牡馬で、母サカウィスタはBCディスタフを勝利した名牝。エクラールの半兄ヒューソネットは、これまた地味な現役時代ながら種牡馬として活躍を残している。
そんなエクラールはドバイのみならずイギリス、フランス、香港など世界各国を渡り歩きレースに出走し続けた競走馬だが、上記の通り日本のレースへは出走していない。
そんな彼が日本で知られる理由は、2001年に行われた第8回香港ヴァーズである。
日本からは善戦馬ステイゴールドがラストランとして出走していたのだが、そんなステイゴールドに対し、エクラールの馬主ゴドルフィンは雪辱に燃えていた。同年のドバイシーマクラシックにおいてゴドルフィンの有力馬にして当時世界最強馬と言われていたファンタスティックライトが、G2とはいえ地元で、それもG1未勝利の善戦馬に負かされたのである。
ステイゴールドにリベンジを果たすべく、前述のレースでファンタスティックライトの鞍上で当レースでエクラールの手綱を握るランフランコ・デットーリ騎手が取ったのは、逃げによる幻惑だった。ハイペースとスローペースを交えて後続を翻弄するという、近い世代ではセイウンスカイなどを連想させる走りからだが、「乗れば5馬身違う」と言われるデットーリの腕前は凄まじく、実際のレースの通過タイムは
26.0→24.4→26.0→24.2
とほぼ狂いなく、見事にハイペースとスローペースを展開させた。
最終直線に入る時には5馬身からどんどんと差を広げ、初のG1制覇となるかと思われたが、後続からただ一頭追いすがる馬がいた。そう、ステイゴールドである。
現役最後に、鞍上の武豊騎手すら驚く末脚に差し切られ、わずかに2着に敗れることになった。
その後の競走生活はまるでステイゴールドの後釜を担ったようで、イタリアの共和国大統領賞(当時G1)で2着などに甘んじ、条件戦などは勝てても大レースには勝てない。2002年にはジョッキークラブ大賞(当時G1)、香港ヴァーズ、ドバイシーマクラシックでG1で3戦連続3着を記録した。
そして迎えたラストランは2003年のイタリアのジョッキークラブ大賞。五頭立ての三番人気だったが、見事に一着入線、ラストランで初G1制覇という、まるでステイゴールドの後を追うような幕引きとなった。
引退後はイタリアで種牡馬となり、シャトル種牡馬としてニュージーランドでも供用された様子(正直海外のG1一勝馬となるとデータが少ないためあまり詳細なことは語れないのが残念だ)。
種牡馬としては、ヨーロッパではパッとしなかったがオセアニアではG1馬を4頭出している。ちなみに全て牝馬。
- シーズシンセーショナル(Shez Sinsational) - ザビールクラシック(新G1)、インターナショナルステークス(新G1)、オークランドカップ(新G1)、スプリングクラシック(新G1)など重賞7勝。母父にシンコウキングを持つ。
- エクストリーム(Ekstreme) - キャプテンクックステークス(新G1)など重賞4勝。
- ハビビ(Habibi) - ニュージーランドダービー(新G1)など重賞3勝。
- ライジングロマンス(Rising Romance) - オーストラリアンオークス(豪G1)など重賞3勝。
産駒が2019年まで当歳馬セリに出品されているので、少なくともこの前年までは存命で種牡馬をしていたようである。