概要
チバニアンから後期更新世頃、主にインド亜大陸を中心に東南アジア周辺に生息していたとされる。最古の化石は70万年前のものとされる。絶滅は5万年前から2万5千年前頃の間とされ、もしかしたら人間とも関わりがある可能性もあるが確かな事は言えない。
学名はPalaeoloxodon namadicus で、日本でもよく知られるナウマンゾウと同様に現在は絶滅しているパレオロクソドン属のゾウ。パレオロクソドン属の特徴として牙が原生のゾウより大きく真っ直ぐであり、頭蓋の稜と呼ばれる部分が高く出っ張っている(この稜というのは頭の筋肉の付け根が着く為の部分である)。
1834年に発見された個体の化石から推測される大腿骨の長さは1.9m、肩高は5.2m、体重は22トン。これらの数値が事実だとすれば大型陸性哺乳類の中でも史上最大と言えるだろう。ただし完全な化石が見つかっていない都合上これらはあくまで推測の域であることは注意したい。
生息域は草原とされ、主に地面に生えている草を食べていた。後期更新世に滅んだ巨大哺乳類群の1つである。
ナルバダゾウのナルバダというのはどうやらインドを流れるナルマダ川から来ているようだ。インドではナルマダと呼ばれるこの川は英語ではナルバダとも言われているのでそこからつけられたのだろう。学名もこのナルマダ川から取られているが、何故かrを落としている。この学名のnamadicus は他の大型哺乳類にも何度か使われている。