概要だ!ゼッ!
バーチャロイド実用化後、様々な陣営を渡り歩き戦った歴戦のパイロット。
本名ではなく、DNA在籍時代の登録コード「イッシー・ハッター軍曹」(「Issy/H-AT/R_sgt」)が、そのまま通り名として呼ばれて定着したものである。
初出は小説「One-Man Rescue」、この頃はまだ彼の濃い面はあまり強調されておらず、駆け出しの一兵卒として描かれていた。
シリーズ三作目「バーチャロン・フォース」では、プレイヤーの教官役として登場し、チュートリアルで彼の教えを受けることができる。ゲームとしての初出である。
シリーズ四作目「バーチャロン・MARZ」ではついに仲間として戦闘に参戦。時には僚機として戦闘を直接サポートしてくれたり、時には敵として相まみえたりする。彼が圧倒的に有名になったのは四作目の「MARZ」からだろう。
人物像
絵に書いたような「熱血」を体現する人物であり、常に直情径行、自己確信性の強い行動派である。そのあまりに強い思いこみゆえ、実戦の現場においては取りこぼしも多い。
どこかの筆頭よろしく日本語に英語を交えて喋る癖があり、常にハイテンションな熱血男。
根は単純なようで、後にスパロボに出演した時も深いことは考えずに異世界の仲間とすぐに馴染み意気投合していた。
One-Man Rescueでの活躍
DNAから転属する形でSHBVDに所属し、ライデンに搭乗していた。
後に国際戦争公司に教官として所属していただけのことはあり、その戦闘能力は折り紙つき。
本来はレーザー砲撃での火力支援をメインとするライデンであるが、FCSの不調によりレーザー等の射撃兵装が使用出来ない状況での戦闘に対応すべく、現場の判断で戦死した先々任パイロット(リットー大尉。先任はステフォン・アイボリー軍曹)により考案されていたバトルアックスとシールドを装備させた、近接戦闘向けに魔改造を施されたライデンに搭乗。機体を乗りこなし、近接戦闘を行い戦果を上げた。
彼の異常な戦闘能力を語るエピソードとして、廉価版第一世代VRである10/80を使って敵の第二世代型バーチャロイドアファームド二体を白兵戦で撃破したという驚くべき活躍がある。
第一世代型と第二世代型は性能に文字通り隔世の差があり、そのなかでも10/80はOMG時代のテムジンをOEM生産した廉価版である。
ポピュラーな例で例えるなら、これは何ら改造を施されていない量産型ジムでギラ・ドーガを撃破するようなものと言えばその凄さがおわかりになるだろうか。
バーチャロン・フォースでの活躍
上記数々の戦闘遍歴を強みに、本作では戦闘教官という立ち位置で登場。
「アファームドJ Hatter」という専用機に搭乗し、チュートリアルで操作方法を教えてくれる。
最新のバージョンでは一定の条件を満たすことで入手可能になった。
量産型の「アファームドJ type C」をハッター専用の教育現場仕様にしただけのものであり、外見も既存のアファームドがテンガロンハットを被っているだけの姿である。
性能はというと、ダキアスガンを持ってはいるが射撃は使えず、格闘攻撃しか使えない劣化仕様。もともとチュートリアル用の機体がオマケで使えるようになっただけのものなので、次回作の彼専用機のような期待はできない。
ちなみに公式HPでは「XVR-28-H アファームド・ザ・ハッター タイプJ」となっている。実はチュートリアルでのハッター機のアイコンをよく見るとJ(ジャガー)系列では無くT(タイガー)系列だったりする。バーチャロンフォースの開発画面が商業誌に紹介された際、「Ver.7.5」リリース前の時点で「アファームドT type B」が顔を出しており、その時の名残りと見られる。
バーチャロン・MARZでの活躍
VCa2年まで在籍していたDNAを皮切りに、SHBVD、国際戦争公司の戦闘教官を経て、今作では捜査官としてMARZに在籍し任務に当たる。
腕は確かなものの、思い込みが激しく取りこぼしが多い彼だが、いったいどうやってMARZに在籍できたのかは疑問が残る……これまでの数々の経歴を生かして、各所に独自の人脈を持っているからこそなせる業との噂もある。
この物語は、彼が敵組織によって捉えられ、ジグラッドによる公開処刑が行われようとした所から始まる。処刑直前だった所をプレイヤーに救出され、以降は友……相棒としてタッグで作戦に当たる事になる。
物語が進むにつれ、次第にMARZ司令部に疑念を深めていき、最終的にはMARZを離脱する。
各地の戦場に出没し敵味方問わず攻撃を行う様は、戦争の裏に潜んでいる「謎の組織」をあぶりだす為とも思える行動だが……彼の真意は不明である。
アファームド・ザ・ハッター
彼の象徴とも呼ぶべき、MARZ所属後の彼の愛機。
Tタイプのアファームドをベースにトンファー、ボムなどの白兵戦用装備を持たせた近接戦特化タイプであり、フォース時代、タイプJCのカスタム機に装備していた帽子の意匠を引き継いでいる。
MARZが独自にカスタムした専用機の1つであり、限定戦争規約に縛られない治安維持活動での使用が前提なことから、テムジン747Jよろしくコスト度外視での高性能化を実現している。加えて、搭乗者の戦闘技術により水準以上の高パフォーマンスを発揮する。
恐らくベースとなったJCタイプからさらに白兵戦に特化したためにダギアス・ガン(サブマシンガン)二丁もオミットされており、潔いまでの白兵戦特化型の機体に仕上がっている。
射撃兵装は、地面を這う衝撃波タイプのボム、ビームトンファーから繰り出されるソニックリング2発、アメフトよろしく地面に置いた爆弾を山なりに蹴り上げるドーム爆風ボムの3つ。
近接攻撃は通常のアファームドと同様のモーションを持つビームトンファー攻撃とキック攻撃である。
加えて、全ゲージ消費の隠し技「キック・ザ・ドラマティック」を持つ。空中からきりもみ回転しながら繰り出されるドリルキックであり、通常戦闘ではまず当てらないが、当たれば即死級の威力を持つロマン技となっている。(スパロボKにおける縦回転キックとはモーションが異なる。)
これら性能もさることながら、見どころは必殺武器の「スーパーソニック・テンガロン」。
なんとこれ、使うと頭のテンガロンハットをブーメランよろしく敵に投げつける。
しかも、爆発するわけでもないのに敵に大ダメージを与えることができる。スーパーソニックと言うだけあって、帽子から衝撃波的な何かを出しているのだろうか。
ゲーム中で難易度「ベリーハード」をクリアすることで出現。また、ザ・ハッターを保有しているデータでザ・ハッターを10回撃破すると(撃破数はEP.6での外れボスの場合も含むが、普通に考えて少なくとも10周近くドラマティックモードをクリアしなければならない)、MARZ離反後のカラーリングも入手できる。離反後のカラーリングはフォースにおけるスペシャルカラー「砂の勲」と「嵐の勲」を足して2で割ったようなものとなっているほか、センサーのカラーもイエローになっているなど、他機種では使用できない独自のものとなっている。
デタラメな機動力と格闘の破壊力は必見。
※先述の回数の件はガラヤカのカラーバリエーションの入手条件が「(入手後の)ドラマティックモード周回」であり、双方共に難易度を問わないのだから後は根気の問題かも知れない。
実はVCa2年のサンド・サイズ戦役以降、生身の彼の目撃談はない。同戦役終盤において重傷を負いVRと一体化したサイボーグになっているのではないかという噂もあるが、彼と仲のいいガールフレンド、ブロンコ嬢はこれを一笑に付して否定している。
ハッター軍曹に限った話ではないが、「フォース」「MARZ」「スパロボ」でも彼の生身の姿を見ることはできず、搭乗しているアファームドの顔が彼の顔アイコンとなっている。
ブロンコ嬢
ハッター軍曹のガールフレンド兼スポークスパーソン。
ハッターの正体を探ろうとする者の前に現れ、彼のあやふやな噂や説を否定する存在。ハッターとは親しい間柄とのことだが、実在するのかどうかも怪しく、電脳上の人格データではないかという噂もある。
ハセガワの「アファームド・ザ・ハッター」解説書で亙重郎氏が書いた内容(…かなりネタより、かつメタな内容なので公式設定としてどこまで信用して良いか判らないが)から、「ハッターの脳内にインプラントされている謎の女性のデータ」もしくは「脳内にハッター軍曹の人格エミュレータをインプラントしている女性」(要するに、この二人の逆パターン)である事が明かされている。
わざわざ、こんな方法を取っている理由は謎だが、そもそも電脳歴の人間は(アイザーマン博士の様に)我々の常識を逸脱した存在が多い為、気にするだけ無駄かも知れない。
ルックスは「金髪タンクトップの爆乳美人」。奇しくもゲーム発売時の同人誌で行われていた「女体化ザ・ハッター(カウガールモチーフ。テンガロンハットがそうさせたか・・・?!)」とモロ被りのキャラ付けである(pixivユーザーの中にも当事者が複数人居るのだが、何故かアップロードしていない。・・・勿体無い)。
その他
モデルとなった人物は、SEGAのバーチャロン開発スタッフに名を連ねていたプログラマーの石畑義文氏。(石畑→イッシー・ハッター)
彼は夜毎、担当機体であるアファームドのテストプレイを一心不乱に黙々と近接格闘縛りのプレイスタイルで行っていたという。当然、接近戦縛りとも言える無謀な戦術で他のテストプレイヤー達に勝てるはずがなかったのだが、彼の熱心さが伝わり現場で一目置かれるようになった。
ハッター軍曹の名台詞「ガッデーム!」も彼が負けた際に放つ口癖が元になっているとか。
キャラボイスを担当したのは声優ではなく、これまたSEGAのサウンド開発チーム所属の光吉猛修氏。
バーチャロンマーズ開発時に音声データのタイミング合わせ用の仮ボイスを収録した所、思いのほか良い出来だったためそのまま正式採用されたそうである。