概要
CV:池水通洋
アニメ版『聖闘士星矢』のオリジナルキャラクター。キグナス氷河とクラーケンのアイザックの師で、水瓶座のカミュの弟子にあたる。本名は不明。後述するように非正規の聖闘士であることを気にするあまり聖闘士の名乗りを本名のように用いているとする二次創作も存在する。
実力がありながらも守護星座の導きがなかったために星座以外の聖衣を纏う非正規の聖闘士であり、第一線を退きシベリア・コホーテク村に居を構えて聖闘士の養成に専念している。実力はおそらく上位の白銀聖闘士級と見られ(アーレスに一撃で洗脳されていることからダイダロス・オルフェらには劣る模様)、その凍気の威力は基本技のダイヤモンドダスト(しかも全力でない)で雑兵の一隊が完全に凍結して即死し、彼らもろとも周囲の建物や地面まで凍結するほどに凄まじい。また関節技を中心とした格闘術にも長け腕力が強く、雑兵を首の骨を折って倒したり氷河に足封じ技をかけるなど大いに発揮された。力のみならず技巧にも優れ、ダイヤモンドダストにも二段攻撃や青い凍気を発する強力版を使用している(つまり、威力の調整が可能)。また幻術をも会得しており、これと関連してか幻朧魔皇拳を受けた後でも一時的に正気に返るなど精神力も強く、心技体すべての優れた聖闘士であった。その実力、徳の高さは正気の時には人々から慕われ、アーレスに洗脳された後では配下につけられた雑兵たちが信頼を口にするなど、敵味方から折り紙つきである。
ヤコフの住むコホーテク村の住民を酷使してシベリアに氷のピラミッドを建設しようとした新教皇アーレス(実際にはギガース参謀長の発案)に抗議するため聖域に赴くが、反逆罪に問われて拳を振るうも、アーレスに幻朧魔皇拳を受け洗脳され(アイオリアと異なり完全に洗脳された)て小宇宙の質まで変容した悪鬼と化し、住民を救出しに来たキグナス氷河やペガサス星矢と対決することになる。結局氷河に倒され、洗脳は解けたものの重傷の身で大技(構えた拳に赤い凍気の華が現れ、受けた氷のピラミッドに青い稲妻が走るほどの拳)を使用したため死亡する。遺体は氷の中に埋葬された。
関連イラスト
アニメと原作の相違と辻褄あわせ
聖闘士星矢の旧作TVアニメ版(通称無印)は原作の連載開始まもなくアニメ化したために原作のストックがなく、アニメオリジナルのエピソードやキャラクターで話数稼ぎをしたエピソードがかなり多い。
特に前半は原作ですら設定が十分固まっておらず、アニメの方も手探り状態であったためにオリジナルの師匠キャラクターが先んじて登場することもあった。
ところが原作者は全くアニメとの擦り合わせを考えるタイプの作家ではないために、原作の方で氷河の師匠として水瓶座のカミュが登場してしまったのである。
そこで苦肉の策として、水晶聖闘士はカミュの弟子として設定され、いわば1代師弟筋を増やすという方法で着地している。
氷河の名言(迷言?)「師の師といえば我が師も同然」は彼がいなければ生まれることはなかった(実際の武道の世界では「祖父師」と呼ぶので、そうおかしいことでもない)。なお現在では「3人で修行をする回想シーンを挿入すれば矛盾やおかしな台詞は生まれなかったのでは」という意見もある。
聖闘士星矢Ω14話においてはこれを逆にネタにした蒼摩の「友の師は我が師も同然っていうしなあ」というメタ的な台詞がある。
なお、アンドロメダ瞬の師匠にも同様の事態が起こっているが、こちらは原作のケフェウス星座のダイダロスが死亡退場済み設定で回想シーンのみ登場ということもあり、アニメ版ではアニメ先行登場のアルビオレをそのままダイダロスと入れ替えたまま話を進めている。
これらの設定の齟齬はハーデス編OVAまでフォロー描写を入れる必要があるほど引きずったため、無印アニメ後半以降はアニメオリジナルのキャラクターやエピソードを入れる際には、原作とぶつかっても後でフォローのしやすいよう配慮した設定がされている。
ちなみにこの水晶聖闘士、雑誌の誌上限定発売という形でフィギュア化されている。
アニメオリジナルキャラ、尚且つ聖衣未装着の姿など出ていないので、聖衣のオブジェデザインは玩具オリジナル。その形は六角形の雪の結晶という美しいデザインである。
関連タグ
TVアニメ初期オリジナル聖闘士