概要
1980年代～90年代にかけてF1で活躍したレーシングドライバー。愛称は「ガーディ」、日本では古舘伊知郎が実況時に名付けた「第2のニキ・ラウダ」「地獄からの帰還兵」「女好きのチロリアン」「スピードと快楽のシンドバッド」が親しまれている。
プロフィール
| 出身地 | オーストリア |
|---|---|
| 性別 | 男性 |
| 誕生日 | 1959年8月27日 |
| F1初参戦 | 1984年第12戦オーストリアGP |
| F1最終参戦 | 1997年第17戦ヨーロッパGP |
| 在籍チーム | ATS・アロウズ・ベネトン・フェラーリ・マクラーレン |
| 優勝回数 | 10回 |
| 特技 | スキー |
人物
明るい性格の人物で、F1で3度チャンピオンになったアイルトン・セナの数少ない親友の1人である。10勝したレース全てが記録よりも記憶に残る勝利というドライバーであった。
経歴
1984年のオーストリアGPにBMWエンジン搭載のATSチームよりF1初参戦。翌85年からアロウズでフル参戦を開始。
86年より、新興勢力だったベネトンに移籍。第3戦サンマリノGPで初表彰台、第15戦メキシコGPで自身にとって、またベネトンにとっても初優勝を飾る。この成績が評価され、翌年からは名門フェラーリへ移籍。
87年に第15戦で鈴鹿サーキットで開催された初の日本GPでフェラーリに2年ぶりの勝利をもたらすと、続く最終戦オーストラリアGPもポールトゥウィンで連勝。88年はフェラーリのお膝元であるイタリアGPで自身4勝目を挙げるが、これはこの年無敵の強さを誇ったマクラーレン・ホンダが唯一勝てなかったGPだった。
89年、この年はベルガーにとってキャリア最大の危機的な年と言ってもおかしくなかった。第2戦のイモラ・サーキットで開催されたサンマリノGPにて、当時は高速コーナーだったタンブレロコーナーで大クラッシュ、炎上事故にあったのだった。火傷の大怪我を負うものの無事復帰を果たし、13戦ポルトガルGPで復活優勝の5勝目を記録(このレースでは、チームメイトのナイジェル・マンセルが3周も黒旗無視をした末に、セナを撃墜する様な形でクラッシュしている)。この年は15戦中、完走はたったの3回しか出来なかったがそれでも優勝する意地を見せた。
翌90年からは名門マクラーレンに移籍し、セナとチームメイトになるもこの年は未勝利に終わった。91年は第15戦日本GPでセナに譲られる形の6勝目を挙げるが、レース終了後に物議をかもした。92年はマンセル&ウィリアムズが圧倒する中、第7戦カナダGPでマクラーレン移籍後、初めて自力で掴み取った7勝目、当時はアデレードで開催されていた最終戦オーストラリアGPで第2期ホンダ最後の勝利となる自身8勝目を記録した。
93年より当時低迷していた古巣のフェラーリに復帰するもこの年は未勝利。しかし94年はドイツGPでフェラーリにチーム4年ぶりの優勝をポールトゥウィンという形でもたらし、「フェラーリを2度復活させた男」とこのGPの実況担当だった塩原恒夫アナに言われた。
↑フェラーリ412T2を駆るベルガー
96年からは、フェラーリのチームメイトだったジャン・アレジと共に、ミハエル・シューマッハとの2対1のトレードの形でベネトンへ復帰。97年第9戦ドイツGPで通算10勝目を達成。10勝目は父親を直前に亡くした状況での勝利、この年での現役引退を発表していたベルガーとしても自身最後の優勝、更にこの勝利が2001年末でルノーに買収される形で消滅したベネトンF1にとってもチーム最後の勝利となった。
引退後
引退後は、家業の運送屋をやりつつモータースポーツの役職もこなしている。また時折、日本へ来て鈴鹿サーキットでのイベントで、かつてマクラーレンでドライブしていた当時のF1マシンもデモンストレーションで走らせる等、元気な姿を見せている。
その他
フジテレビのF1中継番組で、レースで優勝した時にドライバー別のテーマ曲が流れたのだが、その曲はなんとセガのゲームミュージックを手掛けるS.S.T.BANDの「TACHYON」が使用された。ちなみにS.S.T.BANDは、同じ時期にウィリアムズで活躍したリカルド・パトレーゼの勝利テーマ曲も手掛けている。
また、フジテレビF1中継で実況担当の一人であった馬場鉄志アナウンサーはベルガーが勝利したレースの半分にあたる5レースで実況しており、ベルガーと相性がいいとファンの間でネタになっていた。
