演:飯田基祐
概要
ゴッカンの元医師。15年前、妻であるゴッカン前国王カーラス・デハーンを殺害した罪で終身刑を宣告され、服役中。
リタ・カニスカが10歳にして初めて裁いた罪人である。
年に1度、服役囚の主張を聴く『供述聴取会』のために、リタの前に引き出されているが、「長らく夫婦を続けていると愛が憎しみに変わる事もある。この国に多数いる犯罪者から譲り受けた毒で殺し、死体はゴッカンの永久凍土に隠した」という動機・手口を、ずっと繰り返し供述し続けていた。
一方リタは、「15年前に発生した大災害『神の怒り』は人が起こした事件であり、自分の両親はその時ゴッドスコーピオンの毒を用いた何者かに殺された」というヒメノ・ランの主張が気になっていた。
シロンの事件と『神の怒り』が起きたのが15年前、両者とも犯行に使用されたのは毒という奇妙な符合に気付いたリタは、シロンが使った毒の解析をヒメノに依頼する。案の定それはゴッドスコーピオンの毒であり、「お前はヒメノの両親を殺した人物と繋がっている」と看破されたシロンは真実を語り始めた。
シロンとカーラス夫妻は、『神の怒り』を起こした人物を突き止めたが、その罪は法では裁く事ができないものだった。その為カーラスは自ら王の座を降り、自らもろとも彼を氷漬けにする「氷の秘術」で犯人を封印した。ゴッカンの絶対中立を守り、法で裁けぬ悪を裁くには、その決断を隠し通すしかなかったのだ。
そしてカーラスは殺されたふりをして姿を消し、シロンは国王殺しの汚名をあえて被って服役した。いつかリタが毒の秘密を暴いたらこの真実を明かすと心に秘めたまま。
「気弱で臆病で、何をするにもおっかなびっくり。だから大事なところは間違えない」と、リタにならば後を託せると判断した2人は、当時10歳の彼女を国王に指名したのだった(事実、カーラスの手紙をペンダントに入れて持っていた)。真実を知ったリタによって無罪判決を下されたシロンは、カーラスの居場所を探して旅立って行った。
その直後にヲゲラジームの襲撃を受けるも間一髪の所でリタに助け出された。しかしその動向はカメジム・ウンカには引き続き追跡されており、2年の時を経てカーラスを雪山で発見するも、共に封印されていたグローディの解放を目論んだカメジムによって殺害・始末されてしまった。
余談
名前の由来はモンシロチョウと思われ、妻のカーラスの由来であるカラスアゲハと対になっている。
また、裁判における「白黒つける」のイマージュとする見解もある。
東映公式サイトによれば、「元はイシャバーナの高貴な医者であったが、カーラスと恋に落ちてゴッカンに渡った」という裏設定がある。ゴッカンでは性別公表秘匿の鉄則上、婚姻を結べば全国へ確実にバレてしまう筈だが問題は無いのだろうか…
演者の飯田氏は特撮作品においては『仮面ライダードライブ』の仁良光秀以来の出演でありスーパー戦隊シリーズでの出演は本作が初。また、カーラスを演じる吉井怜氏も同作で沢神りんなとして出演しており、奇しくも仮面ライダーの共演者がスーパー戦隊シリーズで再共演することとなった。
また仁良は、個人的な動機による過去の殺人の秘密を隠したかなり悪辣な性格の人物だったが、シロンは国の為に無実の罪を敢えて被った善良な人物という、対照的な設定になっており、同時にこれまで東映の特撮作品に出演した際には、仁良をはじめ悪役ばかり演じていた飯田氏であったが、今回のシロン役で初めて善人役を演じる事となった。