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概要編集

カメ目オサガメ科オサガメ属。

現生種としては最大のウミガメで、大きさ2メートル前後。リクガメではガラパゴスゾウガメが一番大きいが、彼は1.5メートルなのでやっぱり一番。

オサガメ『カメの長』という名前はこのサイズ感から来ているが、リクガメはメイオラニア(2.4メートル)、ウミガメはアーケロン(最大4メートル)が最大なので、「全てのカメ類のなかで最大」というわけではない。しかし彼らの絶滅で必然的に順位も繰り上がり、今生き残っている連中では堂々の最大種となった。

さすがカメの長。


生息圏編集

適応力が強いようで、インド洋太平洋大西洋など熱帯や温帯~寒帯の海に幅広く生息。また後述する特徴からある程度深海にも対応でき、実に1000メートルも潜れるという。


特徴編集

仮にもカメなのに甲羅(甲板と骨甲板)が退化してしまっており、その代わりに小さな骨で補強された丈夫な皮膚で覆われている。背中に7本のキール(稜線。盛り上がった筋)があるのもポイントだ。

このおかげで水圧の変化に強く、また自力で熱を作り出せる(ある程度体温を保てる)のが深海仕様のヒミツ。しかし泳ぎに特化している代わりに陸に上がると自重で圧迫されてしまうというから、つくづく難儀なヤツである……。

それでも律儀に浜辺に上がって産卵を行うスタイルは堅持しており、卵は一度に50個から170個ぐらい生む。不要な塩分を排出するために泣いているように見える特性はもちろんこいつにもある。

 

また甲羅が退化したため防御力などお察しだが、それでも天敵はほとんどいない。やはりその大きさこそが最大の防御として機能しているのだろう(もちろん子供のときは他のウミガメと大差なく、生まれてすぐなど我々の手のひらに乗るような大きさだが)。


食事編集

主食はクラゲ類で、彼らを捕食するために発達したくちばしはかぎのように鋭く曲がり、口の中はトゲが密集するような形状に変化した。しかしクラゲは水分を差し引けばほんのわずかな栄養素(タンパク質など)しかないので、自分の体重に比例した量を食べなければ飢えてしまう。

さすがにクラゲオンリーではなく藻類や魚類なども捕食するらしいが、いかに省エネな爬虫類といえど、栄養価・カロリー双方からしてもそうしたものを食べない方がおかしいだろう。

ちなみにアーケロンやプロトステガといった先輩たちもクラゲだけではなくアンモナイトや小魚、海藻などを食す雑食寄りの食性だったとされる。

 

分類編集

現世種のウミガメの仲間は大抵ウミガメ科に属するが、オサガメ科はオサガメオンリーという珍しい仲間(というのもこの仲間はほとんどが大昔に絶滅し、オサガメしかいないのだ)。

 

なお見た目の似ているアーケロンはプロトステガ科で、白亜紀末に全滅したため彼らの末裔というわけではない。だがオサガメ科はプロトステガ科に近縁で、まったくの無関係でもない。

古くは彼らと同じ白亜紀後期の地層から化石が見つかっており、古代のスタイルを今に伝える生きた化石なのだ。


関連タグ編集

ウミガメ 爬虫類


瓶長:かめおさ。こちらは『瓶の長』だから瓶長。


レザーバックパシフィック・リムに登場するKAIJU。名前の由来の一つは本種の英名。

ナガスクジラの別名も同じレザーバックだが意味は「剃刀ような背中」スペルも違う。


ペニーワイズ:口の中が似てる。

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