概要
別名ザ・ナッカンドラ・ビュー・スバース、本名ネッド・スバース。
誕生年月日不詳、星団暦2490年没。
星団暦における初代剣聖であり、今なお語り継がれる伝説の最強騎士。
星団暦において騎士一般を指す「ヘッドライナー(天を取る者)」という名も、もともとは唯一人で大国の軍隊に匹敵する彼に対する畏称であったらしい。
星団最初のファティマであるジ・インタシティ、ザ・フォーカスライト、ザ・ニーヴ、ザ・S.S.L.はリチウム・バランスに提供されたスバースの遺伝情報を基に作られており、スバースの遺伝情報が組み込まれた彼女たちのDNA情報はそのまま以後のファティマ製作における生体ベース・フォーマットとして使用されている(つまり、全てのファティマ達にとってスバースは遺伝子上の父親に当たる)。
それら四体のファティマの最初のマスターとなり、さらに当時に開発された3騎のMHクルマルス型(GTMグロウスタイン・シリーズ)も全て彼が所有した。また、当時のバキンラカン聖帝からも星団歴初代の剣聖として認められ、時空を超えて受け継がれる聖剣「懐園剣」の最初の所有者として選ばれるなど、数々の偉業を残した。
『ファイブスター物語』という物語の中心となる様々な事象の始まりに何らかの形で関与している存在であり、まさに伝説の騎士と呼ばれるに相応しい人物である。
解説
その正体は星団暦より遥か以前のAD世紀の時代、炎の女皇帝が星団を離れた後に生まれたファロスディー・カナーン超帝國(超帝國ユニオ)最後の『純血の騎士』であり、その中でも最上級の戦闘能力を与えられた最強の『超帝國剣聖(シバレース)』である。
超帝國無き後に生まれたがゆえに仕えるべき主のいなかった彼は成人後、北帝戦争と呼ばれる紛争に介入し、実に30もの国々をたったひとりで壊滅させた。
その後、ショルティ地方北部で凍結され、2000年後に太陽王国(フィルモア・ウエスト)のレーダー太陽王によって凍結を解除されて再び活動を開始。
女皇帝の残した「超帝國の痕跡を残すな」という言葉に従い、超帝國に縁のある国々を尽く潰していったとされる。
AD世紀8383年にカラミティ星の重工業国スパチュラー国に潜入し、半生体アンドロイド・デミライト・バーシャを相棒として、圧政に苦しむ人々を助けるためにレジスタンス活動を開始。だが、当時は「騎士」とは敵味方問わず破壊と殺戮を繰り返す存在「シバレース(呪われた騎士)」として人々の間で恐れられていたため、純血の騎士の証である額の「ハイブレン・コントロール」の紋章をバンダナで隠し、武器もブラスター・ガンを使用するなどして自分が騎士であることを隠して行動していた。
下層民の虐殺に乗り出した公安部隊の攻撃によってバーシャが殺されたことに激怒し、騎士の力を開放して公安部隊を一瞬で殲滅するが、そこに現れたスパチュラー総統ヨー・タイインのハイブレン能力により行動を制御され囚われの身となる。しかし、その時3000年ぶりに星団に帰還したナ・イ・ンと超帝國の焔星緋帝騎士団によりスパチュラー国は一夜にして滅ぼされ、スバースも救出される。
その後、スバースはナ・イ・ンによってハイブレン・コントロールを取り除かれ、アマテラスの先祖であるレディオス・フォーカスライト王女の元に転送された後、「ザ・ナッカンドラ・ビュー・スバース」の名前を与えられ、再度凍結された。
AD世紀が終わって数千年後の星団暦2200年後半に突如目覚め、素性を隠して星団各地を放浪。星団内の主だった戦役には参加しなかったものの、旅の道中でバキン・ラカン聖帝にその力を見出されたことから、初代剣聖としてその名を星団暦に残すこととなった。
デルタ・ベルン星A.K.D.のフェイツ公国の騎士団長に就任し、クローム・バランシェの先祖であるリチウム・バランス博士と出会い、自らの遺伝情報を研究対象として提供。リチウム・バランスはスバースから提供された遺伝情報を元に、星団最初のファティマを開発した。
そしてA.K.D.のグリース王国の天照王家直属のダイバー(バイター)だったサローン・バスコと結婚するが、強力な超帝國剣聖の血を持つスバースの精子は彼女の卵子を破壊してしまうため、通常の方法で彼女との間に子どもを作ることは不可能であった。
そこでアトール女皇帝エダクダとリチウム・バランスの助力を得て、強力過ぎる騎士の血を薄めることで人間との間にも子供を作ることが出来るようになり、サローンとの間に2女をもうけた。
星団暦2490年、波乱万丈に満ちた人生に幕を下ろした。
彼が後世に残した子孫には、長女ネリスの家系から剣聖デューク・ビザンチン、ヘリデ・サヤステを輩出した他、バスコ家系と婚姻した家系からはオルカオン・ハリス、ピッキング・ハリス(スパーク)、ベルベット・ワイズメル、ママドア・ユーゾッタ、次女アラドの家系からはルース家系の大剣聖デイモス・ハイアラキ、ボード・ビュラード、マロリー・ハイアラキ、バスコ家系の慧茄・ダイ・グ・フィルモア、エラニユース・ダイ・グ・フィルモア5世、ボルサ・バスコ・アトールと、非常に強力な騎士及びダイバー(バイター)が名を連ねており、「純血の騎士の家系」と称されている。