スーパーパイロット
すーぱーぱいろっと
「アセム……スーパーパイロットになれ……！ 誰よりも、この俺よりもすげぇ、宇宙一のパイロットにな！ 期待、してる、ぜ……」
優秀なXラウンダーである友・ゼハートや父・フリットとの力量の差に悩むアセムは、敵パイロットから鹵獲したミューセルを使用して無理矢理Xラウンダーの力を得ようとするものの、その禁断の力に自身の脳が耐え切れずに、戦闘中に意識を喪失してしまう。
その事をフリットに咎められたアセムに、ウルフは「Xラウンダーではなくスーパーパイロットを目指せ」と諭すのだった。
その後の戦いでデシルの攻撃からアセムを庇ったウルフは、再度アセムに自身をも超える宇宙一のスーパーパイロットになるよう激励と期待を言い残して戦死する。そして怒りに燃えるアセムはダブルバレットの性能をフルに活かしてデシルを圧倒。
「何故だ！？ 動きが読めない！？ 何故だ！？ Xラウンダーでもないクセに！！ お前は、何なんだぁ！？」という驚愕と狼狽を孕んだデシルの問いかけに対し、アセムは涙に震える声で決意と共に堂々と宣言した。
「俺は…俺は……スーパーパイロット… アセム・アスノだぁっ！！」
そしてデシルの乗機であるクロノスの四肢をビームサーベルで次々と切り裂き、胴体を縦に一刀両断。
更に止めと言わんばかりにバラバラになったクロノスをツインドッズキャノンで打ち抜いて消し去り、父の代から続いた仇敵を完膚なきまでに撃破した。
こうしてアセムは、Xラウンダーへの拘りという名の呪縛から完全に解き放たれ、ウルフの遺言を胸にスーパーパイロットとしての道を歩み始める。
このアセムの戦闘シーンはBGMの「ガンダムAGE-2～運命の先～」も相まってガンダムシリーズ屈指の神戦闘シーンとして非常に人気が高い。その人気は、たとえAGEという作品全体としては自分に合わなくとも、ここの戦闘は好き・カッコイイと評価する人もいる程。
シリーズ構成の日野晃博氏が言うには、Xラウンダー＝先読み能力を持った特殊能力者パイロット。スーパーパイロット＝技術や経験、反射神経によって、特別に高い力を発揮できるパイロットということらしい。
第3部でアセムが「キャプテン・アッシュ」として再登場したときも、「スーパーパイロットをなめるなよ」と発言しており、今なおその名への誇りとウルフへの尊敬を抱いていることが窺える。
「相手がXラウンダーなら、こっちはスーパーパイロットだ！」
「何ですそりゃ」
「今考え付いた」
Xラウンダーにおびえるマックスを笑い飛ばしながらウルフが答えたセリフである。
アニメ版と同様にXラウンダーとの力量の差に悩んでいたアセムであったが、
さすがにこの時点ではその返答に言葉を濁していた。しかし…
「お前はお前でいいんだ。フリット・アスノになんかならなくてもいい。
お前にはあいつにないものがいくらでもあるじゃないか。
ダチがいて、ガールフレンドがいて、幸せな思い出があって、オレ様のような立派な師匠もいる
――アセム――――スーパーパイロットに、なってみちゃあどうだ？」
それが、ウルフの最後の言葉だった。
（オレはXラウンダーじゃない）
（けれど、オレの心の中には、ガンダムの中にはウルフさんがいる。死んで行った人たちの魂がある。
スーパーパイロットか、いいじゃないか）
戦場という現実の中で、自らの小ささを認め、凡人であることを理解し、仲間とともに戦うことを選んだアセムには、もはやXラウンダーであるかどうかなど関係のないことだった。
突然変異の才能になど依存しない。誰にでも出来る、誰にでも到達できる、血反吐を流して培った技術と経験と仲間達と人々の祈りを乗せてXラウンダーを凌駕する存在。
それがスーパーパイロットである。
大きな違いはないが、アニメ版ではウルフが2部で唐突に言い出した（上述の小説版での描写はこれを受けてのもの）名前だが、ゲームでは1部の時点で何度も頻繁にこの名前を使っており、唐突さを感じないようになっている。
Gジェネレーションでは
アセム専用の固有アビリティとして登場。
全武器の攻撃力が固定値で上昇し、さらにHPが少なくなれば少なくなるほど攻撃力に追加でボーナスがつく。
全キャラ中でも最後の最後に習得できるアビリティだけあって非常に強力。
クロスレイズでは敵の撃墜数に応じて攻撃力が上がる仕様に変更。元から強力だったスキルだが、勝てば勝つほど強くなるという、よりゲームシステムと噛み合った強力無比なスキルになった。
スーパーロボット大戦BXでは
キャプテン・アッシュとなったアセムの専用スキルとして登場。
こちらでは命中・回避・ハイパーブースト（いわゆる分身）の発生率が上がるのだが、気力が上がるのにつれてさらにパワーアップするタイプのスキルになっており、「気力限界突破」スキルの付加によってさらに気力が上げられるようにすると、補正値が爆上がりしてXラウンダーどころかニュータイプやイノベイターすらも裸足で逃げ出す全スキル最大の補正値（命中と回避の補正値はなんと最大プラス５０！）を得られる。おまえがナンバー1だ！
きっと、かの白い狼も草葉の陰で彼の成長を喜んでいることだろう。
