概要
文武に秀でた名君であり、篤実な人柄から領民たちに慕われていた。エリウッドの尊敬する人物にして目指すべき姿であり、家臣であるフェレ騎士団の面々からの忠誠も厚く、リキアの盟主であるオスティア候ウーゼルとも懇意であるなど、よき領主、よき父、よき主君を体現した人物。
本編のリン編終結から約一年後、ラウス候ダーレンによるオスティアへの反乱計画に反対してラウス領を訪れていたが、ダーレンと結託していたネルガルとエフィデルに「強いエーギルの持ち主」として目をつけられてしまう。ネルガルによって護衛の騎士達はハーケンを残して全滅し、エルバート自身もリキアから遠く離れたヴァロール島へ拉致される。
エリウッド編とヘクトル編は、失踪したエルバートの行方を求めてエリウッドが捜索の旅に出るところから物語が始まる。
拉致されて以降も脱出のチャンスを窺っており、「エーギルを使って【竜の門】から【竜】を呼び出す」というネルガルの計画を知って以降は計画に必要なニニアンとニルスを島から逃がすなど、苦境にあっても気力を失わずネルガルをジャマし続けていた。
物語中盤、「黒い牙」の刺客を退けて救出に来たエリウッド達と再会を果たすが、脱出のさなか現れたエフィデルにエーギルを奪われて致命傷を負い、エーギルで覚醒したニニアンが竜の門を開放したことでエリウッド達も絶体絶命の状況に陥ってしまう。
ニルスの介入で事なきを得た後、ニニアン達を連れ去ろうとしたネルガルに最後の力を振り絞って不意の一撃を食らわせ撤退させるという活躍を見せるも、ついに力尽きて愛するエリウッドの腕の中で静かに息を引き取った。
結果的に見れば、彼のエーギルで竜の門が開いたことで【竜】の脅威とネルガルの野望はエリウッド達の知るところとなり、その対策をウーゼルやアトスが練る上でも彼がネルガルを負傷させたことで時間的にかなり余裕ができたなど、『烈火』のストーリーにおけるエルバートの貢献度は並々ならぬものであると言える。
「主人公の父親」「行方不明」「20年後の『封印』に登場しない」と山積みの死亡フラグを回避できなかった不幸な人物であるが、最後までリキアと家族を想っていた彼の意志は息子へ、そして孫へと受け継がれている。