概要
1989年連載開始。
侵略宇宙人グラッシャーに改造されたサイボーグ・バトルサンダーの戦いを描いた作品。
作者である島本和彦はヒーロー漫画のイメージが強いが、ギャグやパロディ・リメイクではない正統派変身ヒーロー漫画はこれがほぼ唯一である。
登場人物
無限=ダイ/バトルサンダー
本作の主人公。グラッシャーに滅ぼされたムウ星の生き残りで、改造手術を受けたのち脱走して地球に流れ着いた。グラッシャーは支配下に置いた者達を人間爆弾にしており、彼の胸にはその爆弾を自力で抉り出してできた大きな傷がある。
「バトルチェンジ!」の掛け声でバトルサンダーに変身。角から放つ衝撃波「バトルショック」を必殺武器とする。
多量の電気エネルギーを消費して巨大化することもできる。つまり、ウルトラマンと仮面ライダーという二大ヒーローの特徴を併せ持つ戦士である。
ラセン=ジョウ/ブラックハンター
ダイの親友だったがグラッシャーの手先となって襲い掛かった。後にグラッシャーを裏切りダイに協力する。ブラックハンターはバトルサンダーと同型の改造人間で、「ブラック!」の掛け声で変身。バトルショックも使用可能。
カレン
ダイの恋人。ジョウと同じく、科学者としてグラッシャーに与している。
登場組織
WW(ワイルドウルフ)隊
地球でグラッシャーに対抗し得る唯一の組織。最先端の科学と凄腕の兵士が集まっており、下級の侵略メカなら容易く倒せる戦力を持つ。ダイもこの一員となり、変身一回分のエネルギーを充填できるブレスレットを授かった。
グラッシャー
強大な武力を持った異星人軍団。幾多の星々を襲撃し、生き残った人々を奴隷や改造兵士として利用している。
首領のゴルド曰く、バトルサンダーはその中でも十万人に一人の優秀な戦士であったという。
番外編
本編の後日談にあたる短編。前半でいきなり無限=ダイが戦死し、グラッシャーの超巨大要塞の爪が地球を突き刺さらんとする絶望的なビジュアルと、ダイの息子のアキラが新たなバトルサンダーになることを決意、10倍強い改造を施すよう頼み込む…という熾烈な戦いの感じさせる流れで幕を閉じる。
なお、連載当時の単行本(全三巻)では番外編はストックに入らなかったのか、宇宙に散らばったゴルドの細胞をすべて叩き潰すためにダイがジョウと共に宇宙に旅立ち、「その後 彼らの姿を見た者はいない……」という幕切れとなっている。
余談
バトルサンダーは島本和彦先生のオムニバス漫画『ワンダービット』の「これが正義だ!!」にも名を変えて登場。
「おれは生まれた星を異星人に滅ぼされて地球にきた! この第二の故郷 "地球" はやつらの手には絶対渡さん!! おれの名は サンダーバトル!!」
父を殺した秘密結社グッドラックへの復讐に燃えるバーニンガイ、悪を根こそぎ討ちまくるジャングルJ、権力者に踏みにじられる者の恨みを晴らす仕事人ミラクルV、世界征服を企む秘密結社アースフラッシャーと戦うバーニンギャル、悪の組織に裏切られ復讐に燃える髑髏男アウトサンダー、なぜか悪に狙われてやむなく戦うゴッドジャスティスと、各々が異なる正義を掲げる中、バト……もといサンダーバトルの戦う動機は一同も拍手を送るほどであった。