「昔っから王政(やつら)が気にくわなかったからだ」
プロフィール
概要
漫画『進撃の巨人』の登場人物。
憲兵団・駐屯兵団・調査兵団の3つの兵団を総括している兵団組織のトップ。
階級(?)は総統。
活躍
巨人化能力が見つかったエレンの一件に対し、三兵団幹部を集めた特別兵法会議を開き、それぞれの意見を聴取した上で調査兵団にエレンを預けることを決定した。
またエルヴィンの作戦を許可したり、完全に犯罪者だったリヴァイの登用を認めるなど、3つの中でも調査兵団にもっとも期待しているらしい。
後にエルヴィンの計画に賛同し、反乱に加わる。
部下を集めて王都、中央憲兵団の制圧、偽のフリッツ王や王政の最高幹部たちを拘束した。
仔細は不明だが以前からザックレーは王政に根深い嫌悪感を抱いており、今の地位に出世したことも含め、「生涯の趣味がクーデターの準備だった」と語り、虎視眈々と機を狙っていたようである。そのためか王都制圧後は身柄を拘束した王政府重鎮たちへのかなり倒錯した拷問を嬉々として行った。
この拷問がどれぐらい倒錯しているかというと、ひざから下の靴下と靴以外は何も身に着けていないほぼ全裸の状態で頭を逆さにM字開脚で拘束し、全ての食事を肛門から摂取(?)させ、あそこに管を入れ、口にその管を突っ込むというド直球な猥褻行為を芸術作品と称し、週に一度、貴方たちが苦しめた民衆の前に晒すとのたまうほど(流石に公開すると軍政権のイメージを崩壊させかねないので止められたが…)。
そうとう嫌悪感を溜め込み過ぎて拗らせてしまったのか、或いは元々こういう趣味だったのかは不明だが、いわずもがな完全に変態の域であり、ドット・ピクシスにも呆れられていた。このシーン、アニメでは流石にあそこなどが隠されていたもののカットされることなくNHKで放送された。それどころか、胸パンを食らわせた上、絶望の表情を浮かべる貴族を前に笑顔でホースをいじる描写まで追加され、かえって倒錯ぶりに拍車がかかった。
コミックス第27巻において、ミカサとアルミンがザックレー総統の執務室に訪問した際にあった「特注の椅子」とは、この拷問用の椅子である。新兵によって運び込まれたこの椅子が爆発したものとされる。
無能な人物ではないものの、将来的な展望はなかった。
壁の中に残された人類の未来には特に関心がなく、王政への腹いせはエルヴィンのように正当な目的がなくても実行するつもりだった。そのためか王政を倒し、形式上の君主である女王に代わり、事実上の最高指導者となって自由になった調査兵団が次々と新しい情報を持ち帰っても関心を見せることはなく淡々と職務を執っていた。
……ように思われた。
始祖の巨人の能力により世界を一変させる可能性をエレンが握ると一転してエレンを抹殺する計画を立てる。
注射した者を巨人にする巨人化薬を使い、エレンを食わせ巨人化能力を別の人間に移すという計画を進めていたが、逆に兵団組織内のエレンの支持派により暗殺される。
初対面で「君の身柄は私に任された」とエレンに告げたザックレーだったが、最終的にその立場は逆転したのである。
なお彼の死後物語が進み、始祖ユミルの物語が明らかになるにつれ、彼のやったことは見た目以上のインパクトがあることだったとわかった。
彼が芸術作品にした王政の人間たちは始祖ユミルを奴隷にし虐げたエルディアの王族であり、その後エルディア人でありながら奴隷用の血であるユミルの民とは交わらなかった非ユミル系エルディア人の末裔であった。
そして血によって権力を保証された王族たちの性根は2000年間まったく変わることはなく、結果ザックレーの反乱を招いてしまった。
ザックレーは意図することなく奴隷の末裔として、王族の末裔にこれ以上ない復讐を果たしていたのである。
始祖ユミルからすればとんでもない大恩人である。
その他
公式ガイドブックでは、行動力、柔軟性、思慮深さ、部下からの信頼、威厳のオールステータス11と高い能力であることが発表されている。
またエレンの分析と題し、「口を開かなくても、もの凄い威圧感が伝わってくる。前線では姿を見せることがないけど、憲兵団とは違って腐敗した人ではないと思う。」と評価されている。
初登場時の厳格な人物像とはうって変わった王政編の豹変ぶりに困惑する読者も多く、彼の芸術作品の悪趣味さも相まって進撃ファンの間でも賛否両論であった。しかし、前述した奴隷用の血の真実が明かされた後は人知れず始祖ユミルの復讐を果たしていた事、殆どの登場人物が悲惨な死に様を晒す中でやりたい事をやりきり自分の生涯を掛けた芸術作品と共に死ぬとこの上なく恵まれた最期、「イヤ……むしろもう好きだな」を筆頭とするパワー溢れる名(迷)言などから人気が急上昇しファンから九つの巨人に準えて「美の巨人」という渾名で呼ばれることも。(無垢の巨人を所構わず上記の芸術品にするヤベー奴とかなんとか)
容姿が似ていることから「獣の巨人の正体ではないか」と一時期、憶測が流れた。