概要
じん(自然の敵P)によるカゲロウプロジェクトのキャラクター、セトとマリーのカップリング。
セトは名前が公開されるまで長らく「フォレス男」と呼ばれていた為、フォレマリとも称されていた。
他人との会話が極端に苦手だった少年、セトと、
人間とメデューサのクォーターの少女、マリー。
数年前に出逢った二人は、お互いがお互いに救われている。
「想像フォレスト(空想フォレスト)」において
メデューサの血を引いて生まれたマリーは、外の世界に憧れながらも家から出ることができずにいた。
やがて父親が寿命で死に、母親のシオンも幼いマリーを守って亡くなってから、マリーは改めて自分が「化け物」だと自覚して家に閉じこもったまま一人きりで過ごしていく。
そんな彼女の元に突然訪れたセトは、「世界は案外怯えなくていいんだよ」と義理の姉も語った言葉でマリーを優しく諭し、泣き出してしまった彼女に音楽プレーヤーで音楽を聴かせて自分の白いパーカーを渡す(ちなみにマリーは貰ったパーカーに薔薇の刺繍などリメイクを施して、今でも愛用している)。
そしてセトはマリーを外の世界へと連れ出した。
セトはマリーにとっても大切な居場所になるメカクシ団の仲間達と出会うキッカケであり、彼との出会いはマリーにとって救いであった。
「少年ブレイヴ」において
他人と話すことが苦手で周囲から虐められていたセトは、一匹の子犬しか友達がいなかった。その子犬と「言葉じゃないところで話がしたい」と願った彼は、 無差別に「他人の心理を盗み取れる」ようになってしまう。
セトは閉ざしても拒んでも聞こえてくる人間の心の声にすっかり怯え、逃げるように駆け出した末、助けを求めるような心の声を聴いて森の中に迷い込んだ。
そこで出逢ったマリーは昨日の自分と同じように世界に怯えていて、彼は自分自身に言い聞かせるようにしてマリーを諭す。
この出逢いによって今まで暴走していた能力をコントロールできるようになったセトは、以前までの臆病な自分から一歩前に踏み出した。
マリーとの出会いで勇気を抱けるようになり、セト自身もマリーに救われた。
本曲のMVはニコニコ動画にはアップロードされていなかったが、カゲロウプロジェクト初のMV集である「MEKAKUCITY V's」に本曲の新作MVが収録されたのでセト視点からマリーとの出会いがどういうものだったのか想像フォレストとは違う目線で読み取ることができる。
「アウターサイエンス」「マリーの架空世界」において
アウターサイエンスは、突如襲来した黒コノハによってメカクシ団の大切な人々が虐殺されるという「悲劇」をもってして、マリーが化け物の能力を使って幕を閉じるというもの。
この時セトがマリーを庇うシーンが一瞬挿入されている。
そしてマリーが「さよならしたくない」と再びやり直した「マリーの架空世界」の歌詞に出てくる「君」の存在は十中八九セトではないかと推測される。
小説・漫画版
小説の中ではセトの出番が殆どなく、二人の接点はあまり見られない。
マリーの出番は序盤から多いのだが、「如月アテンション」「メカクシコード」などのエピソードでは、マリーはキドやカノ、如月兄妹やエネなどの他のメカクシ団員との交流が主である。それ故にマリーがセトだけに依存しているわけではない事を窺わせる。
だが、小説・漫画ともに2巻ではセトがマリーをおぶさって一緒に居るシーンが少しだけある。
その際、シンタローとモモがセトの名前を「ゼット」だの「セット」だの名前を間違えた際に、マリーが「違うよ……セトだもん……名前間違えたら可哀想……」と不満そうな表情を浮かべているというネタがある。
メカクシ団のメンバーみんなを大事な存在と思っており如月兄妹にも友情を覚えているであろうマリーだが、その中でもマリーにとってセトの存在が今でも一際大きいであろう事を匂わせるシーンである。
セト自身は如月兄妹の名前間違いを気にしていないのを確認した後、マリーも「……セットもちょっとかっこいいかも」と呟いたりするなどセトに対する愛情の重さを感じさせる。
小説5巻において、セトとマリーが出会った時のことについて少し触れられている。その際にセトはマリーのことを「可愛い女の子と会った」とキドたちに説明している。
しかもマリーのことは、キドやカノになかなか紹介しなかったようで、そのことについてカノは「ひょっとするとひょっとするかもしれない」と言っているため、カノはセトがマリーのことを好きなのではないか、と感じているようである。
漫画版6巻では「少年ブレイヴ」及び「空想フォレスト」の内容が掲載され、曲中で曖昧に表現されていた二人の過去や、関係、言動などが明かされた。
カバー裏のイラストではかなりのラブラブぶりがうかがえるため、ファンは必見である。
小説最終巻では今まであまり掘り下げられることのなかったセトのマリーに対する想いが語られる。
今まで2人を応援してきたファンには、是非とも自分の目で読んで頂きたい一冊となっている。
アニメ版
小説や漫画よりセトの出番が多くなっているため、セトがメカクシ団と団体行動しているシーンが多い。(たまにどこかへ行ってしまうこともあるが。)
その際、セトとマリーは一緒に居るシーンが多い。
そして何よりも顕著だったのが、OPでセトがマリーの手を引いてキドとカノの元へ行くシーンであり、セトマリファンは誰もがこのシーンで歓喜したことだろう。
余談
上記の馴れ初めや二人が出演する他の曲のPVから少なくともお互い好意的な感情を持っており、お互いがお互いを救いあった大切な存在であることは明確に捉えられる。
ちなみに雑誌「別冊spoon.2Di vol.38」の少年ブレイヴの楽曲解説にて、「(セトは勇気を持てずにいたが、)けれども男の子って好きな子ができて、その人を助けたいって思ったら絶対に“この子を助けてあげられるような勇気を手に入れたい!”って思うんですよ」とのじん氏がコメントしていたことからも、お互い少なからず好意は抱いていると思われる。
上述の想像フォレスト及び空想フォレストや少年ブレイヴはもちろん、夕景イエスタデイでは榎本貴音が「気がついたら目が合う様な淡い恋」としてセトとマリーの出会いを表紙にした空想フォレストの絵本を想像している。
そのため、pixiv内では所謂バカップル的なリア充として描かれることが多い。
また、メデューサの血を引いているマリーは人間よりも成長速度が遅いという設定から、寿命の長さの違いからくる切なさを題材とした作品も多く見られる。
実際、マリーの祖母であるアザミは愛する人であるツキヒコとの寿命の違いによる別離を恐れており、新たな悲劇を生み出してしまった。
またマリーの父も人間であったらしくマリーが幼いころに死別したとのことで、マリーの母であるシオンも愛する人と死別を経験した事が予想される。
メデューサ一家の悲恋の歴史がマリーの空想世界に影響を与えている可能性は少なからずあるだろう。
本来の公式ではこちらの要素が大きく出ているはずなのだが、前者のバカップル要素の作品の方が親しみやすい為か多いようである。
ちなみに、公式アンソロジーの方では、その安定のリア充っぷりが存分に見られる。
また、もしも二人が結婚するのであれば、マリーの名前は「瀬戸茉莉」(セトマリ)と、カップリング名そのものになってしまう。
関連イラスト
想像フォレスト時点の場合→ショタセトマリ