概要
英語圏ではNeck(ネック)、スウェーデンではNäck(ネック)あるいはネク、古スウェーデン語ではネッケル、ノルウェーではニュック、ドイツ語ではニクス等々、地域によってその呼び名は様々ある。
なお、ネックは全て男性で、女性はニクシーと呼ばれており、男性は人間の姿をしているが、女性は人魚の様な姿をしているとされる。
ネックたちは姿を自由に変える事ができ、丸太の様な姿で水に浮かんでいる事もあれば、蛇の様な姿や馬の姿に化けている事もあり、何も知らずに近付いてしまうとたちまち水中へと引きずり込んでしまうとされる。
ちなみに本来の姿は緑の帽子を被った緑色の目をした男性とされており、髪の毛や服のどこかが濡れているので、そこで見分ける事ができるという。
彼らは音楽の才能に長けており、伝承によれば水辺の岩場に座ってバイオリンやハープを引いている姿が目撃されており、その音色は素晴らしく、それを聞いた者を魅了する。音色には魔力が込められており、彼らの魅惑的な演奏や歌声によって水辺へと誘い出されて溺死させられてしまう。
また、ネックと人間の女性との恋愛話も伝わっているが、大抵は水源から離れて暮らせないネックが水の中へと戻ってしまうという場合が多いらしい。
ゲゲゲの鬼太郎にて
80年版アニメのオリジナルエピソード『妖精ニクスと青い涙』にて、「ニクス」名義で登場。
劇中での呼称は『ニクス』だが、少女の姿をしているので伝承に従うならば『ニクシー』である。
妖精の国の女王より『上級の妖精になるための使命』として『あくせく働いている日本人を解放して、自由にする事』を命じられ、自身を『姉御』と呼ぶ弟分の妖精・コボルト(※近年のファンタジー作品と違って『犬のような頭』ではなく、人間に近い見た目をしている)と共に日本にやって来た。
人間からストレス等の『心のバランスを崩すもの』を『青い涙』に変えて抜き取る事ができ、この青い涙を100人分集めて女王に献上するのが目的。
ニクスに『青い涙』を抜かれた人間は、ストレスから解放されて生き生きとなるが……その代わりに学校や会社をサボって平日の昼間から遊び呆けるようになってしまうという副作用が出てしまう。
人間側レギュラーである天童ユメコの父親も、ニクスに『青い涙』を抜かれた事で会社に行かなくなり、ユメコにも「学校なんて行かなくて良い」と言い始め、更には「時間なんかに縛られるから、人間あくせくするようになる!人間はもっとのびのび暮らすべきなんだ!」と言いながら、家中の時計を壊し始めてしまう。
父親の変貌にユメコは「会社に行かないパパなんて、なんかおかしいわよ!」と泣き出してしまう程に動揺し、鬼太郎がニクスを止める事になる。
青い涙が99人分集まったところで鬼太郎から青い涙を人間に返すように言われるが、ニクスは
「なんと言われようと、私達は間違った事はしていません」
と突っぱね、交渉は決裂。
直後、コボルトとねずみ男が揉み合いになり、青い涙が入っていた瓶が割れてしまい、99人分のストレスが実体化した怪物が出現してしまう。
その様子を見たニクスは、「いけない事をしたのかしら………?」と思い悩むが、コボルトは「そんな事ありませんよ!この国はどうかしているんですよ!」と弁護した。
その後、ストレスの怪物は鬼太郎に呼ばれたつらら女によって凍らされた上で粉砕され、雨に変化して人間達を元に戻した。
そして、鬼太郎の仲間である井戸仙人が妖精の国の女王と知り合いだった為、井戸仙人が女王に『青い涙』を持ち帰らなかった理由を説明する事になってニクス達と鬼太郎も和解。
エピローグでは、ユメコ一家+ねずみ男がハイキングに行く様子が描かれた。
劇中、ニクスに青い涙を抜かれて遊び呆ける人間達を見た猫娘は、
「人間って変ねぇ~?あたし達(=妖怪)なんか、あんなの毎日よ?なのに人間は、ちょっとのんびりしただけで、大騒ぎ!」
と、呆れるような感想を漏らしており、それに対して目玉おやじは、
「我々(=妖怪)と人間とでは、生活の仕組みが違うからじゃよ」
と答えている。
また、ニクスも鬼太郎達から青い涙を返すように言われた際、
「何故邪魔をするのです?私達は、皆を幸せにしているのですよ?」
と発言しているが、それに対して鬼太郎と目玉おやじは、
鬼太郎「確かに、お前の言う通りかもしれない………けどそう思うのは、お前や僕達が、『妖精』であり『妖怪』だからだ!」
目玉「わしらが『善し』としている事が、人間にとっては『迷惑』ということもある。そこを分かってくれ!人間には『人間の生き方』、『生活のリズム』というものがある!」
と返答している。