曖昧さ回避
1.ヒトデの一種(本稿で解説)
2.『仮面ライダーV3』に登場する怪人の名称→オニヒトデ(デストロン怪人)
3.『それいけ!アンパンマン』の登場人物・ばいきんまんが開発したバイキンメカの一つ
概要
棘皮動物門ヒトデ網アカヒトデ目アカヒトデ科オニヒトデ属に属する猛毒を持つ大型のヒトデ。
体の下にある口からは胃袋をげろんと吐き出し、胃液でサンゴを溶かして石灰層の上のポリプと呼ばれる部分を根こそぎ食い散らかしてしまうため、オニヒトデの通った後にはサンゴの死骸しか残らない。体も大きく30㎝ほどもあり、身を護るために全身に猛毒の棘を生やしている。刺されれば激痛が走り、最悪アナフィラキシーショックで死に至るほど。
サンゴに比べて水温上昇に強いため、地球温暖化での増加ならびにサンゴの食害について懸念されており、沖縄などでは駆除の対象となっている(手塚治虫の短編漫画『海の姉弟』では主人公から宇宙人呼ばわりされていた)。
他のヒトデ同様再生能力はあるが、バラバラにされると再生能力が追い付かなくて死ぬという。
サンゴの中でも成長の早い種を好んで食べるため、本来は珊瑚礁の生物多様性を維持する役割を担っていると推測されている。
(オニヒトデが成長の早い種を食べることで成長の遅い種が成育できる余地が生まれる)
天敵はホラガイ。ただし食べるのが非常に遅い(消化するのに1週間かかる)上にオニヒトデだけを食べるわけではないことや、オニヒトデに比べて水質汚染に弱いため対策には向かない。他に天敵としてフグの仲間やフリソデエビというエビの一種(大量発生の原因は水質汚染でこのエビの数が少なくなるからという説がある)など、サンゴと共生関係にあるサンゴガニというカニに棘を切られてつまみ出されることもある。
特定のたんぱく質を出して仲間を引き寄せる性質があるため、この物質を人工的に作り出して呼び寄せてから駆除する案もある。酢に弱いため、酢を体内に注入する方法も取られている。
商業価値は肥料にするくらいしかなかったが、近年の研究でオニヒトデの分泌液には魚の成長を促進する成分が含まれており、これを利用した飼料開発により、養殖魚の病気の抑制や養殖漁業を効率化に役立つのではないかと期待されている。
ヒトデの仲間は基本的に食用には向かず、特にこのオニヒトデは有毒という事もあって台所に並ぶなど当然有り得ないのだが、実際に食べてみた人がいる(外部リンク)。
味は上記のリンク先の記事を読んで頂ければ分かるが、腕の部分は苦味と渋味しかないえげつないもので、本体の部分も「食えない事はない」程度のレベルで美味しいとは言いがたい。しかも上記の記事作成者は完食後に喉に異常を感じている。
このように煮ても焼いても食えたものじゃないゲテモノなので、いずれにせよ手を出すのはオススメできない。