概要
ソ連の天文学者ニコライ・カルダシェフによる、宇宙文明の発展度を示す尺度。
人類がどの程度のエネルギーを使用・制御できるかという視点で段階分けされている。
人類の文明がこのまま順当に発展すると、いずれは惑星だけではなく周囲の星々や、ひいては銀河全体のエネルギーを使用できるようになるかもしれない…が、人類は1段階目すら到達していないと言うのが現状である。
フェルミのパラドックスと関連付けて話題にされることもある。
人類が宇宙人と遭遇することができないのは、生命誕生からカルダシェフスケールの最高段階までの過程に乗り越えるのが困難な障壁(グレートフィルター)があるためであるという考え方である。
この場合、少なくとも地球のある銀河系にはタイプⅢ以上の文明は無いことがわかる(銀河を支配しているような文明があれば人類も当然気づくため)。
一覧
ニコライ・カルダシェフが考案したのはⅠ~Ⅲまでの3段階だが、その後Ⅳ以上の文明も考案された。
タイプⅠ文明
母星(惑星)すべてのエネルギーを使用・制御できる文明。前述の通り、人類は未だ地球のエネルギーすら全て使用できていない。
タイプⅡ文明
恒星のエネルギーをすべて使用・制御できる文明。地球の場合は太陽にあたる。
現人類が使用できている太陽エネルギーは極微量であり、全てのエネルギーを無駄なく使用するにはダイソン球などの人工建造物が想定されている。
また、この文明では反物質からエネルギーを生み出すことが想定されている。
タイプⅢ文明
銀河のエネルギーをすべて使用・制御できる文明。地球の場合は銀河系にあたる。
この文明ではブラックホールからエネルギーを生み出すことが想定されている。
タイプⅣ以上
タイプⅣ以上の文明はSF色が濃く、また提唱者によって分け方も異なる。
大まかに分類すると、タイプⅣは超銀河団を支配する文明、タイプⅤは宇宙全体を支配し多元宇宙への進出が可能になった文明、それ以上は宇宙創造すら行える神に等しい文明とされる。
また、文明発展度を宇宙進出というマクロな視点ではなく、分子→原子→素粒子…などミクロな世界の方面から段階分けするという考え方もある。