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概要

2024年12月29日に韓国全羅南道の務案国際空港で発生した航空事故。

格安航空会社であるチェジュ航空(済州航空、제주항공)が着陸に失敗して炎上。

179人が死亡するという韓国内での航空事故としては最悪の惨事となった。

おりしも韓国内の政治状況が混乱していた最中であり、今後も韓国の内外に大きな影響があると思われる。

事故の経緯

チェジュ航空2216便はタイバンコクスワンナプーム国際空港を離陸後、務案国際空港に向かっていた。乗客は少数のタイ人、残りの乗員乗客は全て韓国人であった。

着陸態勢に入った朝8時57分、バードストライクの危険により管制から着陸を待つよう指示。

しかしその2分後メーデーがコクピットから発せられ、機体はなぜかランディングギアが展開されず胴体着陸を試みたもののオーバーラン、ローカライザー(着陸誘導施設)が設置してあった外壁に激突し爆発炎上した。

機体後方にいた乗員の男女2人が救出されたものの重傷であった。

残りの乗員乗客179人は全員死亡、中にタイ人が2人いた。

特に爆発炎上が酷かった前方席は凄惨な状況になっており。身元がすぐに判別できない状態の者も数十人いた。

現場には機体や遺体、遺品が広範囲に飛び散るなどしていたこともあり務安国際空港は1月7日まで閉鎖となった。

事故の原因

原因の詳細は調査中で、正確な判定は1年前後かかるとみられている。

務案国際空港は近辺に渡鳥の飛来地があることからバードストライクの危険性が以前から指摘されていた。

また、空港の滑走路が工事中で通常より短くなっていたこと、ローカライザーの土台が硬いコンクリートであったことも被害の拡大に寄与したとみられている。

機体の方は現場投入され始めてから10年ほどで古いとは言えず機長も空軍出身の経験豊かなパイロットであり技量不足とは考えにくいことから詳細は調査待ちといったところである。

韓国社会への影響

ちょうど間が悪いことに韓国では尹錫悦が自ら起こしたクーデターの失敗により職務停止中であり、野党も代行である首相を引き摺り下ろそうと躍起になるなど政治的にも混乱していた最中であった。

崔相穆(チェサンモク)経済副首相兼企画財政相が大統領代行を務めており事態の対応にあたった。

欧米の評論家達から「ローカライザーの土台がすぐ破壊できる構造でなかったことが被害の拡大に寄与した」との指摘が複数韓国メディアで報じられ、チェジュ航空の整備態勢に関しても疑問視する報道が多数出たことから世論も荒れている。

空港敷地内の構造や敷地、果ては空港をこの場所に設置することそのものが適切だったか否かまで議論が沸騰。韓国国土交通部(日本の国土交通省に相当)が規定違反をしていたのではとの記事を書く大手新聞も出た。

遺体の状況も非常に無残なものであったことや上記の経緯から遺族の怒りも増すことになり補償問題も拗れることが予想されている。

この事故翌日には同じチェジュ航空の同型機が金浦国際空港を離陸直後不具合が発生して引き返し緊急着陸するトラブルが発生。

韓国内でも飛行機旅行に対する恐怖心を抱く国民が多くなり、ツアーのキャンセルが続出し韓国の旅行産業に大きなダメージを与えた。

韓国政府は事故当日から2025年1月4日までを「国家哀悼期間」に指定、多くのイベントが自粛となった。

K-POPの韓国内大型年末年始イベントも多くが自粛となったが、日本の年末年始番組やライブイベントに出演する数組のアイドルグループは予定通り来日して公演や出演を敢行。

グループによっては喪章をつけてのパフォーマンスとなった。

韓国内の有名俳優や売れっ子歌手の幾人かは遺族支援のための寄付金を供出することを表明したり、有名タレント料理人が空港に詰めている遺族に差し入れの食事を提供するなどした。

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