概要
ガラパゴス諸島の草原から火山帯にまで広く生息するゾウガメの総称で草食性。リクガメとしてはトップクラスの大きさを誇る(ただし、世界で一番大きいリクガメはセーシェルに生息する近縁種のアルダブラゾウガメである)。
その名の通り、体重約300kgの象を思わせる巨大なボディが特徴的で、住んでいる標高や土地によって甲羅の形が大きく異なる。
例えば首付近の甲羅が大きく反り返った「鞍型」は植物の少ない場所に生活しているため首を伸ばす事に適しており、自分より高い位置にあるサボテンなどの餌を食べる。一方、東京ドームを思わせる形状の「ドーム型」は植物の豊富な場所に生息している為、鞍型のように甲羅が反り返っておらず、手近な草を食べる事に適している。また鞍型寄りでありながらドーム型の特徴を併せ持っている個体は「中間型」と呼ばれ、これらの特徴がダーウィンの進化論を後押ししたとされている。
繁殖方法は他のカメと同じ卵生で、寿命はカメなだけにかなり長命で、最大で175歳まで生きた記録が残っている。その長生きの秘訣は新陳代謝が遅いため、1年間飲まず食わずでも生きていけるから。おまけに肉食獣が全くいないガラパゴス諸島で生まれ育った為か、非常に大人しく、人間をあまり恐れない。そんな悠々自適な一生を送っている為か、道路にも平気で出てくる事があり、事故を防ぐ為に現地には道路標識が建てられている。
16世紀にガラパゴス諸島に人間が上陸して以降、食用にされたり、ヤギやネズミなどの外来種に島を荒らされるなどして数を大幅に減らしていたが、現在では回復傾向にある。
亜種とされる種にはピンタゾウガメがいるが、こちらは「ロンサム・ジョージ」(ひとりぼっちのジョージ)と名付けられた個体が誰とも子を成す事なく死去した為、絶滅認定されてしまった。
ちなみに「ガラパゴス」自体がスペイン語で「亀」を意味する為、和訳するとカメゾウガメという変な名前になる。
種類
元々は、亜種とされていたが、2000年以降は各亜種が独立種とされ、ガラパゴスゾウガメ種群を成すと考えられる様になった。
然し、2021年の研究で、遺伝子の分割を調べた結果、分割は浅く、ガラパゴスゾウガメ種群の間で似ていた事から、独立種ではなく、亜種と再びされる様になった。
- ウスカワゾウガメ
- エスパニョラゾウガメ
- ギュンターゾウガメ
- サンクリストバルゾウガメ
- サンサルバドルゾウガメ
- セロアスールゾウガメ
- バンデルブルグゾウガメ
- ピンタゾウガメ
- †フロレアナゾウガメ
- †フェルナンディナゾウガメ
- ベックゾウガメ
- Chelonoidis niger donfaustoi
- Chelonoidis niger duncanensis
- Chelonoidis niger porteri
- サンタフェ島のゾウガメ Chelonoidis niger 'Santa Fe Island lineage' (未記載種)
- ラビタ島のゾウガメ Chelonoidis wallacei - ギュンターゾウガメと同亜種とする説もある。