概要
白亜紀前期のブラジルに生息したアベリサウルス科の獣脚類で、2020年に記載された。属名は「幽霊の狩人」を意味するが、これはこの恐竜の化石が竜脚類のタプイアサウルスの化石の下から予期せず発見された事に由来する。
見つかった化石は頭骨に仙椎、腰帯と後肢が完全で、部分的ながらも尾椎や頚椎なども産出しており、白亜紀前期産のアベリサウルス科としては最も良好な標本とされている。推定全長は2〜3m程と、アベリサウルス科としては小型だった。
原始的な形質と派生的な形質のユニークな組み合わせを持つ事から、最古の種とされるエオアベリサウルスと、カルノタウルスなど白亜紀後期の派生的な種を結ぶミッシングリンクである可能性が示唆されている。
しかしエオアベリサウルスには「アベリサウルス科の祖先ではない」という意見もある事や、原始的な種と白亜紀後期の派生的な種との間には大きな形態学的ギャップがある事などまだまだ研究が必要な点も多い。