概要
『Ω覚醒編』において、実は十二宮の戦いから生還していたことが判明。
2級刻闘士・デスウォッチの時貞として、刻闘士陣営に付いていた。更なる時の力を手に入れた、無敵・不死の存在として、「時の王」を自称している。
時間の果てで栄斗に敗れた後、“あのお方”と呼ばれる謎の存在から力をもらい、二級パラサイトとなり時間の概念を超越した能力を身に着けた。
時貞はこの件が「パラスとアテナの戦いの引き金になった」と語っており、恐らくは一輝の追っていた「黒幕」が、“あのお方”の正体ではないかと思われる。
元々時間の果てで力を得た時貞は、テンションがかなりハイになっていたが、栄斗に敗れた屈辱から、その人格は更に歪んでしまった。
そこに“あのお方”の力が加わったことによって慢心が重なり、格上のはずの一級パラサイトにも不遜な態度を取るなど、この回の脚本家の前例に漏れず、何かと強烈な悪党へと変貌している。
こうした態度をガリアは「人間らしい醜さだ」と面白がっていたが、アイガイオンは「進歩のない者はつまらない」と蔑んでいる。
第80話において、パラスの城に侵入した栄斗、エデン、昴の3人を迎え撃つ。彼の待ち受けていた部屋には、その能力を象徴するように、多数の時計が浮かんでいた。
新技・クロノイモータルで自身の時間を停めることで、いかなる攻撃をも無力化し、3人の青銅聖闘士達を追い詰める。
しかし何故か昴の放った渾身の一撃だけは、この時間の壁を突破し、時貞にダメージを与えていた。時貞はこの時の昴の小宇宙に、“あのお方”の面影を感じて動揺。自分の想像を否定すように、昴を始末しようとした。
しかしその時、ここに至るまでの通路で、雑兵の相手を引き受けていた氷河が駆けつける。
ここで水瓶座の黄金聖衣に縁ある者同士・同時に原子を止める力を持つ者同士の、因縁浅からぬ戦いが幕を開けた(この時、彼は氷河の師匠をカミュと認識していた。これにより更に水晶聖闘士は不遇な立場になってしまった)。
時貞の力はオーロラサンダーアタックをも一度遮り、その力を誇った時貞は、かつて自身が新・十二宮での戦いで纏っていた黄金聖衣を「この力には及ばない鉄くず」と吐き捨てた。
だがこれが氷河の怒りを買ってしまう結果へと繋がり、その慢心により停滞した精神を指して、「これまで対峙した敵の中で最も弱く容易い敵」と蔑まれる。
そのままカミュから受け継いだ最大奥義・オーロラエクスキューションにより攻撃を凌がれ、更にその状態から、同じくカミュの技であるフリージングコフィンを喰らい、氷の棺の中に閉じ込められてしまった。
こうして時貞は、不死身の肉体を持つのなら、絶対零度を超える凍気で未来永劫閉じ込めてしまえばいいという、強烈な皮肉を込めた敗北を味わうことになった。
氷河曰く、「勝てたのは聖闘士としてのキャリアの差」とのこと。一方この時、昴は「時間は人を強くする」と意味深な台詞と不敵な笑みを浮かべ、エデンらからますます警戒されている。
武器はデスウォッチと呼ばれるもので、杖状のものに大きな時計が付属している。
刻衣のデザインは水瓶座聖衣のアレンジになっているものの、一見すると元のデザインが分からないほどに悪魔的な形状へ変貌しており、やはり彼女を連想してしまう。
余談
時貞に引導を渡す際、氷河はこれまで戦ってきた敵達を志し高い者たちと評していたが、ファンからは良く『ではゼーロスは?』と突っ込まれる事がある。一応フォローしておくと、確かにゼーロスはラダマンティスの執事でありながら、拷問されている様を嘲笑ったりするなど卑劣漢であったものの、実は時貞のように自分の目的の為に主神を裏切った事は一度としてない。
というより、本質的に時貞の最大の問題は”自分が闘士として相応しい存在になるために修行したわけではなく、媚び諂いやアクシデントで手に入れた力を自慢げに行使している&新しく力を手に入れた場合それまで使っていた技を封印するどころかその力の源を貶している”という自己陶酔と軽薄さが増大していることにあり、白銀時はともかく黄金聖闘士時や二級刻闘士時の時貞は力に釣りあった精神を持っているとはとても言えない無様な性根の持ち主といえる。(冥闘士の場合は人間は依り代で冥闘衣が本来持つ力を行使するのだがそれでも自身の身の丈に見合った戦いをしているので、時貞ほど不相応な態度や言動に出るわけではない。)
自分の代わりに次世代の水瓶座を引き受けた男がこの有様では、氷河(並びに氷河ファン及び水瓶座ファン)が本気で怒るのも無理はないであろう。
上記の経緯から時貞はファンから『不正を働いて氷河から水瓶座の黄金聖衣を奪った上に、自分の未熟さを棚上げして負けたのを聖衣の所為にしたため前任の縁者から当然の制裁を喰らった、聖闘士になったことそのものが間違いの最低の愚物』扱いされ、Ωの黄金聖衣装着者の中でも最下位…どころか、時貞を水瓶座の継承者とすら認めないファンまでいるほど。無印の(派生作品が出る前の)デスマスクやアフロディーテ、Ωのシラーやイオニアすら醜態は晒したものの一応は黄金聖闘士扱いされてはいることを考慮すると異例中の異例といえる。
同作で聖衣を使いこなせず破滅した者には蠍座の黄金聖衣を身にまとったソニアもいるが、あちらは家族に捨てられることを恐れ父に認められたいという純粋な心をメディアに利用されて無理やり着せられ鉄砲玉のように使い捨てられたため、「黒幕の悪意で無理やり装着者に仕立て上げられたんだし星座の評価に絡めるのは可哀そう」と寧ろ同情する意見が多い。
関連タグ
天秤座の玄武・・・Ωにおいてファンの間で次期天秤座候補と見なされていた紫龍のかわりに天秤座の黄金聖衣を纏った聖闘士。もっともこちらは天秤座に実際についていた紫龍が重症で動けないので代わりに天秤座の責務を全うしようとした立派な聖闘士であり、後に玄武が刻闘士との戦いで殉職し紫龍が復帰した後も紫龍は彼の激闘を称えている。
乙女座のフドウ・・・同じくΩでファンの間で次期乙女座の黄金聖闘士と見なされていた瞬のかわりに乙女座の黄金聖衣を纏った聖闘士。当初はマルス側だったがエデンの覚悟を見定めて女神側に鞍替えし、以降は瞬とはとくに絡むことなく黄金聖闘士としての責務を果たし生き抜いている。
牡羊座の貴鬼・・・原作で青銅一軍と共に戦場を駆け抜けたりもした彼らの弟分で、成長したらひょっとしたら牡羊座の黄金聖闘士になれるのではと見なされていた。その後大方の視聴者の予想通り牡羊座の黄金聖闘士として光牙達の味方となる。