「ねちっこい!? ……けど? ──んん? ねちっこいけど何? 何? んねー」
概要
元王下七武海の一人ドンキホーテ・ドフラミンゴ率いるドンキホーテ海賊団の最高幹部。ヴェルゴ、ピーカ、ディアマンテとは同格で、特別幹部のシュガーを部下に持ち、彼女の警護役も担っている。
「トレーボル」は本名ではなく、最高幹部としてのコードネームである(スペイン語でトランプのスート「クラブ」を意味する)。年齢は49歳と最高幹部の中では最高齢。
プロフィール
通称 | トレーボル |
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年齢 | 49歳 |
身長 | 349cm |
懸賞金 | 元9900万ベリー |
所属 | ドンキホーテ海賊団♣︎最高幹部 |
所属船 | ヌマンシア・フラミンゴ号 |
悪魔の実 | ベタベタの実 (超人系) |
覇気 | 武装色、見聞色 |
出身地 | 北の海 |
誕生日 | 3月18日 (参(3)謀(1)のハ(8)ナミズ) |
星座 | うお座 |
血液型 | F型 |
好物 | ソーセージ |
初登場 | 単行本70巻 第700話『奴のペース』 |
CV | 松野太紀 |
能力
悪魔の実 | ベタベタの実 |
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解説 | 体のあらゆるところから粘着力のある液体を分泌する |
種類 | 超人系 |
全身から非常に粘性の強い液体を分泌できる「粘液人間」。
その液体を対象に接着し、そのまま身動きを封じたり、自分の方へ引き寄せたり、逆に自分自身を対象目掛けて引き寄せて移動したりする事ができ、また粘液の塊を弾丸のように勢いよく発射して攻撃手段にすることも可能。
粘液は可燃性であるため着火すると大爆発を起こす。持っている杖の先端にはライターのように火を付ける仕掛けが施されており、これを用いて粘液に点火して爆破する攻撃も行う。
一見は肥満体で、その全身が粘液になっているように見えるが、実際には大部分が産出した粘液の塊に覆われているだけの細い体という見せかけの姿に過ぎない。
このため粘液の部分が武装色の覇気を纏った攻撃を受けても、突き抜けてしまってダメージにならず、ダメージを与えるにはその粘液の塊の奥に隠れているトレーボルの胴体に攻撃を当てる必要がある。
その性質から、接近戦を仕掛けるとそのままベタベタの粘液に捕まってしまう可能性が高く、飛び道具だと粘液が邪魔で攻撃が届かない事も多いなど、想像以上に防御力は高い。
顔の位置までごまかしきれる訳ではないため、真横からの蹴りといった側面攻撃であれば、突き抜けずに多少はダメージを与えられるが、粘液のために頭部以外の急所の位置が分かりづらいため、決定打になり辛いという特性が、防御力の高さに拍車をかけている。
なお、この能力は使い手がより強力に使いこなせるだけの力量・技術を備えていたからこそ、行える芸当である。トレーボルに関しては特に技術が能力に大きく影響している。
基礎戦闘力
また、トレーボル自身の身体能力も特筆すべきもので、その粘液を利用すれば数十メートルの距離をあっという間に移動できる速力を発揮出来たり、飛んでいる羽虫の眉間を粘液の弾丸で正確に撃ち抜くなどの動体視力も半端ではなく、最大限に能力に応用すれば海賊船を持ち上げて振り回す事すら可能(ただし粘液に怪力になる特性はないため、海賊船を持ち上げられるだけの使い手の力が求められる)。
しかし本人の体格は非常に貧相で、粘液塊を突破されるとまともな防御はできず、七武海クラスの実力者の攻撃でも食らってしまうと一撃で致命傷を負いかねない。このような事態に陥った時は、全身を覆う粘液に自ら点火して広範囲を巻き込むという自爆攻撃を仕掛ける。
覇気
基本的な2種類の覇気(武装色・見聞色)を当然のように修得している。
技
- ベタベタチェーン
粘液を鎖のように伸ばし、対象に張り付ける。この粘液は巨大な船を持ち上げても千切れない程の耐久度を持つ。
- ベタベットン流星(メテオーラ)
”ベタベタチェーン”からの連携攻撃。張り付けた物を力尽くで振り回して別の対象へ叩き付けるが、振り回す物が物なら建造物さえ一撃で崩壊させてしまえる。
- ハナ水真剣白刃取り
鼻水で相手の攻撃を受け止める。
- ベトランチャー
粘液の塊を勢いよく発射して相手に叩き付ける。虫くらいなら叩き潰せる程度の威力があるが、人間相手には殺傷力が不足しており、代わりに相手を粘着して動きを封じる事ができる。また、大量の粘液塊を一度にぶちまける”ベタベットン・ランチャー”という強化技もある。
性格
口癖は「んねー」で、笑い方は「べへへ」である。非常に粘着質な性格で、話しかけた相手の眼前で話したり、しつこく自分の言葉や質問に対する応答を求めるが、怒ると普通の話し方になり、口癖もあまり出なくなる。
また、ドフラミンゴに対しても「どけドフィ!」や「バカ言え!!」などの乱暴な物言いをし、また自分の能力を「ねばねば」と言われると「”ベタベタ”だ!!」と少々ムキになって反論する。
かつては参謀を務めるだけの強かさと度量を持って、ドフラミンゴにイトイトの実などを勧める場面もあった。
だが月日が経つうちに鳴りを潜めたようで、本編では、ドフラミンゴ並みか、それ以上の慢心が目立つ言動も見せるように。
ドフラミンゴがえげつなさと狡猾さの入り混じった策でシュガー気絶の弊害を補おうとするなか、麦わらの一味が暴れる様をただ嘲笑うという、あまりに油断しきっているような場面がそれを象徴する。
そんな彼の姿はある意味、「国盗りに成功して堕落した海賊」のモデルケースとも思える。
もっとも、ウソップの苦悶の表情にシュガーが気絶させられた件は完全に想定外であり、さらにローを追い詰めた際は相手の挑発に乗ったとはいえ、ローが右腕を失うなどの重傷を負った上に自身の粘液で身動きの取れない状態だったこともあり、勝利を確信してもおかしくない状況だったのだが…。
ルフィの側面攻撃を受けた後、しれっと自然系かどうかについて暈す・緊急時のための自爆手段を前もって用意する辺り、一応参謀としてのスキルの片鱗らしき知略はちらついているものの、良くも悪くも変化が目まぐるしかったドレスローザ編のような攻防を凌ぎ切るには、柔軟性が足りなかったともとれる。
本人もそんな自分がトップになれる器ではないとは、昔から薄々勘づいていたらしく、下記ドフラミンゴとの関係性もそれに起因している。
活躍
31年ほど前は自身をボスとしてヴェルゴやピーカ、ディアマンテを束ねていたが、後にヴェルゴから元天竜人のドフラミンゴを紹介されて彼が「覇王色の覇気」の持ち主であることに気付く。
その後はドフラミンゴに復讐する力として「イトイトの実」と「拳銃」を与えることで父親を殺害させるが、後にマリージョアから自身の元へと帰還したドフラミンゴに「王の資質」を見たことで彼にボスの地位を与え、自らはその参謀としてドフラミンゴを支えるようになる。
10年前は発生した先代王家のリク王家から王権を奪い取るクーデターに参加しており、同じ最高幹部のディアマンテとピーカの三人で同国の軍隊を壊滅させた。
初登場はドンキホーテ海賊団の本拠地を舞台にしたドレスローザ編において同海賊団の最高幹部の一人として登場し、その際にコロシアムの鍵となるメラメラの実をドフラミンゴに託す。その後、トンタッタ族を倒した上で同行していたウソップを追い詰めるが、最終的には想定外の出来事により護衛をしていたシュガーの気絶を許してしまう。
ドフラミンゴによる鳥カゴ発動後はローとルフィを相手にドフラミンゴと共に戦って一度は追い詰めるが、自分達とドフラミンゴの関係をローに侮辱されて逆上、ローを始末しようとして逆に彼の能力範囲内に誘い込まれたために反撃を受けて重傷を負う。その後はルフィとローを道連れにするために粘液を引火させて自爆するも二人が助かっていたために失敗に終わる。
ドフラミンゴがルフィに敗れた後は、ドフラミンゴや他の幹部達共々海軍に逮捕された。
余談
ベタベタの実の能力はその特性や作中の描写から超人系なのか自然系なのかが非常にわかりにくかった。一応ルフィとの戦闘中に本人の口から「自然系ではない」という趣旨を匂わせるセリフもあったが、その前にウソップとの戦闘で体を輪切りにされたかのように見えるシーンがあったため、なおさらわかりにくかった(どうやら粘液塊を斬り飛ばしただけだったらしい)。
結局劇中では詳しく語られなかったが、ゲーム作品「バーニングブラッド」内のキャラクター紹介にて超人系の能力である事が明記されている。
担当声優の松野氏はラフィットやヒルドンも演じており、2024年6月に死去したが奇しくも同僚のディアマンテを演じた梅津秀行氏も同年5月に亡くなっている。