「信じる者は救われる〜 信じない者は… バカを見るぞい！」
解説
第50話『貯めるぞい！のろいの貯金箱』にて、デデデがナイトメア社に特注品として注文した、デデデにそっくりの外見をした人形兼貯金箱である（値段は全部で9億デデンであるため、ププビレッジの人口が2～300人いると仮定したら1個当たり300万デデン程度の相場だと思われる）。
起き上がり小法師のように、平らな所に置くとゆらゆらと揺れるようになっていて、目の部分は白目、口のところがお金を入れる穴になっている。
「幸せを呼ぶデデデ人形」として住民達に1人1個ずつ無料で配布したが、この人形を手にした住民達からは、「詐欺っぽい」「不気味」「気持ち悪い」などと散々な評価であり、ブンには、「こんなもん捨てっちまえ！」とゴミ箱に投げられそうになる始末である。パームだけは、「見ようによってはかわいいじゃないか」と言うが、メームに「あなた、気は確か？」と言われている。
ちなみに、デデデ本人は人形を超かわいいと言っている。
人形を配った目的
デデデの企みとしては、
- この人形を使い、夜中2時に「デデデはエラーイ…デデデはスゴーイ…」と唱え、村人たちがデデデに対して尊敬の念を抱くように呪う(暗示をかける)。
- それと並行して、デデデ人形にお金を入れるようにも唱え、呪いをかける。
- 貯金箱をいっぱいにさせたところで、人々にデデデ銀行にお金を預けさせる。
一言で言ってしまえば、自身の人気とお金を集めることが目的だったのだろう。
風刺アニメという観点で見れば、大衆への洗脳や銀行関連の本質に触れたものでもある。いつもは慎重なフームがメタナイトに言われるまで気づかず他の住民と同じようにデデデ銀行にお金を預けてしまったりするなど、デデデの計画としては珍しく順調に進んでいたが、調子に乗ったデデデは今度は住民たちにボコボコにすることを目論むことに…。
人形の機能
最終的な機能の結論をいうと、人形とデデデはシンクロしている。
デデデが人形を使い村の人たちをボコボコに呪った時、巻き添えをくらったエスカルゴンが頭にきて人形の頭を殴った際、デデデにも痛みが伝達する事が分かった。人形を蹴ればデデデも蹴られたようになり、人形を投げればデデデも吹っ飛んでしまうのだ。
また、カスタマーサービスは元からシンクロしていると分かっていたものの、デデデ人形が本人とシンクロし始めたのは、アニメ終盤で彼が夜中に暴れる呪いをかけたあとだと思われる（デデデが初めて暴れる呪いをかける前に、ボルン署長を始めとした村人がデデデ人形の顔を触るシーンがあるものの、デデデ本人は特に気にしていないため）。
ちなみにメタナイトに警告されてデデデ人形の機能を怪しみ、事前に引き出しに人形を閉まってから眠りについたフームだけはボコボコにされる被害を免れていた。
この危険性が分かった途端、デデデとエスカルゴンは村に配った人形をひとつ残らずひったくるように回収したが、当然同時に呪いも解け、預金を全て持ち帰られたデデデ銀行は呆気なく倒産してしまう。
事の顛末
デデデはせめてもの腹いせに、回収しきれず一つだけ残ったデデデ人形を持っている人物(実はカービィ)を痛めつけてやろうと、人形を操る形で暴れ回る。
フームやエスカルゴンからすればいきなり何もない所でデデデが暴れ出したようにしか見えず、人形が埋められた際には自分から土竜の如く土に潜り始めてしまう。
フーム「なんて器用なの…」
エスカルゴン「墓に入るには早過ぎるでゲスな…」
最終的にトッコリから「そんなもん吸い込んじまえばいいだろっ!」と言われたカービィによって人形は吸い込まれる。カービィは試しにコピーしようとしたが、特に何も起きずスカだった。
トッコリ「スカか。まああんな人形どうでもいいか」
一方その頃…
デデデ「ここはどこゾーイ!?誰か〜助けてくれ〜〜〜!!!」
デデデ本人もカービィの腹の中と思しき宇宙空間のような場所に飛ばされ、そこで人形は泡のようなものに包まれて保管されるという意味深なシーンで終わった。
余談
この後デデデはどうなったのかは不明だが、次の話では何事もなかったかのように、ちゃんと帰ってきている。
本エピソードはほぼデデデの自滅という形で事件が収束していく上、デデデの今回の目的がいつものような打倒カービィではないこともあってか、珍しくカービィが殆ど話に絡まず蚊帳の外に置かれている（人形を受け取らなかったカービィに激怒したものの寝不足が原因で怒る気力もなくすぐに怒りが収まっておりエスカルゴンも「まあカービィめはお金を持ってないでゲスからな」とそこまで気にしなかった）。
劇中ではカービィはププビレッジに行く描写もなかったので彼が会ったキャラはトッコリとカワサキの2名だけで、デデデはおろかフームやブンにさえ会っていない（しかも何かにつけてカービィのことを気に掛けているフームやメタナイトもこの話ではカービィのカの字も出さない）。カービィとフームが完全に別行動を取っているのは全100話中で本エピソードのみとなっている（この魔獣が登場した際もカービィは出番が少なめだったので前例がないわけではないが）。
また、本作に登場する前に『デデデでプププなものがたり』の12巻にて似たようなエピソードがあった。
