概要
ゲーム本編におけるシャドウリンク(もしくはダークリンク)の行動はこちらを参照。
主に漫画版について掲載。多くが古い作品のため現在では入手困難である。
物語の要点やネタバレまで含めて記載しているため、これから読みたいという方は閲覧注意。
いずれも作者なりの独自解釈によって描かれるため、ゲームとは異なる独自の設定が施されているのが特徴。原作との混同に注意。
また、ダークリンク、シャドウリンク以外の別名称の場合もあるが、本項目ではそれらも扱う。
コミカライズ
リンクの冒険(乱丸)
「お前の動きは読めているのだ。何しろオレは…お前なのだからな!!」
「ハイラル王が見せた夢の中」という形でリンクの夢に登場している。
勇気のトライフォースを手に入れたリンクは仮面王を名乗ってハイラルを支配。仲間だったビリーをネズミの亜人に変身させ、更には捕らえたゼルダ姫に「お前をこの世で最も醜いものに変身させてやる」と言い放つ。
……と言うところで目を覚ましたリンクは、ハイラル王が戒めとして夢を見せたのだと悟るのであった。
そして終盤。最後の試練として邪悪なリンクが登場する。その姿形は、まさに夢の中で見た“仮面王”そのものだった。
正体は、リンクの悪い心が実体化した存在。邪悪な顔つきに色違いの服を着ていることを覗けばリンクと同じ。しかも一方がダメージを受ければもう一方もダメージを受けるという厄介な特性がある(勝った方が相手を吸収して完全回復する)。
リンクを圧倒しながらこれまでの冒険でリンクの仲間たちが死んだことを告げ「今のハイラルにはおいぼれとガキばかりだ。これでもまだ守る物があるのか!? まだお前をささえる物があるというのか!?」とトラウマを刺激しながら攻め立て「今のハイラルには征服者こそ必要なのだ!! トライフォースはオレがいただく」とリンクにトドメを刺そうとする。
しかしリンクの相棒のオウム・ワットが我が身を挺してリンクを庇う。
ワットから「オマエガ、ホントノリンクダ」と聞かされたリンクは奮起。老人たちが築き、子供たちが受け継ぐ未来……仲間たちが命を懸けて守り抜いたもの……そのために戦うと決意する。
すぐさま形勢は逆転し、邪悪なリンクは一刀両断にされる。それでも不死身のため死ななかった。しかし格付けは済んでおり、リンクから「消えろ!!」と怒鳴られたことで卑屈で臆病な表情のまま消え去った。
リンクの中にある悪い心……それは、仲間のいない今のハイラルを守る価値があるのかという疑問と、トライフォースの力を我が物にしようとする独占欲だったのかもしれない。
ちなみにシャドウリンクとのバトルはコミックス化していないため現在では閲覧不可に近い。また終盤に戦うがラスボスではない。
リンクの冒険(みなづき由宇)
名称はブラック・リンク。台詞は一切ない。
ゲームと同じくラスボスを務める。リンクの悪い心を持った分身であり実力も互角。
外見はゲームとは異なり、リンクと同じ容姿で服の色が違うだけ。台詞は一切ないが余裕ぶってニヤリと笑うなど感情はあるようだ。
当初はリンクの攻撃を盾によって完璧に捌いて反撃し一気に優位に立つ。しかし何の迷いもなくリンクを殺そうとしたことから「相手を倒すために戦っている殺人マシンに過ぎない」と見抜かれる。
相手を殺すために戦うだけの偽物と、大切な人たちのために戦う本物。どちらが勝つかなど既に分かり切っていた。
ブラック・リンクは盾を破壊されたことでリンクの攻撃を捌けなくなり、最期は渾身の突きによって消滅した。
リンクの冒険(未将崎雄)
ガノンの分身がリンクの姿を模した存在に変身している。リンクを倒すべく罪もない人々や古代遺物ホワイトソードを吸収して力をつけてから襲いに来たが、リンクとゼルダ姫の合体攻撃(極大剣ビーム)で撃退された。
詳細は別記事にて。
魔性の影(高長歩)
「ムダだ!! 俺はお前と同じ力をもっている!!」
リンクが安置された勇気のトライフォースに近づくといきなり出現。
最初は地面から生えた大きな腕の姿をした形態だったが、勇気のトライフォースを横取りするとリンクの姿を象り始める。
その正体はリンクの影。リンクが左手の甲に宿す力と知恵のトライフォースを奪い取ることで三つの黄金を揃え、それを利用してハイラルの征服を果たそうとする。
当初はリンクに手を組まないかと持ち掛けるが、拒否されたことで戦闘となる。
優位に立った戦闘を繰り広げるが、トライフォース同士が共鳴を起こしたことで怯んでしまう。斬撃を放とうとしたものの肉薄したリンクの剣に弾き飛ばされ、最期は一刀両断にされて消え去った。
時のオカリナ(姫川明)
「どれくらい強くなったか見てやろうか…。フフフ」
上巻のカカリコ村にて対決。
人の姿を取る魔物であり、リンクを狙って村に潜み、井戸の底から出現すると「自分自身にやられるがいい!」とリンクに襲い掛かる。最初はリンクを苦戦させるが、インパから「そいつは今のお前のコピーだ」とアドバイスをされたことで逆転される。そこで馬を生み出して騎馬戦を挑むも、エポナの助力を得たリンクには及ばず「自分自身を乗り越える」形で倒された。
動きはゲーム版準拠で、「剣の上に飛び乗る」といったアクションが描かれた。
…あとコイツが井戸の底から現れたせいで、ボンゴボンゴがボスキャラで唯一出番がなかった。ボンゴボンゴ涙目。
4つの剣+(姫川明)
「オレたちふたりがタッグを組めばこんな小さい山じゃなく、世界の支配者にだってなれる!」
敵側の主要キャラクターとして登場。ガノンが闇の鏡から生み出した「闇の世界のリンクの写し身」。
リンクの影のため光を忌み嫌い、リンクを敵視している。一方でゼルダ姫に対する独占欲を持っていたり、「仲間」というものを欲している。特に自分と最も近しい性格をしているとして紫(ヴィオ)を仲間に引き入れようとした。
グフーのことは「俺が復活させてやった。いずれはまた封印して俺が世界を征服する」と口にしており、仲間意識は微塵もない。逆にガノンは強大過ぎて手が出せないと諦めている。
作中で一度は消滅させられるも、ガノンによって復活させられる。もう光の当たる場所に居たくないと拒否するも無理やり戦列に立たされる。
だが、ゼルダ姫からの言葉で自身もリンクの一員であるという事を自覚し離反。自分とグフーの力の源であった闇の鏡を破壊することで諸共に消滅する。
その最期の姿から四人のリンク達から仲間であると認められた。
歴代ダークリンクでも珍しい「ギャグもできる」という性格のためか、巻末のオマケ漫画ではネタキャラ扱いされている。
トワイライトプリンセス(姫川明)
「戦えない勇者など誰にも相手にされない。友にも神にも見放された。
だあれもおれのことを助けちゃくれない。おれは、存在する価値もない人間だ」
6巻~7巻に掛けて登場。邪悪な笑みを浮かべたりするなど不気味な雰囲気を醸し出している。
本作でのダークリンクの正体は、リンクが心の奥底に抱えた闇(リンクの心の一部)である。
リンクはマスターソードと勇気のトライフォースの相乗効果によって超人レベルの強さを手にし、敵を圧倒する快感に酔い痴れるようになる。だがこれは勇気のトライフォースが影響した心の暴走であり、果てには心の闇が具現化してダークリンクが現れるようになってしまう。
本作のリンクは“運命に翻弄される若者(望んでその立場になったわけではない)”という面が強調されており、ダークリンクの正体もそれに対する負の感情の表れである。
結末に関してはこちらを参照。
ゲームブック
魔界からの逆襲
名称はブラック・リンク。台詞は一切ない。
リンクの冒険の後日談。ガノンの怨念によってリンクとゼルダ姫は数百年前のハイラルへと飛ばされてしまい、ガノンに拉致されたゼルダ姫を助けるべく大神殿を目指す。
その道中、ガノンによってブラック・リンクが差し向けられる。相手を殺すことに徹する非情な戦闘マシンということでためらいが一切なく、技量もリンクの上を行っていた。しかもブラック・リンクはリンクの分身でもあるため、ダメージを与えればリンクにも苦痛が伝わってしまう。
これらのアドバンテージからリンクを圧倒していたが、リンクも対抗するべく心を鬼にし、ブラック・リンクに対する闘志のみを高める。
それを感じ取ったブラック・リンクは怯懦。その間隙を突いたリンクの一閃によって切り捨てられ消滅した。リンクは死を覚悟していたが、幸いにも死のダメージが伝播することはなかった。
暗黒トライフォース伝承
バトル面のラストボスとして登場。名称はブラック・リンク。台詞は一切ない。
闇を崇める一族に伝わる「邪のトライフォース(ブラックトライフォースとも)」がリンクを吸い込んだことで変化した存在。リンクが抱く負の感情(ガノンへの怒り)と生命力を奪ったことでこの姿となった。
黒幕である闇の司祭によって従えられ、リンクを吸収している間にハイラルを支配してしまう。しかしリンクは、ゼルダ姫のネックレスの力によって命を得て復活しブラック・リンクの体内から脱出する(ネックレスを売却していた場合は脱出出来ないためゲームオーバーになる)。
ブラック・リンクの強さはリンクを上回っており、しかもゼルダ姫に憑依して剣を向けて来た。
ここで選択肢が発生する。
ゼルダ姫との対話を選ぶと自害すればブラック・リンクも消滅するとリンクが気づき、自ら命を絶ってゲームオーバーとなる。
逆に闇を封印する呪文を思い出せればブラック・リンクを封印して邪のトライフォースに戻してハッピーエンドとなる。闇が封じられたことで属性が光に代わり、勇気のトライフォースへと生まれ変わる。
なお、いずれの結末でも黒幕はリンクによって倒される。